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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月12日(土曜日)弐
通巻第5952号
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さぁ次はオマーンの漁場を狙え、中国「一帯一路」の罠
470隻の近代漁船が23000の小舟、零細漁師の漁場を直撃
****************************************
ホルムズ海峡の隘路、対岸がイランのバンダル・アッバース。サウジアラビア半島側はオマーン(旧国名はマスカット・オマーン)の飛び地である。
ドバイに滞在していたおり、オマーンの国境まで4WDを疾駆させて行ったことがあるが、荒れた台地に茶褐色に岩肌、農地にもならない曠野。それが国境だった。
オマーン本国は、ホルムズ海峡を扼する飛び地から東南東。アラビア海とインド洋に「7」のような地形でせり出している。海岸線が3165キロのも及ぶ。
海洋地政学にとって、要衝となるのは当然だろうと思える。首都のマスコットから南西南へ500キロ。ここがインド洋に面するドクムという漁村である。
つい昨今まで、ドクムを中心とする五万人の漁師たちは23000といわれる小舟にヤマハのモーターを駆動させて漁場を移動し、漁獲類は「干し物」にしてから駱駝の背にのせ、首都マスカットまで500キロ、月の砂漠をキャラバンで運搬していた。
俄かに、この寒村に焦点が当たった。
「一帯一路」を標榜する中国が舌なめずりしながら大々的に進出してきたからだ。中国はこう言った。「ドクムを中東最大の漁業基地にして東アフリカ一帯の漁業センターにしよう」。
オマーンを取り込む「一帯一路の」の罠が仕掛けられたのだ。
2017年、中国はこのドクムを「免税特区」「輸出工業区」として開発するために107億ドルを投資する、条件は25年の租借で、更新可能としたいと提案した。この降って湧いたような巨額投資にオマーンはすぐ合意に達した。
オマーンは歳入の55%を石油に依存しているため、ほかの産業育成による収入源の確保に魅力がある。
しかし中国の隠された企図とは、いずれ漁場拠点の軍港転用であり、ジブチに海軍基地をつくったように、長期戦略に基づいている。
オマーンは絶対君主制、サィード国王の独裁政治だが、一応、議会がある。大政翼参会的な議会はすぐに中国の案件を諒承し、2020年完成を目指して工事が始まった。すでに10の漁場に冷凍倉庫、魚介類加工、製氷製造工場などが建設された。
中国は合計470隻の近代的漁船を投入するとしており、十の工場がすでに稼働している(アジアタイムズ、1月11日)。
怒ったのは地元の漁民、零細で小舟による釣りで生計を立ててきたが、大型漁船、冷凍設備をもつ近代船などが近海から魚を収獲すると、地元漁民の生活が成り立たなくなるではないか。
オマーン政府は漁民の怒りをいかに静めるか注目が集まっている。
□◎□○み△◎□◇や○◎○□ざ□◎□○き○◎○□
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1842回】
――「只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に満たされて居る」――諸橋(15)
諸橋徹次『遊支雜筆』(目?書店 昭和13年)
▽
長江を遡り諸橋の旅は続く。
よくもまあ、と思えるほどに丁寧に名勝旧跡を回り、関連する故事来歴を記しながら、時の流れの中で惨澹として珍妙に変わり果てた姿を綴っている。だが、これまで見て来た惨状と大同小異なので敢えて割愛するが、やはり大冶鉄山については日本人として記憶しておくべきと思うので、手短に綴っておく。
じつは大冶が全山鉄鉱山であることを発見したのは、清末に近代化を進めた代表的指導者の張之洞の秘書だった。彼は古書の記述から一帯には鉄鉱山があると推測する。そこでドイツ人技師に調査を依頼すると、はたせるかな豊富な鉄鉱脈を発見したものの、「其の技師は張之洞に先立つて、本國の公使に知らせた。獨乙公使は素知らぬ顔で其の邊りの土地を讓與して欲しひ」と張之洞に申し出る。
すると「此のくせものと、張は一喝の下に技師を解雇した」。なんともドイツ人の振る舞いはセコイ。やはりドイツ人はセコイのだ。
