「台湾の声」【NEWS】危機に直面する台湾民主
台湾の声ニュース 2013.9.11 多田恵
昨晩、台湾の立法院院長すなわち国会議長を務める王金平氏が緊急帰国した。
台湾の特捜部によって、口利きをしたと指摘され、国民党内の審査にかけられることになった。
もともと娘の結婚式をマレーシアで行うために出国中だったが、総統である馬英九が、直ちに帰国して説明するように求めたためである。
王氏の娘は結婚式を中止し、王氏は急いで帰国した。
桃園国際空港へは、民進党を除く超党派の国会議員および千に上るといわれる支持者がヒマワリの花を持って詰め寄せた。
空港での王金平氏の演説は、特捜部の捜査が越権違法であることを法律条文を挙げて明確に指摘した。特捜部が五院の院長を操作できるのは収賄の場合であり、立法院院長には司法へ権限を持たないから、特捜部の捜査案件ではないというのは説得力がある。しかもそれに盗聴という捜査手段を用いた。
王氏は馬英九を貶すことこそなかったが、民主法治を守る気持ちは馬英九と同じである、国民党の団結が破壊される可能性について指摘し、自らの正当性を主張し、この点について譲らない姿勢を見せた。
しかし、これに対して馬英九は「失望した」とコメント。あくまで王金平を引き摺り下ろす腹積もりなのであろう。王氏は本日の党内審査で党籍を剥奪された。
裁判所に対して保全の仮処分手続きをしなければ、比例区選出のため議員の資格および院長の資格も失うことになる。
王氏はなぜ馬の怒りを買ったのか。台湾社会の見方は、原発建設継続、中国との貿易協定問題などで、議会が膠着する中、馬英九は警察権力を議会に入れて、強引に議事を進めたいのに、立法院長である王氏がそれを認めなかったためだというものである。
王氏が院長から引き摺り下ろされれば、副院長の洪秀柱(女性。中国国民党)を院長にあてるだろうと見られている。この洪秀柱という「外省人」は過激な言動をすることで知られており、国会への警察力の導入をためらわないと見られている。
そうなれば、台湾の民主主義のますますの後退は避けられない。
『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html