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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月24日(金曜日)弐
      通巻6466号
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 中国経済を蔽う暗雲、やがて雷、嵐が本格化するのはこれから
  中小企業の倒産は46万社、失業者は二億人と中国人研究者が推計
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 中国の中小企業の倒産が「ラッシュ・アワー」である。
ばたばたとコロナ災禍のどさくさに便乗した倒産もあるが、品物を納めても支払いが滞り、在庫はまったくはけず、従業員を解雇しても、家賃も電気水道祭も払えない。
夜逃げが一番だが、逃亡先の当てもなく、サウスチャイナ・モーニングポスト(4月6日)によれば、倒産、廃業がじつに46万社!

失業は『財新網』(3月31日)に拠ると、じつに二億人突破(雇用人口の25%)と推定される。大恐慌の1933年レベルである。
米国は失業保険申請が2200万人で、これも1933年レベル。ところが、株価が比較安定しているため、『恐慌』の語彙はまだでてこない。

 中国は強気の内需拡大を獅子吼して財政出動を言いつのるが、現場では銀行経営が破綻した地方銀行が顕著となった。

 内蒙古自治区の中心=フフホトが拠点の包商銀行(総資産5231億元、以下同)が事実上倒産し、当局の管理下に置かれたが、これは始まりに過ぎなった。

遼寧省の錦州銀行(8459億元)、営口沿海銀行(880億元)がつづき、となりの吉林省では吉林銀行(3618億元)。渤海湾の南側へわたると、山東省の恒豊銀行(1兆4195億元)、さらに河南省の河南伊河農村商業銀行(626億元)、甘粛省の甘粛銀行(3361億元)と経営危機が表面化した。
後者の甘粛銀行では取り付け騒ぎに発展した。

 中国人民銀行は利下げ、資本準備率引き下げなどで対応した。中国銀行保険監督管理委員会は、逐一経営破綻に陥った銀行を当局管理課で延命させるパッチワークではなく、銀行の再編に踏み切る方針を固めた。日本で言うJAバンクや信用組合、信用金庫などのレベルの銀行は中国におよそ四千。総資産は邦貨換算で1200兆円になる。

 いってみれば地方都市、農村の経済活動をささえる大動脈であり、一行でも倒産すると連鎖を呼ぶことになるから、中国では金融システムの維持延命には再編もやむなし、モラルハザードの助長となる。
あれほどひどい経営内容だったのに包商銀行は、いったん国有化され、つぎに地元大企業などから増資を募り、蒙商銀行と看板を変えての再出発となった。


 ▼有力企業も経営陣は顔面蒼白

 中国国家統計局は2020年第一四半期のGDPをマイナス6・8%としたが、実態はそんな低いはずがない。米中貿易戦争で対米輸出は20%前後のマイナスとなっている。
対日も16%減、頼みの綱だった欧州が、コロナ災禍で中国からの輸入縮小、とくにスマホとパソコンの落ち込みは20%のマイナス。不要不急の衣料品、玩具、家具などは不要品扱い。金額にして13%の落ち込みである。

 かくして中国の花形企業と言われた蘇寧(中国のビッグカメラ的量販店)、万達(映画館、テーマパークにホテルチェーン)、全衆徳(歴代米大統領の食したペキンダックの名店)、BYD(電池からEVに進出)、中鉄(新幹線の中枢企業)など、あげれば際限のない大企業が軒並み赤字転落、あるいは営業利益が80-90%減となって従業員削減、時短、一部休業などの措置をとっている。

 破竹の進撃は突然死。コロナショック死。くわえて欧米の不況入りによって輸出はますます縮小になるから、自動車、エアコン、家電など耐久消費財はもっと落ち込みが続き、窒息状況にいたるのではないか。

 贅沢品の有名ブランドは一斉に中国と香港の店舗を畳み始めた。
消費マインドが完全に変わって、もはや売れ行き激減が長期に続くと判断しているからだ。
とくに香港は無税の買い物天国で、フェルガモ、グッチ、オメガ、ディオール、プラダ、モンブラン等々。もの凄い売れ行きがあったのも、日本人観光客ではない。中国から5000万人が香港へ買い物に来たのだ。

