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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)6月10日(月曜日)
通巻第6104号
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プーチンの策略なのか、政治宣伝か、米国を牽制が目的か
ロシアMTSがファーウェイの5Gと正式契約
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2019年6月8日からサンクトペテルブルグで開催されていたロシア主催の「国際経済フォーラム」のメイン・ゲストは習近平だった。
プーチンと並んで「貿易は自由であらねばならない。保護主義はよくない」と述べて、自由貿易圏を驚かせる一方で、習は「トランプ大統領とは友人である」と述べ、作り笑いを演じた。
他方、プーチンは日頃の憂さを晴らすかのようにアメリカを名指しで批判し、「保護貿易主義に反対してきた米国が制裁だの、排斥だのと言うのは、時代錯誤だ」とファーウェイの5Gプロジェクトの排除をきめたトランプ政策を批判した。
この席で、派手な政治演出があった。ロシア最大のプロバイダーMTS(モバイル・テル、システム)が、ファーウェイの代表と固い握手を交わし、5Gを採用する正式契約に署名した。ロシアのMTSは、ロシアばかりかウクライナ、ベラルーシ、アルメニアで同じシステムを使用しており、ロシア圏最大の通信企業である。
『モスクワ・タイムズ』によれば、「ほかにファーウェイの5Gとの契約を準備中の欧州の国にはオーストリア、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、ドイツ、仏蘭西、アイルランド、ハンガリー、ギリシア、リトアニア、ポルトガルだ」と報道した(同紙、6月6日付け)。
こうした儀式によってロシアは中国との仲の良さをアピールし、米国を強く牽制したことになるのだが、じつは焦眉の急は ロシアも中国もベネズエラの今後の扱い方を決めかねており、両国に意見に一致がみられないことだ。
ただし、両国はもはやマドロゥ政権を見放しているらしく、現政権救済の展望は一切語られなかった
ウォールストリートジャーナルは「ロシアの軍事顧問団ならびにマドロゥ大統領の警備に当たってきたロシアチームは賃金不払いのため、まもなくベネズエラを去る」と報じた。
ロシアのラブロフ外相はすぐにこの報道を否定したが、かつての熱烈なベネズエラ救済の姿勢はもはやない。中国も同様である。
見限られたと自覚したのか、どうか。同日、マドロゥは四ケ月に亘って封鎖してきたコロンビアとの国境を開放した。ベネズエラからどっと避難民が国境を越えた。国連はすでにベネズエラ難民は四百万人を超えたとした。
こうした動きの反面で、ロシアへ対する外国投資の筆頭が中国でもドイツでもなく、意外にもアメリカだったことが判明した。
2018年統計で、アメリカの対ロシア投資は70件、全体の33%を占め、二位のドイツは24件のプロジェクト、中国は19件だった。この数字は中国にBRI(一帯一路)が財政的にも貧窮化しており、投資の続行が困難になった事態をそれとなく裏付けているのではないか。
◇◎□◇み◎◇◎▽や◇◎▽◇ざ◇◎▽◇き○□◎▽
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1907回】
――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(1)
鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)
▽
鶴見祐輔(明治18=1885年~昭和48=1973年)が群馬県に生まれ、大正末年から昭和初期にかけリベラルな政治家として活動し、戦後は厚生大臣や自由党総裁を務める一方、文筆家としても『母』『子』などの小説、啓蒙的主張に溢れた政治評論集『英雄待望論』などで社会に影響を与える一方、岩波文化人としては正統の部類に入る鶴見和子、異端というより斜に構えた鶴見俊輔の父親であることは知っていた。
