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1分で読む日本の思想(42) 竹山道雄 ~ 悲劇の主役はむしろ近代であった
■■ 転送歓迎 ■■ No.2991 ■■ R02.04.10 ■■ 4,240部■■
東大教授辞任のきっかけとなった学生ストライキの背景にある共産主義に対する批判を展開し、論陣を張り続けた。それが昭和史の形をとったのが昭和三十一年(一九五六)に出た『昭和の精神史』である。
この論考は、昭和の戦争について、「どうしてああいうふしぎな戦争になったのだろう?」という竹山自身の内的な動因によって生み出されたものであったが、それを促した外的な動機も大きいものがある。それは、戦後の日本に君臨した、日本の過去を前近代的・封建的として塗りつぶすアメリカの啓蒙主義的思想であり、共産主義を正統視するマルクス主義思想であった。
当時のジャーナリズムや出版界におけるマルクス主義の影響力は実に強大であり、このような立場で書かれた明治維新史や前年(昭和三十年)に刊行された『昭和史』(遠山茂樹・藤原彰人・井上清著)に代表される日本現代史が、あたかも正統な学問的権威であるかの如く罷り通っていたのが当時の思想的状況である。
『昭和の精神史』は、当時の左派知識人の思想構造、唯物史観を徹底的に批判している。
『昭和の精神史』が提起した歴史の捉え方の反響は大きく、思想界は勿論ジャーナリズムで昭和史をめぐる論争の口火が切られた。昭和二十一年(一九四六)「文明と人道」の名の下に極東国際軍事裁判(所謂「東京裁判」が行われた。『昭和の精神史』で大きな比重を占め、終生のテーマとなったのがこの東京裁判であり、裁判の不当性、無効性を訴え続ける。『昭和の精神史』という「史書」は、歴史への考察、緻密な事実に基づく研究という意味における代表的な著作であり、学術的にも大きな意味をもつものである。
今次大戦の破局の原因を、日本の封建的な体質のみに帰する議論が圧倒的だったなかで、問題はむしろヨーロッパの近代と、それを輸入した明治以降の近代化のなかにあることを早くから提示している。
1. 國武忠彦『語り継ごう 日本の思想』、明成社、H27
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