こんにちは、エンリケです。

「ハイブリッド戦争の時代」は少しお休みして、きょうから、いま話題の米大統領選をめぐる緊急レポートをお届けします。


正直、ここまで優れた分析をみたことありません。

このレポートには

こんかいの米大統領選の本当の意義米国内の「分断」をめぐる的確な指摘ハイブリッド戦争の観点「オバマ政権三期」という背筋が寒くなることば中東欧を無視した欧州ということば・概念に騙されるな

などなど、

我が国にいる限り、けっして気づかされない「米大統領選をめぐる戦略レベルで重要なポイント、問題意識、知識」が詰まっています。


ああ、本記事は必読です

あなたもさっそくどうぞ


エンリケ


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緊急報告!

2020年アメリカ大統領選挙のインパクト(前編)

志田淳二郎(国際政治学者)

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□はじめに

 皆さん、こんばんは。2020年アメリカ大統領選挙は、トランプ現職大統領とバイデン前副大統領が、接戦を繰り広げ、「バイデン勝利」でいまのところ結果が出たことは、皆さんも大きな関心があったニュースだと思います。バイデン勝利にカッコをつけているのは、トランプ大統領側が、民主党側の組織的な「不正投票」疑惑を指摘し、法廷闘争にまで持ち込む構えを見せているからです。

 外国首脳は、菅総理をはじめ、「バイデン勝利」に祝意を評していますが、2021年1月の新政権発足まで、アメリカ社会が大きく混乱することが予想されます。

 今回のアメリカ大統領選挙の最中や結果に際して、専門家たちが、いろいろな「解説」をしていますが、わたしとしては、専門家たちが指摘していない、大きく抜け落ちている視点が、いくつかあるのではないか、と、報道に触れるたびに思っています。

 そこで、今日のレポートでは、予定していたハンガリー政治情勢ではなく、2020年アメリカ大統領選挙のインパクトについて、(1)アメリカ国内の「継続的に機能する前線」の誕生、(2)バイデン外交の行方、(3)大国間政治の弊害、について、レポートしていきたいと思います。今回は前編で、(1)と(2)をカバーしたいと思います。次回の後編で、(3)を解説します。

 ちなみに、今日のレポートでは、今後配信予定のハンガリー政治情勢も、実は深く関係していますので、いろいろな政治現象をつなげて考えてみたいと思います。


▼アメリカ国内の「継続的に機能する前線」の誕生

 2017年にトランプ政権が発足して以降、「分断されるアメリカ」が多く語られるようになっていましたが、アメリカの分断状況は、2009年に発足したオバマ政権以降、生み出されたと考えるのが、適切です。オバマ政権のリベラルな政策によって、アメリカ国内社会は「アイデンティティ政治」の方向へ、大きく変化していきました。その影響は、セキュシュアリティ(LGBTQ)、人種、宗教、環境など多方面に及んだことは、皆さんもご存じだと思います。

 これを行き過ぎたリベラリズムだと感じ、古き良きアメリカを取り戻そうとしたのが、トランプ政権でした。実は、これは今後、紹介するハンガリーのオルバーン政権と非常に似ています。オルバーンも行き過ぎたリベラリズムやグローバリズムに対抗して「非リベラル民主主義」を打ち出しています。トランプは、オルバーンのことを「双子の兄弟」と言って絶賛しています。

 トランプ政権期のアメリカに、「アイデンティティ政治」を持ち出して挑んだのが、バイデン副大統領でした。バイデン新政権が発足すれば、たとえば、メキシコ国境の壁は撤去され、警察・国防予算は削減され、内政に重点が置かれ、「オバマ政権三期」のようなリベラルな政策がなされることは、想像に難くありません。

 これにトランプ大統領をはじめ、トランプ支持者たちは、古き良きアメリカを守るため、徹底抗戦するでしょう。キリスト教とイスラム教、伝統的な共同体主義と個人主義、合法的な移民と不法移民、白人と有色人種(つまりは黒人)など、アメリカ社会の分断の対立軸が、今回の大統領選挙で、はっきりと浮かび上がったと思います。

 これは、「ハイブリッド戦争」の観点からいえば、アメリカ国内にゲラシモフ参謀総長のいう「継続的に機能する前線」が誕生したことを意味します。外部からのフェイクニュースなどで、この対立軸を刺激すれば、アメリカ国内は、勝手にケンカをはじめます。そうなれば、アメリカ国家の一体感がどんどんとなくなっていき、超大国アメリカは過去の栄光になり、「弱いアメリカ」が誕生するのです。

