あと2日、日本時間の11月4日にアメリカで大統領選挙の投票が行われる。
私はアメリカの脈を計るのを生業(なりわい)としているが、2020年の大統領選挙はかつてない、奇妙としかいえない戦いだ。
トランプ大統領とバイデン前副大統領が最後に対決した2回目のテレビ討論(ディベート)が、10月22日に行われた。第1回目は、酒場で罵りあう喧嘩のようだったが、2回目もバイデン氏は同じように目に力がなく、生気が失せてみえた。
私は1960年の大統領選挙のケネディ対ニクソンの最初のテレビ討論以後、歴代の大統領候補のテレビ対決を見てきたが、バイデン氏は病みあがりのようで、大統領候補らしくまったくなかった。しばしば視線を降してメモを盗み見たが、これまでなかったことだった。これまでの候補者は、颯爽としていたものだった。
2回目の討論が終わってから、アメリカの大手新聞・テレビの大方の審判は、「引き分け」だった。大きな理由が、バイデン氏に「失言がなかったから」というものだった。
バイデン氏は七十七歳になって、あきらかに知的能力を失って、アルツハイマー症の初期症状を患っている。3月に民主党の大統領候補を選ぶ予備選挙が13州でいっせいに行われると、バイデン氏は上院議員だったころを思い出して、マイクへ向かって「私は上院議員選挙に挑戦している」と述べたり、別の会場では「今世紀に入ってから、アメリカで銃犯罪(ガンクライム)によって、1億5000万人が死んだ」「私が大統領となったら、4億人のアメリカ女性を応援する」(アメリカの人口は3億2000万人)と口走った。
7月には集会で、「アメリカでコロナによって、1億2000万人が死んだ」と叫び、11月に入って、「私は上院議員選挙に挑んでいる」と、また口を滑らせている。
どうして民主党は、バイデン氏のようなまったく精彩を欠く、耄碌した候補者を選んだのだろうか。バイデン氏はこの春まで、民主党の多くの候補のなかで下位にあった。
予備選挙が始まると民主党の敵は、トランプ大統領ではなかった。
高い支持を獲得していたバーニー・サンダース上院議員が、主敵だった。
サンダース氏はソシアリスト(社会主義者)を自認して、大企業に重税を課し、国民皆健康保険、大学無料化、国防費大幅削減など、アメリカを福祉国家にかえることを訴えて、世間知らずの若者たちの熱狂的な支持をえていた。
もし、サンダース氏が大統領候補となったら、民主党の自殺となった。
そこで、大統領候補を選ぶ民主党全国大会が開かれる前に、競っていた全候補がいっせいに降りて、妥協できるバイデン氏を担いだ。
私はこの春からバイデン氏が、認知症を患っていると指摘してきた。
バイデン氏は先週、集会で誤ってドナルド・トランプ大統領を、「ジョージ・トランプ」と呼んで(ジョージ・ブッシュと混同したにちがいない)、わきにいた夫人が「あなた、ドナルドよ!」と注意する声も、マイクに入った。
一方の大統領候補がアルツハイマー症を患っているのは、重大事であるはずなのに、アメリカの主流のマスコミは、事実を無視してきた。トランプ大統領を攻撃することに熱中して、バイデン氏に不利な情報をいっさい報じなかった。
アメリカの大手テレビ・新聞の偏向は、酷いものだった。ジョン・レノンとオノ・ヨーコの子であるショーン・オノ・レノンが、「アメリカの大手メディアによる報道は、スターリン治下のソ連の言論弾圧よりはるかに酷いものだ」と、ネットを通じて訴えた。
もし、バイデン氏が当選したら、1月20日の大統領就任式までに78歳になっているが、認知症が進んで、判断力が衰えているために、副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員と「共同大統領」をつとめることとなろう。
大統領が1年か、2年後に辞任する可能性がある。アメリカが迷走することになる。
カマラは55歳、左派であり、鼻柱が強く高慢なために、女性や、有権者から嫌われていたので、昨年末までに大統領候補レースから退いていた。
4年前にアメリカを2つに分けた、トランプ対ヒラリー・クリントンの戦いも、同じ構図のものだった。
拝金、国家意識を弱めるグローバリズム、個人の放縦な自由をうやまい、伝統社会を抑圧・差別的だとして、LGBTQ(Qは変態(クイアー)などに力を与え、何よりも「多様性」を上に置く"WOKE"(ウォーク)――目覚めた人々と、伝統的な共同体との戦いである。
多くの調査によると、民主党支持者が大きな都市圏に住み、高所得、高学歴であるのに対して、民主党支持者からトランプ支持者は見ると、“愚鈍で遅れた”人々だ。
社会の弱者、被害者だと感じる人々が、いっさいの責任を社会に押しつけるかたわら、放縦な自由を求める多くの“目覚めた(ウォーク)”人々が、伝統社会のいっさいの束縛を柵(しがらみ)として嫌悪して、弱者が勝手気ままに振る舞うのに喝采している。
人種差別主義者だったといって、コロンブス、ワシントン初代大統領、リンカーン大統領の銅像であれ、何でも破壊するのが、良識とされている。
バイデン前副大統領を御輿として担ぐ“目覚めた”人々と、トランプ大統領を支持する“愚鈍で遅れた”人々との戦いだ。
