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Common Sense: こんなに違う高校「歴史総合」教科書

 歴史教科書には「思想誘導」型、「社会科学」型、「歴史物語」型の3つがある。
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■1.歴史教科書3つのタイプ

「従軍慰安婦」という用語について「誤解を招く恐れがある」などとする答弁書を政府が閣議決定したことを受け、いくつかの教科書が、「従軍慰安婦」を「慰安婦」に訂正しました。しかし、「敵はさるもの」で、こんな「奥の手」を出す教科書もありました。

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清水書院の高校の歴史科教科書では、元慰安婦に償い金を支給した「アジア女性基金」について、平成13年に公表された「いわゆる従軍慰安婦」との記述がある外務省の文章を「資料」として引用。注釈で「現在、日本政府は、『慰安婦』という語を用いることが適切であるとしている」などと併載することで検定を通過した。[産経]
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 ここまで来ると「従軍慰安婦」という言葉をなんとしても教科書に残すのだ、という執念を感じますね。こういう姿勢がある限り、閣議決定などでいくら左翼用語を使わせまいとしても、「モグラ叩き」となってしまいます。

 私は高校の新教科『歴史総合』の各社の教科書を調べていて、教科書執筆者の姿勢によって、同じ教科の教科書で、みな検定を合格していると言っても、以下の3つの異なったタイプがあることに気がつきました。

・思想誘導型
・社会科学型
・歴史物語型

 こうした根本的な姿勢の違いから、どういう史実(なかには史実とは言えないフェイクも含まれていますが)を取り上げて、どう記述しているのか、という違いが出てきます。「従軍慰安婦」とか「強制連行」という用語の選択も、その一環なのです。

 これによって、同じ「歴史総合」でも、どの型の教科書を使うかによって、高校生はまったく異なる学びをすることになります。以下、それぞれの型について、説明していきましょう。


■2.思想誘導型 ~「問答無用」型の押しつけ記述

 たとえば、実教出版の歴史総合教科書には次のような一節があります。

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日本の勝利は,イラン,オスマン帝国やベトナムなどにおいて,東洋の立憲国家による西洋帝国主義への勝利ととらえられ,それらの地域の民族運動の進展に影響を与えた。しかし実際は,韓国・満洲利権をめぐる帝国主義国家どうしの争いであった。[実教出版、p107]
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[学習指導要領]には「特に、日露戦争における勝利がアジア諸民族の独立や近代化の運動に刺激を与えたことに気付くようにする」[p150]と具体的な指示があります。日本が世界に良い影響も与えているのだから、それも書くように、という思いでしょう。

 その指示に従って「日本の勝利は、、、」と述べた後で、とってつけたように「しかし実際は,韓国・満洲利権をめぐる帝国主義国家どうしの争い」と結びます。いくら日本が良い影響を与えたとしても、結局「日本の本質は帝国主義なのだ」という著作者の不動の信念で結びます。面従腹背とはこのことでしょう。

[指導要領]は歴史学習において、「主体的・対話的で深い学び」を目指すとしていますが、根拠も示さずに、ただ「帝国主義だった」という「問答無用」型の押しつけ記述では、生徒は主体的に考えることも、クラスで対話的に議論することもできません。この結論を「一つ覚え」として押しつけられるだけです。これでは「受け身的・一方的で浅い学び」にしかなりません。

 教科書執筆者の姿勢が「思想誘導」である限り、その思想に合致するトピックスを選び、その思想にふさわしい「帝国主義」などの表現を使って、これが「歴史教科書だ」としてしまうのです。この「思想誘導」が暴走すると、史実を曲げた記述まで登場します。「従軍慰安婦」がその典型です。


■3.「社会科学」的記述の「客観性」

 第2のタイプが「社会科学」型です。リンゴが重力の法則によって下に落ちる、というように、自然現象の中に原因と結果の法則性を見つけるのが自然科学ですが、これを社会現象にも適用して、そこに因果関係を見つけようとするのが社会科学です。その一例として、次の山川出版社の記述を挙げましょう。

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韓国からロシアの影響力を排除するという日本の戦争目的は達成されたが、賠償金が得られなかったことなどから、増税や人的犠牲に釣りあう成果ではないと受け止めた人々も多<、講和条約調印の日には東京で講和反対の暴動がおきた(日比谷焼打ち事件)。[山川、p93]
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「韓国からロシアの影響力を排除する」という戦争目的の記述も正確ですし、「増税や人的犠牲に釣りあう成果ではないと受け止めた人々も多<」というのも史実に忠実な記述です。それが日比谷焼き討ち事件につながった、というのは、論理的な因果関係です。歴史書に定評のある山川出版社らしい堅実な記述姿勢と言えます。

 こういう「客観的」な歴史記述は、史実を尊重するので、思想誘導型のような史実無視の暴走はありません。しかし、社会科学的な記述を心がけようとすれば、当時の先人たちの心情などは捨象されてしまいます。