だが、『偶像破壊期の支那』を読み進むうちに、鶴見に対する見方が変わった。リベラルな政治家といった一般的形容詞では括れそうにないモノを感じたのである。では、それはどんなモノなのか。その辺りを読み解いてみたい。
「序」は、「われ支那に客遊すること、前後五回、しかも未だ深く心を動かしたることなし」。これまでは「空しく往いて而して空しく歸るを慣はし」としていた。
だが「すぐる年の夏、六たび」目の旅を70日ほどかけて行った。するとどうだ。「觸目の山河、ことごとく新粧をもつて我が眼を驚かし、遭逢の人間、我が胸臆に深き印象を留めざるはあらず」というのだ。かくして「我が支那觀は全く昨と異なりたるを知」ることになる。
だが変わったのは「支那の土地」でも「人」でもない。ひとえに「支那を見る我が眼なり」。
「われ甞ては、日本を見るの眼をもつて、支那を見、支那をあざ笑ひたり」。だが、今は違う。「世界を見るの眼をもつて支那を眺め、驚心駭魄す」。
では、なぜ見る眼が変わったのか。
「支那は日本にあらず。全く異なりたる環境と人生觀をもつて成る國なり」。つまり「支那は日本に取りては『見知らぬ國』」であるからだ。この当たり前すぎるほどに当たり前の事実に、鶴見は気が付かなかった。
だから「われ久しく、支那を知れりと思ひ誤りて支那を解せず」。今になって「支那を知らずと思ひ到りて、初めて支那を學ばんとす」。
加えて時代の違いもある。第1次大戦は結果として「ロマノフ王家の廢墟に、勞農政府をつくり、ホーヘンツォルレン王朝を、逝く水の如く流し去」ってしまった。価値観が逆転してしまったのだから、やはり謙虚になって「新しき道を索ぐべき時」なのだ。
「この時にあたりて、吾人は過去を見」た。やはり「東洋文化の淵源として支那あり」。そこで「今更のごとく古代支那の偉大に驚く」のであった。
アヘン戦争以来、「支那の苦しみたること一再にあらず」。いまや国は破れんとする一歩手前と思いきや、じつは「支那は、新しき生に甦らんと」している。
なぜなら第1次大戦は「大西洋の隆昌」の終焉を意味し、「いま將に、太平洋の時代は開幕せんと」しているからだ。
「太平洋の時代は、東洋民族の時代」でもある。「日本は太平洋の樞鍵を握り」、「支那は太平洋時代の最大因子」である。かくして「いま、兩個の國は、如何なる思想的經驗を通過して、開かれるべき太平洋劇に登場せんとするか」。
どうやら鶴見は、第1次世界大戦によって西欧の時代は終わった。これからは太平洋の時代であり、「太平洋の樞鍵を握」る日本と「太平洋時代の最大因子」である支那とによって拓かれる――と考え、新しい時代の予兆を掴もうと6回目の旅行を企てたようだ。
かくして「われ今、思ふて茲に到り、支那南北の形勢を按ずるに、山河の新粧、人間の新生、芳葩未だ發せずして、春のといき既に地に滿つ。新しき時代の準備は、いま日本と支那の戸口にある」。太平洋の時代には「儉難はあり、窮厄はあり、しかれども、信ある者のゆくべき途は、たヾ進むあるのみ」。
新しい太平洋・東洋民族の時代の到来を前に「支那は、新しき生に甦らんと」していると見做す鶴見だからこそ、旅するのは「偶像破壊期の支那」でなければならなかった。
《QED》
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★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★
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--(読者の声1)アイヌ民族を法律として「先住民族」と初めて明記したアイヌ新法が4月19日、国会で成立した。この政府の動きは、沖縄問題を専門として活動している筆者にとっても看過できないものだと認識している。
昨年8月16、17日の2日間にわたり、スイス・ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会で対日審査が行われた。日本政府代表の外務省の大鷹正人・国連担当大使は、初日の全体説明で、真っ先に2020年4月にアイヌ文化センターをオープンすることについて紹介した。
先住民族であるアイヌの象徴空間を建設し、文化保護に力を入れていることをアピールしたのだ。
全体説明終了後、各委員から日本政府に対して質問が行われた。「アイヌ語は危機にひんしているが、学校で教えられていない」「教育や労働、文化・言語の権利が保障されていないのではないか」などといった内容であった。
