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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和弐年(2020)1月23日(木曜日)
         通巻6349号
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 西側中央銀行六ヶ国が提携し、デジタル通貨を前向きに検討
  中国の「デジタル人民元」実証実験を前にドル基軸通貨崩壊を懸念
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 フェイスブックが「協議会」結成を呼びかけ、スイスに拠点を置いて発行するとした仮想通貨「リブラ」が座礁している。
米国を中心に欧州、そして日本などが、明確に反対しているため、ヴィザカード、マスターカード、ペイペイ、ヴォーダフォンなど有力企業が加盟を見送ったことが決定的となって挫折、もしくは延期を呼びなくされた。

西側がリブラに反対する理由は、中央銀行や政府が関与しないところで別の通貨が出回れば、通貨管理、通貨供給の調整が不能となる懼れがあり、それこそ「悪貨は良貨を駆逐する」ことになりかねない。

根底にあるのはグローバリズムへの懐疑である。
通貨は国家が管理する、経済運営の大動脈であり、責任の所在がはっきりしない通貨とは、国家、国境を否定する無政府主義に陥落しやすく、自由経済、放任主義の枠を軽々と超える悪状況を産み出しかねない。
いまひとつの懸念は英・米、ならびEU諸国に共通する認識だが、基軸通貨体制の崩壊、とりわけドル基軸通貨が脅かされることは世界の経済秩序を掻き乱すと怖れるからだろう。

ところが状況が変わった。
中国がビットコインを規制する傍らで、中国人民銀行が管理する「デジタル人民元」の発行を宣言し、深センか、蘇州で実証実験に踏み切るとしたことだ。これは経済史における「大事件」である。

西側諸国が想定する仮想通貨は暗号通貨だが、ブロックチェーンと呼ばれるもので、中国のデジタル人民元も、この基本概念は同じである。

日銀、ECB(欧州中央銀行)、英国イングランド銀行、スウェーデンの中央銀行(リクスバンク)、カナダ銀行、そしてスイス国民銀行の六つの中央銀行団は将来のデジタル通貨(CBDC)発行に向けての共同研究を開始することで合意した。
米国FRBとシンガポールが加わらないため、先行きの不透明感がぬぐえないものの、米国はムニューチン財務長官が「五年間は発行しない」と宣言していることが影響している。

曖昧な機関、組織が責任の所在を不明確のまま発行しようとしているリブラ等に比べると、CBDCは中央銀行が管理し運営するので、倒産の心配がないというメリットがある。
さらに共通するメリットは、現金を扱うコストの大幅な削減につながるからだ。ATMの維持管理、防犯カメラの設置や巡回など警備に加えて、膨大な輸送コストがかかる。特殊車両にふたりのガードマンがATMを巡回し、現金を運んでいるが、このコスト、日本だけでも年間8兆円となり、防衛費より多いのだ。


▲悪貨は良貨を駆逐する、ばかりではない

しかし最大の難題、それはハッカーの攻撃を如何に防御出来るかにある。
すでにビットコインで世界各地に詐欺が確認されており、中国ばかりか、北朝鮮、露西亜のハッカー軍団が、発明者の上を往く技術を忽ちにして取得し、仮想通貨から巨額を詐取している実態。あるいは身代金をビットコインで支払えと要求したり。

米国の議会聴聞会に喚問されたザッカーバーグ(グーグルCEO)は、このハッカー攻撃への対応を執拗に問いただされ、前向きの回答に窮した。

米国が慎重な姿勢を崩さないのは、もう一つ重大事項が加わる。
原油取引、商品相場、金銀などほぼすべての市場ではドル基軸体制で世界の経済活動が稼働している。
もしデジタル米ドルがハッカー攻撃を受けて、市場が大混乱に陥った場合の危機管理体制が未整備であり、ウォール街がある日、攻撃を受けて電子取引栖ステムが崩壊した場合の危険性という未曽有の危機感は通底している。

機密事項の管理、プライバシー、データ処理など解決しなければならない技術はまだまだ山積み。

そもそもアマゾンCEOのジェフ・ペゾスがサウジアラビア皇太子と会見して(2018年4月4日、ロスアンジェルス)以後、ペゾスの携帯電話は同年11月と2019年2月にハッカー攻撃を受けて会話内容から過去の写真データまで瞬時に抜け取られていた。
デジタルビジネスのトップですらが、この手抜かり。将来の危惧を示唆してあまりある。

そのうえ、英紙ガーディアンのすっぱ抜き(1月21日電子版)によれば、二人の会見から数ヶ月後にサウジ王室批判で著名だったジャーナリストのカショギ暗殺がトルコのサウジ領事館で行われた。
カショギはワシントンポストの寄稿者であり、しかも、ペゾスはワシントンポストのオーナーである。
この偶然の関係に何かあるのではと英米のメディアは注目している。
□◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□◇◎
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2020回】              
 ――「彼等の中心は正義でもなく、皇室でもない、只自己本位でゐる」服部(2/16)
服部源次郎『一商人の支那の旅』(東光會 大正14年)

