いつもありがとうございます。

 

今日は休日ですが8時30分に電話が

ありました。

 

利用者さんからの電話です。

 

アルコール性認知症の診断を

受けている方です。

 

出会ったのはちょうど1年くらい前

でしょうか。

 

地域包括支援センターからの依頼で

受け持つことになりました。

 

要介護1の認定が出ていたのですが、

「どこが要介護1なの」という感じ

でした。

 

段々と認知症状が進んでいるような

感じがあります。

 

「2月の予定はどうなってる?

 

小林さん全然来てくれないから」と

おっしゃっていました。

 

1月は少なくとも2回は会ってお話し

していますし、お電話も何回かして

います。

 

「何回も会ってるやないか」と言いかけ

て言いませんでした。

 

(笑)。

 

「先日、お邪魔した時に2月の予定を

置いていきましたよ。

机に置いてないですか」と聞くと、

「忘れてしまった」とおっしゃって

いました。

 

「行きたくないと言わない限りは、

基本的に通えるから大丈夫ですよ」

と伝えると安心されていました。

 

ADLは完全に自立しています。

 

毎日1万歩以上歩かれます。

 

多い時は2万歩を超えています。

 

歩くのは健康に良いですが、なんでも

やりすぎはよくありません。

 

ちょっと歩きすぎではないだろうか

と思ったくらいです。

 

ヨガの先生が友人におり、助手のよう

なことをされていたそうです。

 

いまでも体が柔らかく、前屈は余裕で

できますし、後ろで合掌もできます。

 

私の数十倍、体が柔らかいのです。

 

コミュニケーションも良好で、

昔の話をよくしてくれます。

 

何度もお話しするうちに、エピソード

を覚えてしまいましたが。

 

「次は、あれでしょ。はい、来たあの

話。そこからこうなってああなって」

と聞きながら独り言を言っていまし

た。

 

(笑)。

 

女性なのですが、とっても気が強い方

で「喧嘩で負けたことがない」と

おっしゃっていました。

 

不良とかではないのですが、男の子と

よく喧嘩をしたそうです。

 

弟さんが二人おり、包丁を振り回した

というエピソードも聞きました。

 

包丁を振り回したどころか、扉に出刃

庖丁を突き刺したとおっしゃって

いました。

 

ちょっと笑えないエピソードです。

 

(笑)。

 

私にはとても丁寧ですし、基本的に

筋の通った方です。

 

喧嘩と言っても、からかってきた相手

と喧嘩したり、弱い者いじめをして

いる相手と喧嘩をしたりと、無意味に

喧嘩をしているわけではありません。

 

筋が通った方だなというエピソードが

色々とあります。

 

色々な面で男勝りな方です。

 

とても勉強になります。

 

情に厚いところもあり、父を看取り、

母を看取り、義母を看取り、友人も

何名か看取ったことがあるそうです。

 

お子さんたちと上手くいっていない

ようで、間に入ることが増えて

います。

 

お子さん達には、お子さん達の言い分

があります。

 

おばあちゃんの家に預けられていて、

全く育てられていなかったという

お子さんもいました。

 

お互いに違うことを言うので、事実が

分からない部分が多々あります。

 

主観的な事実、客観的な事実があるの

でしょう。

 

どちらも自分なりの真実を伝えている

のだと思います。

 

最初の内は「何が本当か分からない。

真実を追求しなければ」という

思いもありました。

 

実際に事実が分からないと適切な支援

ができない部分もあります。

 

ただ、あまり真実の追求にこだわる

ことはやめました。

 

必要なとき、必要な場面で、客観的

事実を調べていけば良いだろうと

思っています。

 

相談援助などでは「興味本位で質問

しない」という原則があります。

 

原則の裏に例外ありです。

 

相手に興味を持たなければ、相手の

ことを知ることはできません。

 

本気で支援しようと思えば、興味が

湧くでしょう。

 

介護保険制度のサービスを利用して

もらうためだけに、ケアマネジメント

をするわけではありません。

 

より良い人生を過ごしていただくため

に、人生のマネジメントのお手伝いを

するのです。

 

その時に知らなくて良いことなどない

のです。

 

その方が持っている価値観、信念こそ

が最も重要な情報だと思います。

 

相手に興味を持つことと、興味本位で

質問することは意味が違うとは

思いますが。

 

良いケアマネジメントをするために、

色々なテクニックがあると思います。

 

それを学ぶことも大切なことです。

 

最も大切なことはテクニックには

ありません。

 

相手に興味を持ち、相手の幸福を

祈り、そのために自分ができる

ことはなんだろうか。

 

そのように考えていくことが、

より良い支援に繋がるのでは

ないかなと思います。

 

アセスメントの項目に入っているから

聞くというよりは、その人をもっと

知りたいから聞くのです。

 

その人を知らなければ、その人の

幸福を考えることができません。

 

勉強も同じです。

 

どうすれば勉強が続けられるか、

得点が伸びるか。

 

色々なテクニックはありますが、

重要なポイントは興味を持つ

ことです。

 

興味を持つから学ぼう、知ろうという

気持ちが湧いてきます。

 

興味を持って学んでいると「絶対暗記

するぞ」という気合がなくても、

自然と覚えられるものです。

 

暗記のテクニックも色々とあります

が、本質は興味を持つことだと

思います。

 

利用者さんの情報は「何がなんでも

暗記するぞ」と気合を入れなくても

覚えられるものです。

 

ポイントは興味を持つこと、そして、

繰り返し触れることです。

 

冒頭の利用者さんのエピソードは、

色々とありますが、覚えようと

したわけではありません。

 

会うたびに同じ話をされるので

覚えてしまったのです。

 

(笑)。

 

どこで生まれて、どんな幼少期で、

どんな仕事をして、どんな悩みが

あって、どんな悲しみがあって、

今があるのか。

 

それを覚えたところで介護報酬には

繋がりません。

 

ただ、その人の幸福の支援には

繋がります。

 

ケアマネとして成長していくための

ポイントも試験で良い点を取る

ポイントも、本質は興味です。

 

なぜいつも土曜日の8時30分に電話を

してくるのだろうというのが、今の

一番の興味ポイントです。

 

(笑)

 

最後までお付き合いいただき、

ありがとうございました。

 

光の指針

 

~愛を本物とするために~

 

「『人間について知ることのない人

は、愛の思いが本物にはならない』と

いうことです。

 

愛の思いが本物になるためには、多く

の人々への限りなき関心ということ

が、どうしても必要なのです。」