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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月17日(木曜日)
        通巻第5955号
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 この話は本当か?
  中国、またしても世界一のダム(239メートル)建設を発表
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 三峡ダムは重慶と武漢のあいだに完成し、相当の電力を供給している。世界一を豪語したが、浚渫が間に合わず、堆積物が障害となって効率が悪い。

そのうえ上流は地殻変動による地震、下流域はダム決壊の怖れがあるため、80万住民の極秘退避計画と環境汚染、ろくな評判はなかった。
そもそも三峡ダムの建設には軍が安全保障上の理由から強く反対したのだ。

 2019年1月15日、中国発展開発委員会は、新しいダムをチベットと四川省の間(一部雲南省を含む)に239メートルという世界一高いダムを建設すると発表した。
 発電される電力は2ギガワット、中国全体の水力発電は現在270ギガワットとされている。

 契約事業体は大手の「華電集団」となり、総工費46億ドル。この予算の中には付近住民およそ24000人の立ち退き補償を含む。

 『ザ・タイムズ・オブ・インディア』紙(1月16日)は、この報道に接して、「中国は正式に発表したら五年以内に完成させるが、インドは発表から完成まで50年かかる」と皮肉な論評を交えた。

 それにしても、このプロジェクト、本当の実現性があるのか?

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 ITという次世代技術への無知は、いずれ日本を滅ぼす
  中国の「ハイテク泥棒」は天下一品、歴史的な「諜報戦争」の一環である

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深田萌絵『日本のIT産業が中国に盗まれている』(ワック)
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 ファーウェイの創業者は任正非という、根っからの軍人である。
 設立当初から人民解放軍のダミー、別働隊と言われたが、民間企業を装って西側のハイテク企業との連携を深めた。著者の深田女史は中国の軍事戦略の底流にある「超限戦」を重視して、衝撃的ともいえる持論を展開する。
 スマホで世界第二位、基地局で世界三位。もはや侮れない大企業に変身した。実際に評者(宮崎)、まさかと思われたのだが、東チモールの山奥で、原住民がファーウェイのスマホを駆使している現場を目撃してきた。
 ミャンマーの未開地、ロビンギャの居住区だったシットウェイとか、チャッウッピューとかの貧しい漁村にさえ、ファーウェイとOPPO(中国の格安スマホ)の販売店があった。
 米国はファーウェイを「スパイ機関」と認定した。
ハイテクの合法的移転ではなく、ファーウェイは「ハイテク泥棒」であると定義づけたのだ。トランプ政権は政府機関、軍、警察の職員の使用を禁止し、スパイを次々と摘発するにいたる。
 本書は会社経営で辛酸をなめ、数々の妨害を受けながらもファーウェイの欺瞞、その本質を暴き、言論戦で戦い続けてきた深田さんだけに、「猛女」「烈女」の赴きがあるが、ものごとに動じない大和撫子の挑戦状でもある。
 ハイテクになじみのない読者にとってはやや専門すぎるタームの頻出に驚かれるかも知れない。通読して最大の驚きは、このスパイ機関のことを日本の政府、機関、シンクタンク、そしてメディアが、本質を見ないで枝葉だけをもぎ取って「中国、すごーい」という視点で論じてきたことである。楽天的お花畑のなせる業だ。
 そのため日本が中国のIT技術の草刈り場となり、ハニー・トラップに引っかかって中国の代理人に成り下がって日本人が夥しい。
 これは宣戦布告なき、一方的な中国の諜報戦である、と筆者は断ずる。
 評者(宮崎)がとくに瞠目したのは、すでに「台湾、北朝鮮、中国」という竹連幇を通じての闇のコネクションが存在していることだった。
この裏舞台、闇の繋がりが国際的に複雑なルートを通じて連携し且つ、民間企業を偽装し、軍事技術の取得に余念がないという実態が描かれている。
 そして米国においてさえ、ハイテク企業でCEOがトランプ支持者という人たちが狙われ、このところ連続して失脚していること。
 日本企業は「自社企業に浸透した台湾中国からの報復を怖れて誰も何も語ろうとしない」という恐るべき現実にも直面している。
これは私たちの周囲にすでに中国人がどこにでもいることからも判定できる。
「日本国内の基地局は米国政府が調達を禁止しているファーウェイの製品が過半をしめている」と深田さんは指摘する。
 だが、もっと驚きはすでに日本政府機関に夥しい中国の工作員が潜入しているという事実だ。
 たとえば、「日本の国立研究開発法人『情報通信研究機構』に北・中・イランの工作員が入り込み、仲良く衛星ハッキングのための工作活動を行っていた」(100p)。
 対策をとるに、いったい何から始めたら良いのか、ここまでの通信災禍、ハイテクの危機である。
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 信長の暗殺が、キリスト教の托鉢修道会の活動を弱体化し
  イエズス会、ドミニク会、フランチェスカ会の確執が布教を失敗させた