先住民族の人権問題として指摘されているのはアイヌだけでない。沖縄についても多くの指摘を受けた。
・琉球・沖縄の人たちを先住民族として認め、権利を守ることが必要である。しかし、日本は先住民と認めることを拒否している。
・日本の本土から移住した人は別として、琉球の人たちの先住民性を認め、権利を守る必要がある
・琉球・沖縄について、日本は先住民族ではないというが、米軍基地があり、事故が起き、人々が苦しんでいる
2日目、大鷹代表から前日の質問に対する回答が述べられた。アイヌに関しては、「アイヌ生活実態調査が定期的に行われているが、生活状況の向上は着実に効果を上げている」と回答した。
沖縄に関しては、「先住民はアイヌ以外には存在しない。沖縄の人々が先住民だとの認識は国内に広く存在しない」「米軍による事故について、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設が、危険を一刻も早く除去する唯一の解決策である」と回答している。沖縄についての回答は、筆者もその通りだと思う。アイヌに関しては専門家でないので、問題点の指摘は他の専門家に譲る。
しかしアイヌ新法の成立が「琉球独立工作」という最も危険な火種に油を注ぎ込むことになるのではないかと、大きな危惧を抱いている。
それは、今から約5年前の出来事がちらついて離れないからである。
2014年、糸数慶子参院議員が米ニューヨークの国連本部で、先住民族代表としてスピーチを行ったことが地元紙に報じられた。筆者はその報道を知り、抗議するために、彼女の所属する沖縄社会大衆党の事務所の連絡先を探し出し、電話で次のように追及した。
-筆者: 私は沖縄県出身の者だが一度も自分を先住民族だと思ったことはない! あなた方は『沖縄の自己決定権の回復』を唱えているが、それは日本政府に沖縄県民を先住民族と認めさせて、その権利を獲得するということではないのか。
社大党職員: はい、そうです。
筆者: では、大事なことを隠しているのではないか? 先住民族の権利を獲得するかもしれないが、それにより、日本人としての権利を失うではないか。それを隠しているのは卑怯(ひきょう)だ。
この追及に対し、社大党職員が言葉に詰まるだろうと予想していたが、思いもよらない回答が返ってきた。
仲村さん、心配はいらないですよ。アイヌの人々は、既に政府により先住民族だと認められていますが、彼らは日本国民であり何の権利も失いませんよ。-------------
この答えに、筆者は衝撃を受けた。彼らの求める沖縄の「自己決定権」とは、総額3千億円の沖縄振興予算を受け取る権利~//
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プーチンと並んで「貿易は自由であらねばならない。保護主義はよくない」と述べて、自由貿易圏を驚かせる一方で、習は「トランプ大統領とは友人である」と述べ、作り笑いを演じた。
他方、プーチンは日頃の憂さを晴らすかのようにアメリカを名指しで批判し、「保護貿易主義に反対してきた米国が制裁だの、排斥だのと言うのは、時代錯誤だ」とファーウェイの5Gプロジェクトの排除をきめたトランプ政策を批判した。
この席で、派手な政治演出があった。ロシア最大のプロバイダーMTS(モバイル・テル、システム)が、ファーウェイの代表と固い握手を交わし、5Gを採用する正式契約に署名した。ロシアのMTSは、ロシアばかりかウクライナ、ベラルーシ、アルメニアで同じシステムを使用しており、ロシア圏最大の通信企業である。
『モスクワ・タイムズ』によれば、「ほかにファーウェイの5Gとの契約を準備中の欧州の国にはオーストリア、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、ドイツ、仏蘭西、アイルランド、ハンガリー、ギリシア、リトアニア、ポルトガルだ」と報道した(同紙、6月6日付け)。
こうした儀式によってロシアは中国との仲の良さをアピールし、米国を強く牽制したことになるのだが、じつは焦眉の急は ロシアも中国もベネズエラの今後の扱い方を決めかねており、両国に意見に一致がみられないことだ。
ただし、両国はもはやマドロゥ政権を見放しているらしく、現政権救済の展望は一切語られなかった
