golden(以下g):「おかんがな、昔気に入ってたロックバンドの名前が思い出されへんって言いよんねん。」
blue(以下b):「ロックバンドゆーてもぎょーさんいてるからなぁ。ちょっと一緒に考えてあげるから、その気に入ってたバンドの特徴をゆーてみて。おかん、なんてゆーとったかな?」
g:「ヒットしたんは80年代後半らしいねん。」
b:「80年代後半ゆーてもいっぱいいろんなバンドがヒットしてたしなぁ。もうちょっとなんかゆーてなかったかな?」
g:「国籍は確かイギリスで、70年代から活躍してるらしいけど一時期はちょっと落ち目やったらしい。」
b:「わかった。クイーンやな。クイーンは70年代からずっとヒット曲を連発してたけど、サントラの『Flash Gordon』とかディスコっぽい『Hot Spece』あたりで落ち目になってたんや。」
g:「めちゃくちゃヒットして、MTVでもしょっちゅうかかってたらしいで。」
b:「ん?ほんならクイーンちゃうな。84年の『The Works』からは“Radio Ga Ga”がけっこうヒットしてたけど、86年の『Kind Of Magic』は全然ヒット曲なかったからな。」
g:「ヴォーカルの人はけっこう派手派手やったともゆーてたな。」
b:「ほんならやっぱりクイーンやないかいっ!クイーンのヴォーカルのフレディ・マーキュリーは、ローリングストーンズのミック・ジャガーと並ぶ派手なカリスマ・ヴォーカリストやからな。」
g:「でも、ヴォーカルは女の人やったらしいで。バンドのメンバーと夫婦やったはず。」
b:「ほんならクイーンとちゃうかー。フレディ・マーキュリーはゲイやってカミングアウトしたけど、女性ではないからな。あんなムキムキちょび髭を女性と間違うはずもないやろうし、ましてクイーンの他のメンバーと結婚してるはずがない。他になんかゆーてなかったかな?」
g:「コーラスはすごい上手で、ドラムの人も有名。」
b:「やっぱりクイーンやないかいっ!クイーンといえば4人のメンバー全員が歌えてハーモニーがきれいやっていうのが特徴やし、ドラムのロジャー・テイラーはイケメンで一番人気があったんや。」
g:「でも、ギターの人は全然目立ってないしギターも全然弾きまくってなかったって。」
b:「ほんならクイーンとちゃうやないかいっ!クイーンといえばブライアン・メイのハードなギターがカッコええねんから。」
g:「おとんが言うにはな、サザンオールスターズちゃうかって。」
b:「そんなわけあるかいっ!やめさせてもらうわっ!」


Queen / Kind Of Magic(1986)



b:「テンプレート漫才リヴィジデッド(笑)」
g:「おかんが気に入っていたのは、フリートウッド・マックでした。」
b:「なるほど、ヴォーカリストは派手、ドラマーは有名で、ギタリストは地味(笑)」

Fleetwood Mac / Tango In The Night(1987)



b:「フリートウッド・マックっていうのは不思議な存在感のバンドやな。」
g:「ちょうど音楽を聴き始めた頃には活動休止中っていうか。」
b:「クリスティン・マクヴィーもスティーヴィー・ニックスもソロのアーティストとして先に知った。」
g:「82年には『Mirage』をリリースしてるけど、あんまりヒットしてたイメージがないんだよね。まったくスルーしてた。」
g:「ハスキーでブルージーなクリスティン・マクヴィーと、キュートでコケティッシュなスティーヴィー・ニックスのコンビネーションが素敵だった。」
b:「ハーモニーの美しさも魅力やけど、こぢんまりとはしてへん、独特の華やかさがあるねんな。」
g:「リンジー・バッキンガムのポップ・センスもちょっと独特っていうか。」
b:「ピーター・グリーンがいたブルース・バンド時代、ボブ・ウェルチの時代から、リンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックス加入以降、がらっと音楽性が変わった。」
g:「作曲しないし歌も歌わないリズム隊の二人がバンドのイニシアティブをとっているというのもありそうでないスタイルなんだよね。」
b:「そもそもドラマーがリーダーのバンドって、ジャッキー吉川とブルー・コメッツしか思い浮かばんな(笑)」
g:「ハナ肇とクレイジーキャッツとかね(笑)、スパイダースも最初は田辺昭知とスパイダースだったらしいけど。」
b:「あんまり必要のない知識やな(笑)」
g:「海外だと、デイヴ・クラーク・ファイヴのデイヴ・クラークがドラマーのバンマス。」
b:「って言われても、やっぱり使えん知識やで。」


g:「クイーンもフリートウッド・マックも、もはや必死こいて頑張らなくてもやっていけるだけの名声を得ていたのにまだまだ新しいチャレンジをしようとしていたっていうのがすごいなぁ、って改めて思うね。」
b:「クイーンの『Kind Of Magic』なんか当時駄作扱いされてたけど、今聴くと全然悪くないな。」
g:「クイーンらしいハーモニーとポップセンスとハードさっていうか。」
b:「イマイチって評価してるけど、実はクイーン活動中で一番売れたアルバムがこれらしい。」
g:「全世界で3000万枚以上だって。フリートウッド・マックの『Tango In The Night』も1500万枚以上売れたらしい。」
b:「そうか、名声を得たあともチャレンジできる動機は、金か。。」
g:「そー言っちゃうと身も蓋もないないけど、この時代はそれくらいアルバムが売れたんだね。」
b:「コマーシャリズムに魂を売ったロックンローラーには興味ないな。」
g:「いやー、商売として成立する、ヒットするっていうのは大事なことだよ。それだけ多くの人の心に届いたってことだからね。」