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 当時は軍閥抗争の時代であり、奉天派の張作霖と直隷派の呉佩孚の間で奉直戦争が繰り広げられていた。
第一次奉直戦争(1922年)では直隷派が勝利したが、2年後の第二次奉直戦争(1924年)では奉天派が圧倒し、張作霖の影響力が強大化した。服部が訪ねたのは、まさに張作霖絶頂の時期に当たる。

「奉直戰ですが、門外漢で委しくは判りませぬが、日本の參謀が軍事顧問ですから、勝敗は日本政府の自由らしいです、張作霖を操つて居るは、確かに日本が巧なのでしよう」。

 奉天から北行するために奉天駅へ。すると「天津方面からの列車が夜奉天に着く、蜘蛛の子を散らした樣に汚れた服装の苦力隊がプラツト一杯になる。女らしいものは見當らぬ、彼等は生活の爲めに、故山を後に遠國に出稼ぎに行くのである。〔中略〕この無妻の勞働者が數十萬人も御得意の滿洲へ年々歳々入込むのである。〔中略〕滿洲の地が如何に廣漠で人口が稀薄であるかを物語つて居る」。

やがて漢族が「廣漠で人口が稀薄」な満州の地を埋め尽くす。それが問題なのだ。
奉天から北上し長春で「午後五時四十分發の吉林列車に乘る」。車中で話した現地事情に通じた日本人によれば、「滿洲の農夫は夏は農業を働き、冬は馬車運搬業を營む、甚麼な者でも馬の五六頭は居りますから、冬だとて決して閑居で居ませぬ。墓碑を樹てると盗まれるから建てぬ、其代り棺は六七寸もある厚板の堅固なものを使ひ土を覆ふ、然るに小兒の死骸は山に棄て犬に喰わせる、犬も喰はぬとは是から出た言葉である等と聞かされた」と。

 ここで少し服部から離れ、かつての中国各地における嬰児死体の「処理方法」について記しておきたい。

 たとえば子供の死体と祟りについてだが、2、3歳の幼児の死体を火葬にした後、野や山に散骨し、風の吹くままに任せていた地方もあった。そうすることが子供に憑りついてしまった禍を取り去ることであり、そこには次に生まれてくる時には絶対に祟りを背負ってくるなという両親の哀しくも素朴な願いがこめられていたというのだ。

 嬰児が死ぬのは妊娠中に悪鬼が憑りつくからであり、その味を知った悪鬼は母親の体内に巣くって次から次へと悪さをし、次に生まれる子供も夭逝することになる。
これを「回胎」と呼んだ。ところが、回胎を防ぐ最も効果的な方法があるというからオソロシイ。

 戦前の満州を中心に中国各地で民間風俗を調査した永尾龍造は、惜しくも未完に終わった浩瀚な『支那民族誌』の第6巻(但し、国書刊行会 昭和48年復刻)に、回胎防止方法について、「その鬼に憑かれて死んだ嬰兒の死體に、出來る丈け殘虐な處置を施し、子供の屍體に憑いてゐる鬼を威嚇して、二度と來たり憑かうとする氣持ちを起こし得ないように、強度の恐怖心を抱かせること」と書き留めている。やや長い引用になるが、続けて永尾の現地調査報告を記しておきたい。

「滿洲でも支那でも、到る處に幼兒の死體が土中に葬られもせずして野外に放棄され、野犬のあさるが儘に曝されてあり、或いは河岸海岸などに打捨てられてあるのを見られるのである。/尤も近來警察制度が發達して、都會の近郊ではこの種の屍體を餘り見なくなつたが、一歩市街を踏み出して田舎に行けば、舊態依然としてこれを見得るのである。しかし屍體を野外に放棄する位はまだ結構な方で、甚だしいのになると、刃物の類を以て切り苛なみ、或いは四肢を斷ち、或いは頭から顔面に掛けて、一寸刻みに刻んだものもある。また焼火箸や焼鏝を以て身體中を焼き、顔面の如き真つ?焦げになってゐるものさへもある」。 

 残酷極まりないと思うが、どうもそうでもないらしいから、じつに不思議だ。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)イチローが「日本の野党とメディアは酷い。桜を見る会よりももっと大事な問題があるでしょう。海外から見てると本当にバカらしい」と発言し、称賛の声が拡がっています。安部首相も「イチロウは分かっている」と感想を述べたとか。
 日本のメディアは本当に本当にマスゴミですね。
   (TY生、中野)


(宮崎正弘のコメント)海外から見なくても分かっているんじゃありませんか。逆に日本から見るとアメリカのメディアも狂っていますね。何が何でもトランプを引きずり下ろせとばかり、フェイクの事件をでっち上げて大統領弾劾という茶番劇です。



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(読者の声2)「台湾2・28時局講演会」と「台湾青年社創立60周年記念会」
台湾の総統選挙・立法委員選挙では蔡英文総統が再選を果たし、立法委員も台湾派が過半数を取りました。今後は中国からの圧力をかわしながら、ますます主権独立国家としての地位を確固たるものとしていけるよう、我々も協力していきたいと思います。//