陶淵明の墓に詣でるべく旅を続ける。某村に着く。「夕日輝きて心地よし」。農家に宿を頼むと「殊勝にも御泊りなされ」と。「地獄に佛なり」。だが「室に入れば汚きこと限りな」く、「戸障子とては一枚もなし」。「先ず伴へる苦力に飯を炊かせて」、諸橋は「其の家より芋と葱とを買求め」て調理して食事とした。
疲労の余りかバタン、キュー。「一睡の後醒むれば、予の伴へる苦力と宅の主人とは、尚頻りに酒を呑みて興がる」。苦力は得意げに諸橋は老朋友だと説明している。「可笑い」。
そこまではよかったが、そのうちに「苦力小便せまほしと云ふ」。すると「主人自ら導いて至れる」のは諸橋の寝ている部屋だった。「南無三寶、臭氣鼻を撲ちて堪へ難し。點燈して見れば汚き便器四疊半にも足らぬ我が室にあるなり」。かくて我慢ならなくなった諸橋は「苦力を呼び、命じて其の便器を取去らしむ」。
あの謹厳実直を絵に描いたような漢学者の諸橋が、なんと「汚き便器」の隣で「臭氣鼻を撲ちて堪」い思いを抱きながら寝ていたとは。古人の言うように、確かに艱難汝ヲ玉ニスルものらしい。
某地でのこと。「最上の旅館なりと馬夫の案内」に誘われると、「狹隘湫隘殆ど馬小屋にも劣る處」だった。しかも「室外には馬糞積んで山の如し」。
また或る所では。「此の地旅館なし。驛長に一宿を乞うへば、近來土匪猖獗にして、城外の地は保證し難し、日の暮れざる間に」、早く市街地行って衙門(やくしょ)を訪ねよ、と。
その土匪だが「居民に課する強制徴収は甚だ苛酷」であり、支払いに応じな場合は「立ちどころに之を殺す」。当時、一帯に土匪が多かったのは、北京中枢の一角を占めていた段祺瑞麾下の軍が敗北したからであり、兵士たちは「段軍の潰散と共に今郷に歸り、土匪とな」ったからである。そこもと左様にして食いっぱぐれれば流民になり、流民は匪賊になり、匪賊が兵士になり、運よく戦で軍功を挙げればトントン拍子に出世して、将軍となり政府の役人に。破れた兵士は匪賊になり、匪賊は流民に。やがて流民から乞食に。これが「好い鉄は釘にならない。好い人は兵にならない」人々の、人生双六ということになる。
曲阜の孔子廟を訪ねた時のこと。「今朝來土匪の猖獗を傳ふる事頻りなり。曰く尼山に五百人の土匪あり、首領を于三?と云ふ。久山に二千五百の土匪あり、首領を劉某と云ふ。之に對して濟南第五師團歩兵の一營千五百人之に當り居れども、官軍戰毎に利あらず、今は曲阜を去る遠からざる姚村まで土匪の襲來あり」。どうやら孔子サマの有難さもご利益も、土匪の前では役には立たなかったようだ。
やはり小人は閑居して不善を為すものだ。
数多くの奇天烈な体験も、また『大漢和辞典』作りの下地になったのだろうか。
□◎□○ひ△◎□◇い○◎○□ず□◎□○み○◎○□
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●アンディ・チャンのアメリカ通信
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台湾を失えば太平洋を失う。地球の三分の一が中国に制圧される。
中国の南シナ海における覇権進出よりはるかに厳重な問題である。
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AC通信:No.723 Andy Chang (2019/01/12)
AC論説 No.723 台湾の将来に危険信号
正月二日、中国の習近平が台湾に向けた談話を発表して「習五条」を強調した上で、彼の主張する「92共識」とは「一国二制度」つまり香港方式に外ならないことを明らかにした。
台湾の蔡英文総統は直ちに習近平の発言に反撥し、台湾は絶対に92共識を受け入れない、中国が民主化し、台湾の主権と2300万人の自由民主を受け入れることが必要であると発表した。蔡英文が習近平の圧力に反応を示したのは就任して以来、初めてである。
習近平の発言のあと正月8日にアメリカ、カナダ及びオーストラリアの学者、John Tkacik、Joseph Bosco、Gordon Chang、Jerome Cohen、Bruce Jacobsや、William StantonとStephen Young の元駐台湾AIT大使を含めた台湾問題に詳しい学者44名が台湾の蔡英文総統及び台湾人民に公開状を発表し、蔡英文総統への激励と共に、台湾人民が中国の脅威を正しく認識し、輿論論争による政治主張の分裂を戒めた。
