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『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2014/07/03
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From 佐藤建志@評論家・作家
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●●中国大暴走。日本は国家存亡の危機を回避できるのか?
三橋貴明の無料解説Videoを公開中
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今日から隔週木曜で、メルマガを担当することになった佐藤健志(さとう・けんじ)です。
ぜひ、よろしくお願いいたします。
プロフィールを簡単に申し上げますと、職業は評論家・作家。
近著に『震災ゴジラ!』(VNC)、『僕たちは戦後史を知らない』(祥伝社)、『国家のツジツマ』(中野剛志さんとの共著、VNC)、編訳書に『新訳 フランス革命の省察』(エドマンド・バーク、PHP)があります。
この7月には、翻訳第二弾として『コモン・センス完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」』(トマス・ペイン)を、ふたたびPHPより刊行予定。
すでに予約受付中です。
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(短縮URLを二種類記したのは、どのような端末をお使いになっているかによって、アクセスに要する時間に長短があるためです。ご都合の良いほうをお選び下さい。)
2009年から2011年にかけては、「SOUNDTRAX interzone」(サウンドトラックス・インターゾーン)というFMラジオ番組で、構成・選曲・DJの三役を担当。
この番組については、私が実質的なプロデューサーでもありました。
今年は、「どれだけ」という歌で作詞家デビューなどもしています(作曲・歌=Saya。4月22日、六本木スイート・ベイジルSTB139でのコンサート「風姿花伝」にて初演)。
新日本経済新聞の執筆陣には、「ネオリベがいっぱい」や「フロマン(UTSR)」、「恋するモウソウクッキー」などのヒット曲で知られる名匠・東田剛さんもいるわけですが(過日、作詞家引退を表明されたのが惜しまれます)、その足下ぐらいには達しているかも知れません。
ネットでは、趣味にちなんだ「ダンス」という愛称がついています。
本メルマガの配信(7/3)と同時に、私の公式サイトがオープンしますが、その名称も「DANCING WRITER」としました( http://kenjisato1966.com )。
どんどん更新してゆきますので、あわせてご覧下さい。
さて、初回の話題はこちら。
6月19日、テレビ朝日のワイドショー番組「モーニングバード!」にVTR出演しました。
テーマは集団的自衛権と憲法。
収録自体は良い雰囲気だったのですが、そこはそれ、尺(=分量)にこだわるのがテレビの宿命。
実際の放映ではかなりカットされていました。
結論だけをいきなり流す形になったので、イマイチ分かりにくかったのではないかと思います。
よって、みなさんに完全版をお届けしましょう。
こういう話だったのです。
1) 憲法前文は、集団的自衛権どころか、集団的安全保障まで肯定している。
憲法前文には、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」「いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と書かれている(原文旧かな、以下同じ)。
現代の感覚でこれを素直に読めば、「国際社会の秩序維持のため、日本は積極的に行動する意志と責任を負う」ということになろう。となれば、集団的安全保障への参加は必然である。
集団的自衛権の行使について、前文はたんに容認するどころか、「大いにやるべし」と奨励しているのだ!
いや、「集団的自衛権の行使だけでは生ぬるい」と見なしている可能性すらあろう。
同じ前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」という文言が見られるのは、上記の解釈を否定するものではない。なぜならこれは、いわゆる「ならず者国家」の武力行使にたいする、抑止の決意表明だからである。
なるほど憲法制定当時は、ほかならぬ日本がそのような「ならず者国家」として扱われていたのだろう。ただし当の解釈が今や不適切であることは、疑問の余地がないと思われる。
2) しかし憲法九条が、集団的自衛権行使を肯定しているとは信じがたい。
法学的な観点からすれば、どこかに抜け穴がひそんでいる可能性が皆無ではないかも知れない。だとしても、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という文言は、ふたたび素直に読むかぎり、集団的安全保障への参加はおろか、集団的自衛権の行使も否定しているとしか受け取れない。
だからこそ政府は、長らく「日本は集団的自衛権を持ってはいるが行使できない」と主張してきたのだし、現政権にしても、集団的自衛権と集団的安全保障を区別する姿勢を見せているではないか。
だいたい素直に読んだら誤読するような憲法は、内容に問題があるのだ!
