ニューソウルのムーヴメントを後ろから支えたギタリスト、そしてフュージョン/クロスオーヴァーのブームを牽引したStuffのギタリスト、コーネル・デュプリー。

60年代前半にのキング・カーティスのバンド、キングピンズに加入し、アトランティック・レコードのセッションギタリストとしてアトランティックの全盛期を支え、アレサ・フランクリンの『Live At Fillmore West』やバンドにもダニー・ハサウェイの『Live』のグルーヴを紡いでいる重要人物だ。



1974年リリースの『Teasin’』は、なんとなくのんびりしたいときや雑多な諸々から解放されたい気分のときに割りとよく聴く愛聴盤なのです。

渋いというか、かっこいいというか、正直ギタープレイの技術的なことはよくわからないけど、クールでリラックスした演奏でありながら、どこかに熱い想いを秘めて心の深くまで迫ってくるような演奏が素敵だと思う。


代表曲を一曲選ぶとすれば、やっぱり後にスタッフでもレコーディングしていた“How Long Will It Last”だろうか。



よく歌うコーネルさんのギターのフレーズも伸び伸び活き活きしてるんだけど、肝はファンキーでスティディな16ビート。なにしろリズム隊はチャック・レイニー(b)とバーナード・パーディー(ds)だ。キーボードは後にスタッフでコンビを組むリチャード・ティー、そしてパーカッションにラルフ・マクドナルドというオールスターなメンツの音が心地よくないはずはないのだけれど、とにかくグルーヴ感から、ちょっとしたオブリガードなフレーズの間の隅々までかっこいい。


“How Long Will It Last”はスタッフにも通じるフュージョンっぽい感じだけど、このアルバムの真骨頂は泥臭いR&Bのテイスト。フュージョンというよりはインストのR&Bだ。それこそキング・カーティス&キングピンズを継承したようなファンキーさの“Feel All Right”や、アーシーでブルージーな“Ookie Dookie Stomp”なんてもう最高にゴキゲンだ。




いいねぇ、このいなたい感じ。

泥臭さと洗練の絶妙なバランス。

ファンキーなリズムとブルージーに歌うギター。

ツボを心得た演奏とはまさにこういうことだろう。