今まで国際学者が連名で台湾人民に警告したことは一度もなかった。去年11月の中間選挙で惨敗した蔡英文政権に対し、中国の台湾併呑に危機感を覚える民衆が増えたのは当然だが、国際問題の権威である学者たちが連名で台湾政府や人民に公開状を発表したことは、諸国が台湾の将来に危機を覚えて台湾人民に警告を発したのである。
同時に国際学者の公開状は米国その他の国々が(20年前に私が名付けた)「台湾丸の沈没」を憂慮し、台湾問題に介入する決心をした証拠である。
台湾を失えば太平洋を失う。地球の三分の一が中国に制圧される。中国の南シナ海における覇権進出よりはるかに厳重な問題である。
●台湾の危機は台湾人民の責任
去年の中間選挙で地方政権の八割を失ったのは蔡英文の責任だけでなく、「蔡英文に失望した」から国民党に投票した愚かな民衆の責任である。蔡英文は馬英九の親中国路線を踏襲し、中国が台湾の国際的地位を圧縮し続け、外交と内政ですべて無策無為だった。これに対し民衆が統一を主張する国民党に投票した。責任は蔡英文と民衆の両方にあるが、台湾に多数いる台湾独立派も民衆を動かすことが出来なかった。
蔡英文の現状維持と呼ぶ無為無策に失望した民衆が中国の台湾統一の脅威を軽視して国民党に投票したのは人民の危機感の欠如と国際政治に無知である証拠、八割の政治地盤を失った民進黨の責任である。この選挙の結果は人民が蔡英文に徹底失望した証拠である。
●「四大元老」の蔡英文公開状
正月年頭に台湾の元老と呼ばれる李遠哲、高俊明、彭明敏、呉■培の四名が新聞に蔡英文に対する公開状を発表し、(1)蔡英文は来年の選挙で総統再選を考慮せず、(2)政治の第一線から第二線に退き、(3)行政院長に政治を任せることなどを要求した。
この四名のうち二名は蔡英文の総統府顧問である。総統の顧問が蔡英文に対し政治から引退し再選を考えるなという厳しい勧告をしたのである。現職の総統に政治から引退せよと勧告するのは前代未聞だが、この公開状は民衆から歓迎されたと同時に蔡英文の支持者や民進黨幹部は彼らを「老いぼれは黙れ」と批判した。
蔡英文個人も「再選に出馬するかどうかは個人問題だ」と反発した。但しこのことからわかるように、蔡英文が再選に出ても落選するのは殆ど確実である。蔡英文が勧告を拒絶したことも彼女には顧問の勧告を受け入れず反省の気配がないことで人民はさらに失望した。//
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通巻第5952号
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さぁ次はオマーンの漁場を狙え、中国「一帯一路」の罠
470隻の近代漁船が23000の小舟、零細漁師の漁場を直撃
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ホルムズ海峡の隘路、対岸がイランのバンダル・アッバース。サウジアラビア半島側はオマーン(旧国名はマスカット・オマーン)の飛び地である。
ドバイに滞在していたおり、オマーンの国境まで4WDを疾駆させて行ったことがあるが、荒れた台地に茶褐色に岩肌、農地にもならない曠野。それが国境だった。
オマーン本国は、ホルムズ海峡を扼する飛び地から東南東。アラビア海とインド洋に「7」のような地形でせり出している。海岸線が3165キロのも及ぶ。
海洋地政学にとって、要衝となるのは当然だろうと思える。首都のマスコットから南西南へ500キロ。ここがインド洋に面するドクムという漁村である。
つい昨今まで、ドクムを中心とする五万人の漁師たちは23000といわれる小舟にヤマハのモーターを駆動させて漁場を移動し、漁獲類は「干し物」にしてから駱駝の背にのせ、首都マスカットまで500キロ、月の砂漠をキャラバンで運搬していた。
俄かに、この寒村に焦点が当たった。
「一帯一路」を標榜する中国が舌なめずりしながら大々的に進出してきたからだ。中国はこう言った。「ドクムを中東最大の漁業基地にして東アフリカ一帯の漁業センターにしよう」。
オマーンを取り込む「一帯一路の」の罠が仕掛けられたのだ。
2017年、中国はこのドクムを「免税特区」「輸出工業区」として開発するために107億ドルを投資する、条件は25年の租借で、更新可能としたいと提案した。この降って湧いたような巨額投資にオマーンはすぐ合意に達した。
オマーンは歳入の55%を石油に依存しているため、ほかの産業育成による収入源の確保に魅力がある。