ウォールストリートジャーナルは「ロシアの軍事顧問団ならびにマドロゥ大統領の警備に当たってきたロシアチームは賃金不払いのため、まもなくベネズエラを去る」と報じた。
ロシアのラブロフ外相はすぐにこの報道を否定したが、かつての熱烈なベネズエラ救済の姿勢はもはやない。中国も同様である。
見限られたと自覚したのか、どうか。同日、マドロゥは四ケ月に亘って封鎖してきたコロンビアとの国境を開放した。ベネズエラからどっと避難民が国境を越えた。国連はすでにベネズエラ難民は四百万人を超えたとした。
こうした動きの反面で、ロシアへ対する外国投資の筆頭が中国でもドイツでもなく、意外にもアメリカだったことが判明した。
2018年統計で、アメリカの対ロシア投資は70件、全体の33%を占め、二位のドイツは24件のプロジェクト、中国は19件だった。この数字は中国にBRI(一帯一路)が財政的にも貧窮化しており、投資の続行が困難になった事態をそれとなく裏付けているのではないか。
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――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(1)
鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)
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鶴見祐輔(明治18=1885年~昭和48=1973年)が群馬県に生まれ、大正末年から昭和初期にかけリベラルな政治家として活動し、戦後は厚生大臣や自由党総裁を務める一方、文筆家としても『母』『子』などの小説、啓蒙的主張に溢れた政治評論集『英雄待望論』などで社会に影響を与える一方、岩波文化人としては正統の部類に入る鶴見和子、異端というより斜に構えた鶴見俊輔の父親であることは知っていた。
だが、『偶像破壊期の支那』を読み進むうちに、鶴見に対する見方が変わった。リベラルな政治家といった一般的形容詞では括れそうにないモノを感じたのである。では、それはどんなモノなのか。その辺りを読み解いてみたい。
「序」は、「われ支那に客遊すること、前後五回、しかも未だ深く心を動かしたることなし」。これまでは「空しく往いて而して空しく歸るを慣はし」としていた。
だが「すぐる年の夏、六たび」目の旅を70日ほどかけて行った。するとどうだ。「觸目の山河、ことごとく新粧をもつて我が眼を驚かし、遭逢の人間、我が胸臆に深き印象を留めざるはあらず」というのだ。かくして「我が支那觀は全く昨と異なりたるを知」ることになる。
だが変わったのは「支那の土地」でも「人」でもない。ひとえに「支那を見る我が眼なり」。
「われ甞ては、日本を見るの眼をもつて、支那を見、支那をあざ笑ひたり」。だが、今は違う。「世界を見るの眼をもつて支那を眺め、驚心駭魄す」。
では、なぜ見る眼が変わったのか。
「支那は日本にあらず。全く異なりたる環境と人生觀をもつて成る國なり」。つまり「支那は日本に取りては『見知らぬ國』」であるからだ。この当たり前すぎるほどに当たり前の事実に、鶴見は気が付かなかった。
だから「われ久しく、支那を知れりと思ひ誤りて支那を解せず」。今になって「支那を知らずと思ひ到りて、初めて支那を學ばんとす」。
加えて時代の違いもある。第1次大戦は結果として「ロマノフ王家の廢墟に、勞農政府をつくり、ホーヘンツォルレン王朝を、逝く水の如く流し去」ってしまった。価値観が逆転してしまったのだから、やはり謙虚になって「新しき道を索ぐべき時」なのだ。
「この時にあたりて、吾人は過去を見」た。やはり「東洋文化の淵源として支那あり」。そこで「今更のごとく古代支那の偉大に驚く」のであった。
アヘン戦争以来、「支那の苦しみたること一再にあらず」。いまや国は破れんとする一歩手前と思いきや、じつは「支那は、新しき生に甦らんと」している。
なぜなら第1次大戦は「大西洋の隆昌」の終焉を意味し、「いま將に、太平洋の時代は開幕せんと」しているからだ。
「太平洋の時代は、東洋民族の時代」でもある。「日本は太平洋の樞鍵を握り」、「支那は太平洋時代の最大因子」である。かくして「いま、兩個の國は、如何なる思想的經驗を通過して、開かれるべき太平洋劇に登場せんとするか」。
