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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月24日(木曜日)弐
        通巻第5966号
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 カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)に俄然注目
  初の黒人女性が大統領選挙に挑んだからか、それとも別の理由?
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 下馬評では動きがあった。1月21日はマーティン・キング牧師の記念日。だから、この日にカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)が「2020大統領選挙」への出馬表明は計画的であり、効果的でもある。

 出馬表明から24時間で、ハリス選対には150万ドルの寄付が寄せられ、また選挙グッズ(帽子、Tシャツ)などは11万ドルの売り上げがあった。これは異例なスピードだが、もっと注目すべき点は、大口の寄付はなく、35000名が平均で37ドルという少額。文字通りの「草の根選挙」を連想させるからである。

 この好調な出だしにFOXニュース、ウォールストリードジャーナルなどが注目した。
だが、もっと派手に大きく取り上げた世界のメディアがある。インドの有力視ヒンズスタン・タイムズなどだ(インドは自らをインディアとは呼ばず、「ヒンズー教徒の国」を意味する「ヒンズスタン」という)。

 理由はハリス議員がカリブ海出身の黒人とインド系との混血であり、しかもマーティン・キング牧師は、インドの無抵抗運動ガンディーを尊敬していたからだ。インドは、米国政治において、国連大使になったニッキー・ヘイリーの誕生の時も、異常なほど熱狂的に報道した。

 さて当落予測などは現時点で展開するには早すぎるうえ、民主党の党内事情から言えば、最有力候補者のなかには、バイデン前副大統領、サンダーズ上院議員、マイケル・ブルームバーグらがおり、茶会系保守の重鎮テッド・クルーズをテキサス上院選挙で追い込んだ下院議員らも予備選出馬準備中である。

 全米メディアの話題を集めているのは「ウー-マンパワー四人組」である。
 最先端を走るのがリズ・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)で、テッド・ケネディの地盤をつぐリベラル。消費者金融問題から政治に目覚め、主婦の時から大学に入り直して法律を学んだ。オバマ政権下でも消費者金融局長に抜擢された。

 次にカースティン・ギルブランド上院議員(NY選出。つまりヒラリーの後釜)。リズと並んで東海岸のリベラルを代表する。
 となると西海岸は?

 冒頭のハリスの出馬表明の前に、ハワイ州選出のトゥルシ・ガバード下院議員が名乗りを上げている。
しかも彼女はサモア系であり、オバマ大統領と同じハワイ出身を「売り」にしている。

 この四人組が連日メディアをふるわせるので男性の候補者たちの影が薄いことになっているが、かのヒラリー・クリントンとて、まったく出馬を諦めたわけでもない。
 それにしても民主党候補、そろいもそろってリベラル、反トランプの旗幟鮮明である。

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西村眞悟の時事通信
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対露外交転換の時、原点に戻る時だ
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                         平成31年1月23日(水)