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佐藤彰一『宣教のヨーロッパ』(中公新書)
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 宣教師と言えば、日本ではザビエル。鹿児島に入り、熱心に布教したが信者獲得は少数。成果は芳しくなく、京へでた。やはり成果なくすごすごと平戸へ引き返し、贈答品をやまと積んで山口に入って大内氏をくどき、やっとのことで布教を許された。
 このザビエルが代表する切支丹伴天連の宣教師達の歴史を大航海時代の冒険者、大儲けを企む重商主義集団、海賊船。そしてポルトガル、スペインの確執。教団の布教目的地の棲み分けという複雑な背景をきわめて要領よく整理している。
 イエズス会は、小覧でもたびたび指摘してきたように「イエズス軍」と訳すべきで、今日の戦闘的宗教カルトのヒズボラ、ハマス、タリバン、アルカィーダ、そしてISと「狂信的使命感をおびた軍隊組織」という文脈において変わりがない。
 しかし著者はキリスト教に理解のある人ゆえに、そうして側面への言及は極力控えめとして筆を抑え、メキシコやラテンアメリカなどでなしたかれらの悪行に関してはさらりと表面を撫でているに過ぎない。
 さはさりながら本書で具体的に知ったことは幾つかある。
 歴史教科書でしる限りではスペインとポルトガルが世界を分割して、支配地域を別けあった。日本は未踏で会派の分類はなく、たまたまイエズス会が先陣を切った。
逆に言うと、既存「托鉢修道会」にはアウグスチゥス会、ドミニク会、フランチェスカ会があって、それぞれが世界各地へ飛び散って旺盛な布教活動を展開していた。
たとえばメキシコではこの三派は布教地区をきれいに棲み分けていた。イエズス会は新参ながら急激に勢力を伸ばして、むしろ既存三派が未踏の領域に勇んででかけたという経緯があった。
 日本に関して次のような事実があった。
 「1579年から81年の間に(イエズス会の日本における)宣教師の数は二倍に増えている。さらに堺や摂津高槻、安土などにも宣教師が配置された」。
ところが、1582年の信長暗殺以後は「安土のセミナリオと堺の居館の消滅」があり、活動拠点は九州へ移る。
 関ヶ原の決戦では伴天連大名は東西に別れた。ところが、西についた大名が多く、有馬、筒井、大村は残ったが美濃では織田秀信が敗北し、「この地域におけるキリスト教信仰の消滅をもたらした」(183p)。
 織田秀信とは三法師のこと、信長の嫡孫である。
 この機に乗じたわけでもないのだろうが、ドミニク会とフランシェスカ会が日本に乗り込んで勢力を拡げようと肥前名護屋にいた秀吉にも面会し布教の許可を一度は得た。
「イエズス会はこうした動きに対して、あらゆる手だてを使って日本でのフランチェスコ会の活動を非難した。(中略)フランチェスコ会はその度の過ぎた活動によって、日本の為政者に次第に不快な印象を与え、またそれまでのイエズス会の宣教活動を白紙にするような動きをしていた」(207-208p)。
この表現箇所は抽象的だが、密輸と婦女誘拐、奴隷貿易のことなどだ。
 日本はフィリピンが切支丹伴天連の手に落ちたことを目撃し、警戒を強めた。
 そして大坂の陣でイエズス会は情勢判断を誤った。「豊臣秀頼と反徳川勢力が、宣教師たちの側を支持したことで(キリスト教会と日本統治権力との緊張が)一段と激化した」。秀頼の敗北で切支丹の居場所はなくなった。
 ヴァリニャーノが心配したように「イベリア半島勢力による日本列島の侵略を日本の為政者たちが懸念するように」なったからだった。
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宮崎正弘『日本が危ない! 一帯一路の罠』(ハート出版。定価1620円)
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「一帯一路」は「末路」なのに、日本は「協力する」と前向きなのは危険すぎないか?
 ●ニカラグア運河、ペネズエラ新幹線などは正式に中止
 ●インドネシア新幹線、マレーシア新幹線など中断、挫折
 ●CPEC(中国パキスタン経済回廊)危機、パキスタン債務不履行か
 ●マレーシア、スリランカ、モルディブ、そしてマダガスカルで親中派元首が落選

 対抗して日米豪印はインド太平洋共同軍事訓練
 米豪は南太平洋のマヌス島に軍事基地を建設合意
 「インド太平洋」プロジェクトへ米国は600億ドル
 豪NZなどが「南太平洋インフラ投資銀行」設立へ
 英仏海軍は共同で南シナ海「自由航行」作戦に合流
 ペンス演説は「対中準宣戦布告」に等しい
――こんなときに日本は「シルクロードに協力し、日中通貨スワップを復活する」
――日本は西側に背を向けた姿勢をみせているが、はたして正気なのか?
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