3) つまり集団的自衛権、および集団的安全保障をめぐり、憲法は自己矛盾をきたしている。
この問題に筋を通したければ、政治的な立場によらず、憲法改正を主張しなければならない。
行使容認に賛成であれば九条を、また反対であれば前文を、それぞれ改正せよと唱えるべきなのだ。
憲法は国の最高法規。しかも前文は憲法全体の精神を体現した文章(のはず)であり、九条はこの憲法の看板と目される条文ではないか。
両者の間に矛盾があるのを、放置しておいて良いはずはない!
したがって憲法を盾に取る形で集団的自衛権行使容認に反対するのはおかしいが、憲法解釈の変更だけで行使容認に踏み切って良いと構えるのもおかしい。憲法の抱える矛盾を解消したうえでの集団的自衛権積極的行使、これこそ王道と言えよう。
安倍首相も6月9日、参議院でこう述べた。
「信念を少し丸めて、その場を取りつくろっても、後々大きな禍根を残すこともある。それは政治家として不誠実ではないか」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140610/plt1406101537005-n1.htm
首相の発言は集団的自衛権に関連したものではないが、まさにその通り、堂々たる正論である。
政治は筋を通してナンボなのだ。ならば集団的自衛権行使容認も、憲法改正によってやるべし!
だが・・・
4)憲法改正は、戦後日本のあり方を根底から見直すことである。言いかえれば、アメリカとの関係も根本的に問い直される。
集団的自衛権行使容認は、しばしば「日米同盟強化」とイコールのごとく見なされるが、これは必ずしも正しくない。
問題の本質は、
「安全保障をめぐる戦後日本の硬直した姿勢を改めることで、国家の存立、および国益の維持のために取り得るオプションをできるだけ多様化する」
ことなのである。
ところが「日米同盟強化」も、安全保障をめぐる戦後日本の硬直した姿勢の一つ!
つまり「集団的自衛権の行使容認=日米同盟強化」の図式にとらわれている者は、
「筋の通ったやり方で集団的自衛権行使容認に踏み切ろうとすると、集団的自衛権の行使を容認する目的そのものが揺らぎかねない」
というジレンマに陥る。
だから憲法解釈の変更という姑息な手段で押し通すしかないのだ!
・・・朝のワイドショーでやるには、ちょっと濃すぎる話題だったかも知れませんね。
でも、「(憲法)解釈の一部変更だが、解釈改憲ではない」などという理屈(笑)で行使容認を正当化するのは、いかんせんセコいと思いませんか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140627-00000016-mai-pol
考えてみればこれって、「もはやデフレ状況になく、デフレ脱却に向けて着実に前進」という経済政策をめぐるアレと、論理構造(ないし、その欠如)がまったく同じ。
ちなみにデフレ状況うんぬんについては、藤井聡さんが本紙に寄せた記事(7/1付)をぜひ。
笑えます。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/07/01/fujii-97/
いやしかし、これは笑い事ではない。
「言葉をいい加減な形でしか使えない者に、誠実さは期待しえない」と喝破したのは、イギリスの作家ジョージ・オーウェル(代表作「1984」「動物農場」)。
さあ、今の政府に誠実さは期待しうるのか?
集団的自衛権に反対する人々の中には、
「解釈改憲のあと、アベは本当に憲法を変える気だ! 気をつけろ!!」
などと叫ぶ方がいますが、これはハッキリ言って過大評価。
そういう筋の通ったことをやるだけの力量がないから、こんなセコい真似をやらかすんでしょうに。
私は集団的自衛権の行使に賛成です。
というか、集団的安全保障にも賛成です。
しかし政治においては、「何をやるか」と並んで、「どのような形でやるか」が非常に重要。
「これは正しい政策なんだから、なりふりかまわずやってもいいだろう」ということにはならないのです。
そんな姿勢は、将来に禍根を残します。
政治は筋を通してナンボ!
より詳しくは、以下の三冊をご覧下さい。
『国家のツジツマ』
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(通常版)
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『僕たちは戦後史を知らない』
http://ie.to/?17345482
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http://am…
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