 リンゴが木から落ちる、という現象を自然科学的に解明しようとすれば、リンゴはある質量をもった点としか捉えられず、そこではリンゴの色も香りも手触りも捨象されてしまうのです。自分の両親が丹精込めて育ててようやく実った見事な真っ赤なりんごが、台風で木から落ちてしまった、というような無念の気持ちも当然、考慮の対象外となります。

 たとえば、自分の息子を日露戦争で亡くした母親にしてみれば、賠償金で新しい戦艦でも建造されれば、息子の死もお国の役にたった、とせめてもの慰めになるでしょう。社会科学的な記述では、そういう個人の具体的な思いは捨象されてしまうのです。それによって、歴史の記述は事象とそれらの間の因果関係という、無味乾燥な説明になってしまいます。


■4.先人の声に耳を傾ける「歴史物語」型記述

 第3の「歴史物語」的記述の代表例として、以下の明成社教科書の一節を挙げましょう。[明成]は「世界に影響を与えた日露戦争の勝利」と題して、まるまる一頁ものコラムをもうけ、[指導要領]の要求に最も真摯に対応しています。

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植民地支配に苦しむアジア・アフリカの民族に波及した

 日露戦争における日本の勝利が海外に与えた影響はきわめて大きかった。
 イギリスの植民地支配に苦しむインドでは、「日本人の勇気と規律、鉄のような意志、不屈の力によって勝利を収めた日本に心からの祝意を贈る(『サメイ新聞』)」「日本の勝利がインド人を覚醒させ、イギリスと対等という前向きの思想に目覚めさせた」(『ヒタバテイ新聞』)と記しており、、、[明成、p66]
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 同じ有色人種国家である日本が白人国ロシアに勝利したというニュースに接したインド人たちの「自分たちもいずれ」という歓声が聞こえてきそうです。

「歴史物語」とは、フィクションではなく、あくまでも史実に基づいたノン・フィクションの物語です。その史実から先人たちの声に耳を傾けることができるのが、「歴史物語」なのです。

「物語」とは英語で「story」ですが、歴史は「history」で、語源は一緒です。我が国では『平家物語』や『太平記』、西洋では古代ギリシアの叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』などの「歴史物語」が語られ、それを聞きながら、人々は先人の姿を思い浮かべ、その声を聴き、胸躍らせていたのです。このような歴史物語が、歴史の原型でした。


■5.「過去をうまく蘇らせる人を歴史家というのです」

 文芸批評家の小林秀雄は、学生を対象としたある講演で、こう語っています。

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歴史家とは、過去を研究するのではない、過去をうまく蘇らせる人を歴史家というのです。・・・歴史家の精神の裡(うち)に、過ぎ去った歴史が生き返っていて、その生きたさまを書くから、僕らを捉えるのです。歴史家の目的は、歴史を自分の心の中に生き返らせることなのです。[小林、1211]
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「過去をうまく蘇らせる」というのは、先人の姿が私たちの心中に蘇って、私たちに語りかける、ということでしょう。歴史家が語る歴史物語の中でこそ、先人が蘇ってくるのです。

「日本人の勇気と規律、鉄のような意志、不屈の力によって勝利を収めた日本に心からの祝意を贈る『サメイ新聞』)」という一文に、当時のインドの人々の賛嘆と、そういう未来が自分たちにも開けるかもしれない、という希望が点された喜びが、我々の心中に蘇ってきます。

 それに対して、「賠償金が得られなかったことなどから、増税や人的犠牲に釣りあう成果ではないと受け止めた人々も多<」という一文では、論理的説明にはなっていますが、この説明からでは先人の声が聞こえてきません。これは歴史研究者による社会科学的記述ではあっても、歴史家によって我々の心中に蘇った過去ではないのです。

 思想誘導型の「韓国・満洲利権をめぐる帝国主義国家どうしの争いであった」という一文にいたっては、論理的な歴史研究ですらなく、先人に対する問答無用の「断罪」です。現代の高校生たちは、先人への断罪を刷り込まれて、そこから生ずるのは、先人たちへの憎悪だけでしょう。


■6.「日本国民としての自覚」と「我が国の歴史に対する愛情」

[指導要領]は「歴史総合」の目標の一つとして、以下を設定しています。

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日本国民としての自覚, 我が国の歴史に対する愛情, 他国や他国の文化を尊重することの大切さについての自覚などを深める。[p127]
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 ここで「(日露戦争は)韓国・満洲利権をめぐる帝国主義国家どうしの争いであった」という思想誘導型の記述からは、先人に対する憎悪は生じても、「日本国民としての自覚」も「我が国の歴史に対する愛情」も生まれるはずはありません。

 そもそもマルクス主義は自国の過去への憎悪をエネルギーとして、国民共同体の絆を断ち切り、革命を目指すという戦術ですから、革命前の国家に対しては、「日本国民としての自…

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