しかし中国の隠された企図とは、いずれ漁場拠点の軍港転用であり、ジブチに海軍基地をつくったように、長期戦略に基づいている。
オマーンは絶対君主制、サィード国王の独裁政治だが、一応、議会がある。大政翼参会的な議会はすぐに中国の案件を諒承し、2020年完成を目指して工事が始まった。すでに10の漁場に冷凍倉庫、魚介類加工、製氷製造工場などが建設された。
中国は合計470隻の近代的漁船を投入するとしており、十の工場がすでに稼働している(アジアタイムズ、1月11日)。
怒ったのは地元の漁民、零細で小舟による釣りで生計を立ててきたが、大型漁船、冷凍設備をもつ近代船などが近海から魚を収獲すると、地元漁民の生活が成り立たなくなるではないか。
オマーン政府は漁民の怒りをいかに静めるか注目が集まっている。
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――「只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に満たされて居る」――諸橋(15)
諸橋徹次『遊支雜筆』(目?書店 昭和13年)
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長江を遡り諸橋の旅は続く。
よくもまあ、と思えるほどに丁寧に名勝旧跡を回り、関連する故事来歴を記しながら、時の流れの中で惨澹として珍妙に変わり果てた姿を綴っている。だが、これまで見て来た惨状と大同小異なので敢えて割愛するが、やはり大冶鉄山については日本人として記憶しておくべきと思うので、手短に綴っておく。
じつは大冶が全山鉄鉱山であることを発見したのは、清末に近代化を進めた代表的指導者の張之洞の秘書だった。彼は古書の記述から一帯には鉄鉱山があると推測する。そこでドイツ人技師に調査を依頼すると、はたせるかな豊富な鉄鉱脈を発見したものの、「其の技師は張之洞に先立つて、本國の公使に知らせた。獨乙公使は素知らぬ顔で其の邊りの土地を讓與して欲しひ」と張之洞に申し出る。
すると「此のくせものと、張は一喝の下に技師を解雇した」。なんともドイツ人の振る舞いはセコイ。やはりドイツ人はセコイのだ。
陶淵明の墓に詣でるべく旅を続ける。某村に着く。「夕日輝きて心地よし」。農家に宿を頼むと「殊勝にも御泊りなされ」と。「地獄に佛なり」。だが「室に入れば汚きこと限りな」く、「戸障子とては一枚もなし」。「先ず伴へる苦力に飯を炊かせて」、諸橋は「其の家より芋と葱とを買求め」て調理して食事とした。
疲労の余りかバタン、キュー。「一睡の後醒むれば、予の伴へる苦力と宅の主人とは、尚頻りに酒を呑みて興がる」。苦力は得意げに諸橋は老朋友だと説明している。「可笑い」。
そこまではよかったが、そのうちに「苦力小便せまほしと云ふ」。すると「主人自ら導いて至れる」のは諸橋の寝ている部屋だった。「南無三寶、臭氣鼻を撲ちて堪へ難し。點燈して見れば汚き便器四疊半にも足らぬ我が室にあるなり」。かくて我慢ならなくなった諸橋は「苦力を呼び、命じて其の便器を取去らしむ」。
あの謹厳実直を絵に描いたような漢学者の諸橋が、なんと「汚き便器」の隣で「臭氣鼻を撲ちて堪」い思いを抱きながら寝ていたとは。古人の言うように、確かに艱難汝ヲ玉ニスルものらしい。
某地でのこと。「最上の旅館なりと馬夫の案内」に誘われると、「狹隘湫隘殆ど馬小屋にも劣る處」だった。しかも「室外には馬糞積んで山の如し」。
また或る所では。「此の地旅館なし。驛長に一宿を乞うへば、近來土匪猖獗にして、城外の地は保證し難し、日の暮れざる間に」、早く市街地行って衙門(やくしょ)を訪ねよ、と。
その土匪だが「居民に課する強制徴収は甚だ苛酷」であり、支払いに応じな場合は「立ちどころに之を殺す」。当時、一帯に土匪が多かったのは、北京中枢の一角を占めていた段祺瑞麾下の軍が敗北したからであり、兵士たちは「段軍の潰散と共に今郷に歸り、土匪とな」ったからである。そこもと左様にして食いっぱぐれれば流民になり、流民は匪賊になり、匪賊が兵士になり、運よく戦で軍功を挙げればトントン拍子に出世して、将軍となり政府の役人に。破れた兵士は匪賊になり、匪賊は流民に。やがて流民から乞食に。これが「好い鉄は釘にならない。好い人は兵にならない」人々の、人生双六ということになる。