どうやら鶴見は、第1次世界大戦によって西欧の時代は終わった。これからは太平洋の時代であり、「太平洋の樞鍵を握」る日本と「太平洋時代の最大因子」である支那とによって拓かれる――と考え、新しい時代の予兆を掴もうと6回目の旅行を企てたようだ。
かくして「われ今、思ふて茲に到り、支那南北の形勢を按ずるに、山河の新粧、人間の新生、芳葩未だ發せずして、春のといき既に地に滿つ。新しき時代の準備は、いま日本と支那の戸口にある」。太平洋の時代には「儉難はあり、窮厄はあり、しかれども、信ある者のゆくべき途は、たヾ進むあるのみ」。
新しい太平洋・東洋民族の時代の到来を前に「支那は、新しき生に甦らんと」していると見做す鶴見だからこそ、旅するのは「偶像破壊期の支那」でなければならなかった。
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--(読者の声1)アイヌ民族を法律として「先住民族」と初めて明記したアイヌ新法が4月19日、国会で成立した。この政府の動きは、沖縄問題を専門として活動している筆者にとっても看過できないものだと認識している。
昨年8月16、17日の2日間にわたり、スイス・ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会で対日審査が行われた。日本政府代表の外務省の大鷹正人・国連担当大使は、初日の全体説明で、真っ先に2020年4月にアイヌ文化センターをオープンすることについて紹介した。
先住民族であるアイヌの象徴空間を建設し、文化保護に力を入れていることをアピールしたのだ。
全体説明終了後、各委員から日本政府に対して質問が行われた。「アイヌ語は危機にひんしているが、学校で教えられていない」「教育や労働、文化・言語の権利が保障されていないのではないか」などといった内容であった。
先住民族の人権問題として指摘されているのはアイヌだけでない。沖縄についても多くの指摘を受けた。
・琉球・沖縄の人たちを先住民族として認め、権利を守ることが必要である。しかし、日本は先住民と認めることを拒否している。
・日本の本土から移住した人は別として、琉球の人たちの先住民性を認め、権利を守る必要がある
・琉球・沖縄について、日本は先住民族ではないというが、米軍基地があり、事故が起き、人々が苦しんでいる
2日目、大鷹代表から前日の質問に対する回答が述べられた。アイヌに関しては、「アイヌ生活実態調査が定期的に行われているが、生活状況の向上は着実に効果を上げている」と回答した。
沖縄に関しては、「先住民はアイヌ以外には存在しない。沖縄の人々が先住民だとの認識は国内に広く存在しない」「米軍による事故について、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設が、危険を一刻も早く除去する唯一の解決策である」と回答している。沖縄についての回答は、筆者もその通りだと思う。アイヌに関しては専門家でないので、問題点の指摘は他の専門家に譲る。
しかしアイヌ新法の成立が「琉球独立工作」という最も危険な火種に油を注ぎ込むことになるのではないかと、大きな危惧を抱いている。
それは、今から約5年前の出来事がちらついて離れないからである。
2014年、糸数慶子参院議員が米ニューヨークの国連本部で、先住民族代表としてスピーチを行ったことが地元紙に報じられた。筆者はその報道を知り、抗議するために、彼女の所属する沖縄社会大衆党の事務所の連絡先を探し出し、電話で次のように追及した。
-筆者: 私は沖縄県出身の者だが一度も自分を先住民族だと思ったことはない! あなた方は『沖縄の自己決定権の回復』を唱えているが、それは日本政府に沖縄県民を先住民族と認めさせて、その権利を獲得するということではないのか。
社大党職員: はい、そうです。
筆者: では、大事なことを隠しているのではないか? 先住民族の権利を獲得するかもしれないが、それにより、日本人としての権利を失うではないか。それを隠しているのは卑怯(ひきょう)だ。
この追及に対し、社大党職員が言葉に詰まるだろうと予想していたが、思いもよらない回答が返ってきた。
仲村さん、心配はいらないですよ。アイヌの人々は、既に政府により先住民族だと認められていますが、彼らは日本国民であり何の権利も失いませんよ。-------------
この答えに、筆者は衝撃を受けた。彼らの求める沖縄の「自己決定権」とは、総額3千億円の沖縄振興予算を受け取る権利~//