あの日以来、yuriと会社が終わってからご飯行ったり、飲みに行ったり、一緒に帰ったりした。

毎日が凄く凄く楽しかった。

「最近やたらと遅いのね」と同棲中の彼女に口煩く言われる日々が続いた。

段々、そんな毎日に疲れ同棲中の彼女を抱けなくなっていた。

――yuriともっと一緒にいたいな。


だけどyuriには彼氏がいる。きっと俺の事を友達以上には思ってくれていない。
だからこの気持ちは忘れて、今の彼女との将来を考えた方が絶対良い。

それから俺はyuriを避けるようになった。しかし同じ気持ちだったのかyuriも俺を避けはじめた。

――これで良いんだ…。


会社もお盆休みに入り、俺は実家へ帰省していた。

突然のyuriからのメール。
「結婚する事になったから、来月いっぱいで会社辞めるね。今まで仲良くしてくれてありがとう。」

―嘘だ…。頭が真っ白になった。

でも俺はこのメールの返信に「良かったね、おめでとう!結婚式には呼んでね」と打っていた。

もう何もかもやけくそになっていた。
それからすぐして、会社終わりに会社の仲の良いメンツで飲みに行く事に。

俺は、最初は断ったのだが…(当時同棲してたので、付き合っていた彼女と約束があった為)
yuriが「あんたがいないとつまんないから絶対来てよ」と言うもんで、誘惑に負けて行く事になった。

彼女には嘘をついて、残業が長引いてその後会社の人達とご飯食べに行く事になったと伝えた。

初めて俺が彼女に嘘をついた日だった。

そして飲み会が始まった。
yuriは何だかペースを上げて飲んでいた。俺の隣に来て、会社の女の子達と胸の大きさについて語っていた。
酔った勢いなのか、俺の手を取り自分の左胸にあてて、「ほら小さくないでしょ?」と触らせた。

何が何だかわからなくて…心臓の鼓動が聞こえるんじゃないか?!とハラハラしていた。

yuriの行動に会社の人達も唖然。
『お前らデキてんじゃねぇの?』とからかう上司。

yuriが俺の肩に手を回して「あたしの彼氏なの~」と言った。

酒の勢い。
そう思うようにしようと。
嬉しかったけど、シラフで言われたいなと思った。


――酒に呑まれない俺は、この日の出来事を鮮明に覚えてる。


店を出て、yuriは足がフラフラになる程酔っていて、歩く事さえままならなかった。
そして案の定俺が送っていく事に。

けどyuriの家なんて知らない。yuriに聞くと、コッチだよ~と歩いていく。
言われるがままについて行くと、公園に辿りついた。

「私の家ね、そこなの。」yuriが指さした先は公園の向いの…大豪邸。

お嬢様だとは思ってたけど、まさかこんなに家が大きいとは…。

公園でyuriは俺に今の彼氏の事、家族の事を話してくれた。
転勤で遠距離になってしまった彼氏、ついていくと言ったが、残れと言われた事。

――俺に今彼女がいなけりゃここで抱き締めてやるのに…。

俺は理性と戦っていた。

そして深夜2時を回って、『帰ろう?』と俺が言うと、yuriが「携帯出して」と言うので、携帯を出した。
赤外線でアドレスが送られてきた。

「欲しかったんでしょ?」とyuriは言うと、じゃあねと家に入っていった。


――嘘だろ!?

俺はこの日帰ってから一睡も出来なかった。。。
俺が恋に気付いたのは、先輩に頼んでyuriを個人的に飲みに誘った時だった。
二人きりでとも考えたけど、やっぱり警戒心を抱かれると感じたから…。


それから飲みに行って、調子ついたのか…yuriを今度は映画に誘ってみた。
今度は二人きりで。

――DEATH NOTEに(笑)

「映画は彼氏としか観に行かないから」と、撃沈。

懲りずに、メアドを聞いてみた。

「はぁ?何であんたにメアド教えなきゃイカンの?」とこれまた撃沈。

――これで諦めてたら…そう思うようになってきていた。
恋に気付いた。

気付いたら、目で追うようになっていた。
顔を見るだけで、Happyな気持ちになった。
考えるだけで、胸が締め付けられた。

――どうしようも無いくらい好きになっていた。