私はアメリカの脈を計るのを生業(なりわい)としているが、2020年の大統領選挙はかつてない、奇妙としかいえない戦いだ。
トランプ大統領とバイデン前副大統領が最後に対決した2回目のテレビ討論(ディベート)が、10月22日に行われた。第1回目は、酒場で罵りあう喧嘩のようだったが、2回目もバイデン氏は同じように目に力がなく、生気が失せてみえた。
私は1960年の大統領選挙のケネディ対ニクソンの最初のテレビ討論以後、歴代の大統領候補のテレビ対決を見てきたが、バイデン氏は病みあがりのようで、大統領候補らしくまったくなかった。しばしば視線を降してメモを盗み見たが、これまでなかったことだった。これまでの候補者は、颯爽としていたものだった。
2回目の討論が終わってから、アメリカの大手新聞・テレビの大方の審判は、「引き分け」だった。大きな理由が、バイデン氏に「失言がなかったから」というものだった。
バイデン氏は七十七歳になって、あきらかに知的能力を失って、アルツハイマー症の初期症状を患っている。3月に民主党の大統領候補を選ぶ予備選挙が13州でいっせいに行われると、バイデン氏は上院議員だったころを思い出して、マイクへ向かって「私は上院議員選挙に挑戦している」と述べたり、別の会場では「今世紀に入ってから、アメリカで銃犯罪(ガンクライム)によって、1億5000万人が死んだ」「私が大統領となったら、4億人のアメリカ女性を応援する」(アメリカの人口は3億2000万人)と口走った。
7月には集会で、「アメリカでコロナによって、1億2000万人が死んだ」と叫び、11月に入って、「私は上院議員選挙に挑んでいる」と、また口を滑らせている。
どうして民主党は、バイデン氏のようなまったく精彩を欠く、耄碌した候補者を選んだのだろうか。バイデン氏はこの春まで、民主党の多くの候補のなかで下位にあった。
予備選挙が始まると民主党の敵は、トランプ大統領ではなかった。
高い支持を獲得していたバーニー・サンダース上院議員が、主敵だった。
サンダース氏はソシアリスト(社会主義者)を自認して、大企業に重税を課し、国民皆健康保険、大学無料化、国防費大幅削減など、アメリカを福祉国家にかえることを訴えて、世間知らずの若者たちの熱狂的な支持をえていた。
もし、サンダース氏が大統領候補となったら、民主党の自殺となった。
そこで、大統領候補を選ぶ民主党全国大会が開かれる前に、競っていた全候補がいっせいに降りて、妥協できるバイデン氏を担いだ。
私はこの春からバイデン氏が、認知症を患っていると指摘してきた。
バイデン氏は先週、集会で誤ってドナルド・トランプ大統領を、「ジョージ・トランプ」と呼んで(ジョージ・ブッシュと混同したにちがいない)、わきにいた夫人が「あなた、ドナルドよ!」と注意する声も、マイクに入った。
一方の大統領候補がアルツハイマー症を患っているのは、重大事であるはずなのに、アメリカの主流のマスコミは、事実を無視してきた。トランプ大統領を攻撃することに熱中して、バイデン氏に不利な情報をいっさい報じなかった。
アメリカの大手テレビ・新聞の偏向は、酷いものだった。ジョン・レノンとオノ・ヨーコの子であるショーン・オノ・レノンが、「アメリカの大手メディアによる報道は、スターリン治下のソ連の言論弾圧よりはるかに酷いものだ」と、ネットを通じて訴えた。
もし、バイデン氏が当選したら、1月20日の大統領就任式までに78歳になっているが、認知症が進んで、判断力が衰えているために、副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員と「共同大統領」をつとめることとなろう。
大統領が1年か、2年後に辞任する可能性がある。アメリカが迷走することになる。
カマラは55歳、左派であり、鼻柱が強く高慢なために、女性や、有権者から嫌われていたので、昨年末までに大統領候補レースから退いていた。
4年前にアメリカを2つに分けた、トランプ対ヒラリー・クリントンの戦いも、同じ構図のものだった。
拝金、国家意識を弱めるグローバリズム、個人の放縦な自由をうやまい、伝統社会を抑圧・差別的だとして、LGBTQ(Qは変態(クイアー)などに力を与え、何よりも「多様性」を上に置く"WOKE"(ウォーク)――目覚めた人々と、伝統的な共同体との戦いである。
多くの調査によると、民主党支持者が大きな都市圏に住み、高所得、高学歴であるのに対して、民主党支持者からトランプ支持者は見ると、“愚鈍で遅れた”人々だ。
社会の弱者、被害者だと感じる人々が、いっさいの責任を社会に押しつけるかたわら、放縦な自由を求める多くの“目覚めた(ウォーク)”人々が、伝統社会のいっさいの束縛を柵(しがらみ)として嫌悪して、弱者が勝手気ままに振る舞うのに喝采している。
人種差別主義者だったといって、コロンブス、ワシントン初代大統領、リンカーン大統領の銅像であれ、何でも破壊するのが、良識とされている。
バイデン前副大統領を御輿として担ぐ“目覚めた”人々と、トランプ大統領を支持する“愚鈍で遅れた”人々との戦いだ。