こんにちは。エンリケです。

秘密のベールに包まれた「シリア原子炉攻撃の真実」が、ついに明らかになりました!

------------------------------
ソフト・メロディー作戦

2007年9月6日深夜にイスラエル空軍(IAF)が実施した、シリア・アルキバール原子炉破壊の軍事作戦名
-------------------------------

イスラエルはなぜシリア原子炉を空爆したのか?
の軌跡を丹念にたどることを通じ、いまの中東情勢、これからの中東情勢への正鵠を射た見方を得られるだけでなく、イランとともに、中東・世界不安定化の要因であり、わが脅威の一つでもある北鮮の動きを正確につかむうえで欠かせない素材を提供してくれる本です。

この本が伝えるのは、単なる「シリア原子炉攻撃」だけにとどまりません。

現代の中東情勢をつかむうえで重大な意味を持つこの事件を知ることを通じ、いまの世界に潜む「重大なリスク(危険)」をあなたは目の当たりにするでしょう。


『シリア原子炉を破壊せよ
  ─イスラエル極秘作戦の内幕』
ヤーコブ カッツ (著), 茂木 作太郎 (翻訳)
発売日 : 2020/4/16
単行本(ソフトカバー) : 288ページ
出版社 : 並木書房
https://amzn.to/37HiuA3



■著者のこと

著者のヤーコブ・カッツさんは、イスラエルのジャーナリストです。

ヤーコブ・カッツ(Yaakov Katz)
日刊英字新聞『エルサレム・ポスト』紙編集主幹。
シカゴ出身。イスラエル経済相とディアスポラ(海外在住ユダヤ人)担当相の上席政策顧問、ハーバード大学の講師を務める。2013年ハーバード大学ニーマン・ジャーナリズム財団で研究。現在エルサレムで妻のハヤと4人の子供と暮らす。共著書に『Weapon Wizards(兵器の天才)』と『Israel vs. Iran』がある。

イスラエルとアメリカの政策コミュニティに広いネットワークを持つ方ということです。
優れた取材力を通して明らかになった情報を、優れたサスペンスよみもののごとく描写し、「アルキバール空爆」の実相を明らかにした著者の力は高く評価されていいでしょう。
そのためか、米アマゾンでの評価も非常に高いです


訳者は、おなじみの茂木さんです。
「正確で」「こなれた」「スッと入ってくる」「ちょっと垢ぬけた」文体が好きです。

茂木作太郎(もぎ・さくたろう)
1970年東京都生まれ、千葉県育ち。17歳で渡米し、サウスカロライナ州立シタデル大学を卒業。
海上自衛隊、スターバックスコーヒー、アップルコンピュータ勤務などを経て翻訳者。
訳書に『F-14トップガンデイズ』『スペツナズ』『米陸軍レンジャー』『欧州対テロ部隊』『SAS英特殊部隊』(並木書房)がある。


この本は、2019年5月にセント・マーチンズ・プレス社から刊行された『シャドー・ストライク(Shadow Strike)』の邦訳です。

核拡散という危機に直面し、それに立ち向かった指導者がいかなる対処をとったか? の記録であります。

当時、ブッシュ大統領の米は「軍事作戦ではイスラエルを支援せず、情報面でのみ協力する。ただしイスラエルの行動を邪魔しない」との結論に達しました。米の攻撃を望んでいたイスラエルでしたが、この結論を受けて単独行動に舵を切ったのです。

2007年9月6日深夜に行われたシリア原子炉空爆のすべてを、イスラエルと米、2つの目から初めて明らかにした、軍事作戦の解説というよりは、政策決定の内幕を描いたインテリジェンスノンフィクションです。

中東地域で次に何が起こるのか?の概略、ものがたりが描かれた本でもあります。


●当時、イラク戦で批判を浴びていた米ブッシュ大統領がシリアの核に対し強硬な手段が取れず、イスラエルが単独で空爆するに至った経緯、

●イスラエルが、米との同盟関係、主要諸国との外交関係をいかに維持しながら攻撃を実施したか?

を余すところなく描いている点が特に注目されます。

また、ある国家が、実在する脅威をいかに無力化したか?
の台本としての価値があるだけでなく、いまのイスラエルにとって最大の脅威がイランであり、中東状況の軸はここにあること、中東状況への米の影響力は大きいが、イスラエルは「米の消極的な態度はイランでも変わらない」と見ているフシがあることに気づく本です。

さてここで、全編の通奏低音として流れている「ベギン・ドクトリン」を紹介しましょう。

「イスラエルは敵が大量破壊兵器を開発し、それを自分たちに向けることを許さない。その時は先制攻撃で脅威を排除する」

オシラク原子炉空爆(1981年6月7日)当時の首相、メナヘム・ベギンのことばです。

もしこれがいまも生きているなら、イスラエルはイランの核開発が、「あるレベル」に達した段階で、イラン核施設への攻撃を真剣に検討せざるを得なくなります。
その際は、核攻撃をする可能性が高いと思われます。


その他読みどころとしては、

・イスラエルのモサドやアマンの関係者が多数登場する
・軍人出身者がほとんどのイスラエル首相や政治家の話が面白い
・ホワイトハウスやエルサレムの「中の声」が多数出てくる
・北鮮をめぐるヤバい情報がたくさん出てくるので、北鮮への危険認識レベルが改まり、わが安保状況を見るうえで、これまでとは違った視座が生まれる。
・核拡散の舞台となっているイランと北鮮とシリアのかかわりが細かに描かれている。

などがあげられるでしょう。


イスラエルが置かれている戦略環境は我が国と同じではありませんが、かの国を取り巻く脅威状況は我が国と似ている。

と強く感じました。


きょうご紹介した本は

『シリア原子炉を破壊せよ─イスラエル極秘作戦の内幕』
ヤーコブ カッツ (著), 茂木 作太郎 (翻訳)
発売日 : 2020/4/16
単行本(ソフトカバー) : 288ページ
出版社 : 並木書房
https://amzn.to/37HiuA3


でした。


明日もつづきます。



エンリケ


追伸
イスラエルが行った「もうひとつの原子炉攻撃」を描いたノンフィクション。
これを機会に是非読みましょう! シリアのケースと比較しながら。

『イラク原子炉攻撃!―イスラエル空軍秘密作戦の全貌―』
https://amzn.to/2He0Rgo




---------------------------

投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメールマガジン「軍事情報」発行人に帰属します。

Copyright(c) 2000-2020 Gunjijouhou.All rights reserved


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■まぐまぐ大賞2020 投票受付中!~12/6(日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今年のNo.1メルマガを決めるのはあなたです!
早速このメルマガに投票する
⇒ https://www.mag2.com/events/mag2year/2020/form.html?id=0000049253

◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます
※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです

◎軍事情報 の配信停止はこちら
⇒ https://www.mag2.com/m/0000049253.html?l=byb0cf6024