 安倍首相がモスクワで、ロシアのプーチン大統領と会談した一月二十二日、我が国のマスコミは、「何か進展」があるのではないかとの「期待」を滲ませたような報道姿勢だった。
 一夜明けた今朝、報道をみて、芭蕉の句ではないが、「あらなんともなや」と思った。
皮肉を言っているのではない。安堵したのだ。
 では、懸念していたことは何か?
 それは、「自分の内閣で北方領土問題を解決する」としている安倍総理の足下を見て、ロシアの要求を受諾する方向に向かわないかということだ。
 十四日の日露外相会談で、ロシアのラブロフ外相は、「第二次世界大戦の結果、南クリール諸島(北方領土)はロシア領になったことを日本が認めない限り、領土問題の進展はない。」と日本側に伝えていた。
 これは、かつてのソ連のグロムイコ外相と同じ、長年の我が国の主張の100パーセントの否定である。しかし、これを言われた日本側が、「日露交渉の決裂もあり得る」ことをロシア側に伝えず、むしろ外相は会談の「手応え」を強調していたのだ。つまり、あのロシアのラブロフ外相の発言に対し、河野外相は、「おぬし、そこまで言うのなら確認するが、ロシア側は日露の決裂を望んでいるのか」とは言っていないようだ。
 これが、我が輩の懸念した理由だ。
何故なら、このロシア外相の発言は、我が国の主張の100パーセント否定であるところ、この外相会談を前提にしたこの度の日露首脳会談で、プーチン氏が、「平和条約締結の後に歯舞色丹の二島を返還」という六十三年前の日ソ共同宣言を認めると発言すれば、それだけで、ロシアのプーチン氏は「大いなる譲歩」を決断したとなる。そして我が国内に、それに飛びつく勢力がある。
モスクワの安倍総理も、「わあ、ウラジーミル君ありがとう!我が内閣で解決した!」となり得るなあ、と懸念していた訳だ。その懸念の上で、さらに懸念は続く。
つまり、相手がロシアであることを忘れてはならない、ということだ。まず我が国が二島が帰ると喜んで、二島に手を伸ばそうとすると、するとロシアは必ず、「チョット待て」と言う。そして二島を丸々帰すことはなく、そこから更に我が国の譲歩を迫る。その果てに、結局、現実には二島の半分が帰ればいいと思わせられる。だから二島の半分に手を伸ばそうとすると、また、ロシアは「チョット待て」と言って二島の半分の半分にされてしまう。これがロシアの交渉だ!
 一つの前例を上げる。十四歳でスパイに興味を持ってKGBを訪問し、以後、そのつもりで大学に進み、二十三歳で共産党員としてKGBに入ったプーチン氏の親分はブレジネフだ。
そのソビエトのブレジネフ共産党書記長、コスイギン首相と我が国の田中首相、大平外相の昭和四十八年(一九七三年)の日ソ首脳会談を思い起こそう。
この日、ソ首脳会談に臨む田中総理の外務省事務当局との間で一致させた最終意思は次の二点
1、平和条約は、四島が返還されない限り締結しない。
2、経済協力協定には、領土問題が解決されない限り応じない。
第一回会談では、ブレジネフは田中首相の発言中に隣のコスイギン外相と雑談した。第二回会談では、ブレジネフが関係のないプラハの春のチェコのドプチェクがけしからんとか二時間机を叩いて話し続けた。そして第三回会談を経て共同コミニュケを決定する最終会談に入った。
出席者は、田中首相、大平外相、外務省東欧第一課長の三人、対するはブレジネフ党書記長、コスイギン首相、グロムイコ外相の三人。首脳交渉後に共同コミニュケがないならば、招待側のソ連外交の失敗を世界に晒すことになる。コミニュケ中に、「日ソ間の領土問題」という言葉を入れることにコスイギンが反対した。
その上で、ソ連側は「第二次世界大戦の時からの未解決の問題(単数)」との言葉を複数にしてもらいたいと提案してきた。そこで田中首相が、「未解決の問題」とは「領土問題」以外にないではないか、と言うとブレジネフが、「漁業とか、経済協力とか・・・」と言い始めた。
そこで、田中首相が、「では、この『未解決の問題(複数)』の中に『四つの島』が入っているか」と四本の指を立ててたたみかけると、ブレジネフは、「ヤー ズナーユー(知っている)」と言った。そこで首相が、「もっとはっきりと未解決の問題に四つの島が入るか確認願いたい」と迫ると、ブレジネフは、「ダー(そうです)」と言った。そこで田中首相は、日ソ共同コミニュケ発出に同意した。この時、「日ソ間の領土問題は、ヤルタ以来、一連の国際協定によって解決済み」というソ連の立場の一角が崩れた(以上、新井弘一著「モスムワ・ベルリン・東京」時事通信社)。

 以上、思い浮かんだことを述べた上で、相手はロシアだ。
「ロシア人は、約束を破るために約束をする」という格言を肝に銘じ直し、今、シンゾウ君がウラジーミル君との「個人的信頼関係」を前庭にして、領土問題の上でのロシアの態度を軟化させるために経済援助と共同開発の進展を謀るという路線は止めて、田中角栄首相が、ブレジネフ党書記長との首脳会談に臨んだ前記の意思決定に戻るべきだ。
つまり、1、平和条約は、四島が返還されない限り締結しない。2、経済協力協定、共同開発協定には領土問題が解決されない限り応じない。
安倍総理には、我が国がロシアと緊密にならなければ、中露が接近して蜜月状態になる、これを避けねばならない、中露蜜月になれば、我が国は北と南から同時に脅威に去らされる、との思いが強いようだ。しかしこのことは、江戸時代半ばからの我が国が置かれている国際情勢であり地政学的宿命である。
 ウラジーミル君と仲良くなって解消することではない。//