曲阜の孔子廟を訪ねた時のこと。「今朝來土匪の猖獗を傳ふる事頻りなり。曰く尼山に五百人の土匪あり、首領を于三?と云ふ。久山に二千五百の土匪あり、首領を劉某と云ふ。之に對して濟南第五師團歩兵の一營千五百人之に當り居れども、官軍戰毎に利あらず、今は曲阜を去る遠からざる姚村まで土匪の襲來あり」。どうやら孔子サマの有難さもご利益も、土匪の前では役には立たなかったようだ。
やはり小人は閑居して不善を為すものだ。
数多くの奇天烈な体験も、また『大漢和辞典』作りの下地になったのだろうか。
□◎□○ひ△◎□◇い○◎○□ず□◎□○み○◎○□
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台湾を失えば太平洋を失う。地球の三分の一が中国に制圧される。
中国の南シナ海における覇権進出よりはるかに厳重な問題である。
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AC通信:No.723 Andy Chang (2019/01/12)
AC論説 No.723 台湾の将来に危険信号
正月二日、中国の習近平が台湾に向けた談話を発表して「習五条」を強調した上で、彼の主張する「92共識」とは「一国二制度」つまり香港方式に外ならないことを明らかにした。
台湾の蔡英文総統は直ちに習近平の発言に反撥し、台湾は絶対に92共識を受け入れない、中国が民主化し、台湾の主権と2300万人の自由民主を受け入れることが必要であると発表した。蔡英文が習近平の圧力に反応を示したのは就任して以来、初めてである。
習近平の発言のあと正月8日にアメリカ、カナダ及びオーストラリアの学者、John Tkacik、Joseph Bosco、Gordon Chang、Jerome Cohen、Bruce Jacobsや、William StantonとStephen Young の元駐台湾AIT大使を含めた台湾問題に詳しい学者44名が台湾の蔡英文総統及び台湾人民に公開状を発表し、蔡英文総統への激励と共に、台湾人民が中国の脅威を正しく認識し、輿論論争による政治主張の分裂を戒めた。
今まで国際学者が連名で台湾人民に警告したことは一度もなかった。去年11月の中間選挙で惨敗した蔡英文政権に対し、中国の台湾併呑に危機感を覚える民衆が増えたのは当然だが、国際問題の権威である学者たちが連名で台湾政府や人民に公開状を発表したことは、諸国が台湾の将来に危機を覚えて台湾人民に警告を発したのである。
同時に国際学者の公開状は米国その他の国々が(20年前に私が名付けた)「台湾丸の沈没」を憂慮し、台湾問題に介入する決心をした証拠である。
台湾を失えば太平洋を失う。地球の三分の一が中国に制圧される。中国の南シナ海における覇権進出よりはるかに厳重な問題である。
●台湾の危機は台湾人民の責任
去年の中間選挙で地方政権の八割を失ったのは蔡英文の責任だけでなく、「蔡英文に失望した」から国民党に投票した愚かな民衆の責任である。蔡英文は馬英九の親中国路線を踏襲し、中国が台湾の国際的地位を圧縮し続け、外交と内政ですべて無策無為だった。これに対し民衆が統一を主張する国民党に投票した。責任は蔡英文と民衆の両方にあるが、台湾に多数いる台湾独立派も民衆を動かすことが出来なかった。
蔡英文の現状維持と呼ぶ無為無策に失望した民衆が中国の台湾統一の脅威を軽視して国民党に投票したのは人民の危機感の欠如と国際政治に無知である証拠、八割の政治地盤を失った民進黨の責任である。この選挙の結果は人民が蔡英文に徹底失望した証拠である。
●「四大元老」の蔡英文公開状
正月年頭に台湾の元老と呼ばれる李遠哲、高俊明、彭明敏、呉■培の四名が新聞に蔡英文に対する公開状を発表し、(1)蔡英文は来年の選挙で総統再選を考慮せず、(2)政治の第一線から第二線に退き、(3)行政院長に政治を任せることなどを要求した。
この四名のうち二名は蔡英文の総統府顧問である。総統の顧問が蔡英文に対し政治から引退し再選を考えるなという厳しい勧告をしたのである。現職の総統に政治から引退せよと勧告するのは前代未聞だが、この公開状は民衆から歓迎されたと同時に蔡英文の支持者や民進黨幹部は彼らを「老いぼれは黙れ」と批判した。
蔡英文個人も「再選に出馬するかどうかは個人問題だ」と反発した。但しこのことからわかるように、蔡英文が再選に出ても落選するのは殆ど確実である。蔡英文が勧告を拒絶したことも彼女には顧問の勧告を受け入れず反省の気配がないことで人民はさらに失望した。//