インタビュー2010年

「やぁ、そうだね。そんな時代もあったね。あの頃僕はまだ30歳にもなっていなくて、ほんとうに若かったんだ。ビジネスにうんざりしていたからね、今までの自分の中にない考え方ならどんなことだってよかったんだろうな、きっと。だから、どっぷり引き込まれてしまったんだ。それでもよく続いたもんだと思うよ。真のパートナーシップなんてどのみち10年も続かないもんなんだ。ポールともうまくいっていたのはせいぜい5、6年だったしね(笑)。僕たちを理想のカップルと呼んでいた人たちはがっかりしただろうけど、そういうこと押し付けられるのはとてもたまらないもんなんだよな。ただ、あのあとの裁判には参ったなぁ。僕自身は知的財産権なんてどうでもよかったんだ。あの歌のコンセプトは確かに彼女のものだし、そんなものくれてやるつもりだったのにさ、レコード会社は自分たちのビジネスのことばかり優先して争うものだから、ほんとうに疲れ果ててしまったよ。そう、大好きな音楽をプレイする気も失せるくらいにね。それですっかりやる気がなくなって、二度目の隠居さ(笑)。
そんなことよりも、今の話をさせてくれよ。どうだい?新しいアルバムは?この前のアルバムがしっとりとスタンダードを歌った大人のアルバムだったからさ、ああいうのはああいうので大好きなんだけど、今度はとんでもなくハードでヘヴィなのをやりたかったんだ。若い連中とね。だいたい、ヒップホップもオルタナもグランジもそもそもは全部僕がビートルズの時代にやってたことばかりだったんだよ。だから、ああいう奴等からリスペクトされるのは嬉しいね。評論家連中は酷評してるって?ロートルの悪あがきだって言われてるよな、知っているよ。ハハハ、言わせておけばいいのさ。あいつらはいつだって最初はクソミソに言うんだ。そしてある時期を経たら今度はとてつもなく持ち上げる。僕がやってきたことを振り返って見てみたらわかるだろう?」


Baby's sleeping the cats have all been blessed 
Ain't nothing doing on TV 
Put on my space suit I got to look my best 
I'm going out to do the city 

I'm stepping out 
I'm stepping out 
I'm stepping out babe 
I'm stepping out 

  赤ん坊は眠ったし、猫も寝息をたてている 
  テレビももう何にもやってない 
  さぁ、あのお気に入りのエルビスのかっこしてさ 
  街へ出かけていっちょやらかすとしようか 

  飛び出していくんだ 
  はみ出してやろうぜ 
  いっぱつぶちかまそうぜ 
  もう窮屈なのはうんざりなんだ