2019年の香港は騒擾が続き、自由民主運動のデモと狼藉、火焔瓶と武闘の過激化で観光客が激減し、プラダ、ルイビュトンがいち早く、治安悪化を理由に撤退をきめていた。コロナ以後は、高い家賃に見合うほどの売り上げはなく、いや客が「蒸発」していた。
地元企業の宝飾、中国の金ショップチェーン最大級の「周大福」、「周生生」も客足激減、多くの支店を休業している。金(ゴールド)を買う金(カネ)がなくなったのだ。

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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2066回】  
――「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘27)
 橘樸「中國の民族道・」(大正14年/『橘樸著作集 第一巻』勁草書房 昭和41年)

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 橘の「中國の民族道・」を論じていたら、いつの間にか・小平の開放を突き動かした草の根レベルの「自力更生」に行き着いてしまった。
 この辺で橘に戻ることにするが、「中國人の民族道・」の最終部分で、「面子を尊重する事」「神の攝理に對する豫想から道・律を守る事」「没法子と云ふ不思議な心意轉換法を體得して居る事」は、彼らが自らの「道・形式から直接に錬成された三大特色である」と語る。

 そして「日本人はよく中國人を臆病であるとか恥を知らないとか」口にするが、「少なくとも面子に關する限りに於ては中國人程勇敢で且つ敏感な人種は他に類例を求むる事が出來ぬ」と説き、面子に対する「強い執着が民族道・の維持に大いに貢獻している事は論ずる迄もありますまい」と、やけに「面子」にこだわる。

 だが「中國の民族道・」を考えるに当たって、面子に過度に重きを置く必要があるのだろうか。たしかに1890年の初版出版以来、「中国人の性格、民族性を驚くべき観察眼で描き出した古典的名著」とされる『Chinese Characteristics』(最新邦訳は『中国人的性格』中央公論新社 2015年)で著者のアーサー・H・スミスは、巻頭に「第一章 面子」を置き、いの一番に面子を論じてはいる。だが、彼は橘とは違って中国人の持つ天性の演劇性に引き寄せて考える。

「我々が〈面子〉の意味するところをいささかでも理解するためには、まず、中国という人種の持が天性として強い演劇性を持っている、という事実を考慮しなければならない。演劇は、彼らの唯一の国民的娯楽と言ってもよいものであって、イギリス人のスポーツに対する情熱やスペイン人の闘牛に対する情熱のように、中国人は演劇に情熱を注ぐのだ。

ほんの少し挑発するだけで、どんな中国人もまるで俳優のように自らの演劇の世界に入り込んでしまう。〔中略〕ここで明確に理解しておくべきことは、この演技は全て現実とは何の関係も無いということだ。大切なのは事実ではなく、常に形式なのだ」。
  ここに示された「演劇」を「芝居」に2文字に置き換えた方は、より適切な雰囲気が醸し出せるように思うが、それはさて置き、「大切なのは事実ではなく、常に形式なのだ」と綴るところから判断して、どうやらアーサー・H・スミスは中国においては形式が実態であることが分かっていたようだ。

アーサー・H・スミスに依れば面子を保つために大袈裟に振る舞い、「適時に適切な方法で立派な口上を述べる」。かくて面子を失うとは、面子を保つための芝居に失敗し、芝居が無視され、あるいは芝居が挫折した場合ということになる。

1845年にアメリカのコネチカット州に生まれた彼はアメリカ最古の海外伝道組織であるアメリカン・ボードの一員として1872年に派遣され、山東省を中心に伝道・災害救済・医療・慈善・教育などの活動を行い、1905年からは北京東郊の通州で執筆活度を続け、1926年に帰国している。

彼の中国滞在は、清末から辛亥革命を経て中華民国の混乱期に及ぶ激動の時代の半世紀以上に及んでいる。

長期滞在の経験からだろうか。彼は「これだけは付け加えておかなければなるまい」と付言し、「〈面子〉をどのように扱い、〈面子〉をどのように保つかということは、西洋人には全く理解できない。西洋人はいつも、それが芝居的要素を持っていることを忘れ、見当違いの領域に迷い込んでしまうからだ」と、西洋人への注意を喚起している。

 これに従うなら、「それが芝居的要素を持っていることを忘れ、見当違いの領域に迷い込んでしま」ったからこそ、橘は面子を大袈裟に見立ててしまったのではなかろうか。
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(読者の声1)貴誌によればミズーリ州の司法長官が中国を相…

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