 すでに「バイデン勝利」の「不正投票」に関するネット情報が出回っていますが、中露発の情報戦の一環であるとも考えられます。

 「弱いアメリカ」の誕生は、日本にとっても死活的問題ですので、今回の大統領選挙によって、アメリカ国内の「継続的に機能する前線」が完成したという意味を、しっかりと理解しておきたいところです。

▼バイデン外交の行方

 多くの専門家は、「バイデン新政権の外交」について、たくさんのコメントをしています。代表的なものは、「国際協調」ですが、正直に申し上げて、大切な視点が抜け落ちていると思います。

 というのは、「ヨーロッパとの協調」といったときの「ヨーロッパ」は、多くの専門家が、せいぜい、イギリス、フランス、ドイツしか想定していないことです。本メルマガでも紹介しているように、「ヨーロッパ」には「中東欧」もあり、むしろ「中東欧」の動向が、国際秩序の行方を左右する地域であることは、皆さんもご理解いただけていると思います。

「バイデン新政権」は「中東欧」と「協調」するのでしょうか? はっきり言って、「ノー」です。中東欧は、表では、「バイデン新政権の祝意」を表明していますが、「オバマ政権の悪夢の再来」を心配しています。

 なぜなら、オバマ政権は、中東欧の頭越しで、「ロシア第一主義」の外交を8年間展開しました。

 一つ例を紹介しましょう。

 2009年9月17日、ジョージア戦争(2008年)で悪化していた米露関係を「リセット」する一環で、オバマ政権は、ジョージ・W・ブッシュ政権が推進していたポーランドとチェコへのミサイル防衛システム配備計画(東欧MD構想)の中止を発表しました。

 オバマ政権の「ロシア第一主義」ともいうべき外交に、中東欧の同盟国は不安を覚えました。当時の中東欧諸国は、イラク戦争(2003年)にも参加し、アメリカの世界戦略に貢献していることをアピールしながら、冷戦後の中東欧の地政学的変化のなかで生き残るため、NATO加盟を達成してきた経緯があります。

 中東欧にとって最大の脅威はロシアでした。2008年にはロシア軍はジョージアに侵攻しました。
オバマ政権が発足して、アメリカの「ロシア第一主義」が浮き彫りになっていた2009年7月16日、中東欧22か国の元政治家や研究者たちは、オバマ新政権に向けて公開書簡を発出しました。同書簡には、東欧革命の英雄であるヴァツラフ・ハヴェルやレフ・ワレサも署名していました。同書簡には、ロシアは19世紀的な行動をとる修正主義国家であり、米露間の「リセット」ではなく、米欧間の同盟関係を強化していきたい旨が書かれていました。

 しかし、オバマ政権は、この要請を無視しました。その象徴が、東欧MD構想の中止でした。オバマ政権は、関与し続けることで、ロシアを国際協調に引き寄せることができると期待していたのです。まるで中国問題とそっくりですね。

 中東欧諸国にしてみれば、東欧MD構想が発表された時期が最悪でした。1939年の9月17日といえば、その日は、ソ連軍がポーランドに侵攻した日でした。2014年のウクライナ危機を経てみても、オバマ政権の「ロシア第一主義」はついに変わることはありませんでした。

 この「リセット」のアイデアを最初に披露されたのが、2009年2月のミュンヘン安全保障会議であり、発表したのは、バイデン副大統領でした。中東欧諸国には、「バイデン新政権」が、「オバマ政権第三期」と映り、現在、非常に大きな不安を覚えているのです。形の上では、「バイデン新政権への祝意」を発表しましたが、ハンガリーや、メラニア夫人の故郷、スロベニアは、当初は、「選挙はまだ終わっていない」と公の場で発表していました。

 トランプ大統領は、「アメリカだけが頑張っているのはおかしい。防衛費をあげろ!」と言っていただけで、結果的に、オバマ政権のときに「パッシング」されていた中東欧に対し、軍事的なコミットメントを強めていたこともあり、中東欧諸国は、トランプ大統領を好意的にみていました。もちろん、トランプ政権としては、中国の進出が著しい中東欧にコミットしていくという対中戦略上の計算もありました。

 こうした状況は、「ヨーロッパ」を、イギリス、ドイツ、フランスと重ねて論じていた「国際政治学者」の方々の口から、解説されたことはまったくありませんでした。はっきり申し上げて、この3か国は、自分の力で安全保障を担保できるのです。イギリスとフランスは独自核を持っていますし、ドイツはNATOの核シェアリングの枠組みで、自国に核があります。さらに、独仏間のアーヘン条約(2019年)で、ドイツがフランスの「核の傘」…

[続きはコチラから]
http://mypage.mobile.mag2.com/WebLeading.do?id=9GJLkzWi2FK&position=4500#position


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