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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)12月19日(水曜日)弐
通巻第5922号
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(書評特集)
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江崎道朗『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)
坂東忠信『亡国の移民政策』(啓文堂書房)
兵頭二十八『米中AI大戦 地球最後の覇権はこうして決まる』(並木書房)
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アメリカは「敵と味方を取り違える天才」だった
中国を甘やかせた歴代政権の大失敗にトランプは気がついたのだ
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江崎道朗『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)
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保守論壇の新星・江崎さんの最新作である。
情報の認識ギャップ、とりわけ日米のインテリジェンスの度し難い乖離に関して、もっとも最新のデータをもとに「なぜ日本人は世界の行方を見誤る」かについて考察している。
彼我の差は歴然としている。
しかしインテリジェンスに卓越するアメリカそれ自体が「敵と味方を取り違える天才」と来ているから、事態はもっと複雑かつ深刻なのである。
オバマ政権まで中国が豊かになればいずれ共産主義をやめて「民主化するだろう」と根拠に乏しい説を信じ込んできた。
すべては裏切られ、気がつけば人民元の強みを発揮して世界に経済覇権をとなえ、68ヶ国を札束の威力で「一帯一路」の大風呂敷に包み込み、あげくにアメリカ市場でがっぽり儲け、それらを投じて大軍拡を達成したが、民主化とはあべこべの全体主義社会をさらに強固にして西側に対する最大最強の脅威としてあらわれたからである。
トランプ政権は従来の対中姿勢を根底から変えつつある。
しかし一夜には変えられない。だから序の口が高関税をかけて、まずは中国の経済力を弱める作業を始めた。理由は第一に、驚くほどべったりと中国に吸い付いているアメリカ企業があり、第二に米中秘密軍事協定が残存し、第三にウォール街が中国からまだまだ市場利用で儲けようとしているからだ。GAFAは、まだ中国進出を諦めてはいない。それが問題だ。
本書の肯綮はいくつかあるが、第一にDIMEという指摘である。
DIMEとは「外交」「諜報」「軍事」「経済」の頭文字を取った概念である。
トランプの対中政策の要にいる通商産業局長ナバロ教授が発案し、実際にこの考えた方はトランプ政策の中軸に躍り出た。
当面の主目標は[MADE IN CHINA 2025]の実現阻止にあり、そのためアメリカはZTEを排除し、つぎにファーウェイに照準を合わせた。
こんなときに日本は「一帯一路に協力する」「通貨スワップに応じる」。「競合から協調へ」と唐変木なことを言いつのり、ワシントンから猜疑の目で見られている。
2016年秋も、選挙情勢を見抜けなかったのは日本のメディアばかりか外務省である。
トランプが当選するというのに安倍首相の訪米では、ヒラリーにしか面会をアレンジしなかった外務省は間抜けの集まりではなく、アメリカのメディアの印象操作にひっかかったことが大きい。
そして在米大使館は、民主党ばかりと交遊し、共和党にコネクションが薄かったからである。
日本の欠点、それはインテリジェンスだ。
本書はアメリカの要人を訪ね歩きながら、現実にワシントンで起きていることをヴィヴィドに伝えてくれる。
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日本は既に「移民国家」に成り下がってしまった
国民の48人にひとりが移民、安易なインバウンドは国を滅ぼす
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坂東忠信『亡国の移民政策』(啓文堂書房)
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副題に「外国人労働者受け入れ拡大で日本が消える」とあるように、移民がいずれ日本を滅ぼすであろう暗い未来を抉り出す。
このところ、コンビニへ行くと「日本人店員」がいない店がある。居酒屋も従業員に日本人がいない焼鳥屋とかレストランがある。池袋の中華レストランは、当然のことだが、コックまで中国人で、置いてある新聞はすべて中国語、テレビは北京からのCCTV、会話は中国語、日本人客は評者(宮崎)くらいだ。
最近の報道で「(日本国内の)20代の女性に梅毒が急増している」「原因はコンド-ムを使わないからだ」「十分な性知識もないでふしだらな異性交遊」とか言われるが、外国人観光客と移民の急増と関連づける分析が少ない。もちろん、最大の原因は倫理、道徳の退廃、モラルの劇的な低下だが。。。。
そのうえ、日本の大学の学力の低下の著しく、世界のランキングから東京大学、京都大学の低迷ぶりはつとに有名だろう。
移民が増えるとアイデンティティが希釈される。国家の危機なのである。
労働力が不足するからというが、自国民を増やさないで、少子化に無策であった結果が、こうなったのである。自業自得であり、対処療法でしかない労働力輸入は本末転倒、しかしながら経済界の圧力にまけて安倍政権は「欠陥だらけ」の「入管法」を改正してしまった。これは「日本史上最大の失策だ」と坂東氏は叫ぶ。
なにしろ「移民」の48・4%が「反日」を叫び、日本を敵視する中国、韓国、北朝鮮からである。とくに前者は「国防動員法」に基づいて、外国でもいっせいに破壊活動を行う危険性、というより使命を帯同している。
坂東氏はこう分析される。
「兵士や工作員になりかねない、あるいはならざるを得ない中国出身者や、何件殺人を犯しても強制送還されることがないという『特別永住者』(その99%は韓国、北朝鮮系)中心の『在日特権』を法的に確立した韓国・朝鮮籍外国人」への「無関心や、勘違いと善意から生まれる優遇は亡国的レベル。さらにこれら移民全体のほぼ半数をしめる反日国家出身者はその人種から外見的にはほぼ見分けが付かない」
メディアは人権を尊重し、人種識別までレイシスト呼ばわりし、国会には「移民議員」がいる。
この国が健全で、安心して眠れた、「古き良き時代」は完全に終わった。
だが、何時までも嘆いてばかりでは明日の展望が拓かれない。解決策はあるのか、本書の処方箋を聞こう。
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市場用語の「FAGA vs BAT」を軍事タームに置き換えて
米中の決戦はAIテクノロジー『世界2分割』、が新冷戦の本質だ
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兵頭二十八『米中AI大戦 地球最後の覇権はこうして決まる』(並木書房)
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米国勢がGAFA(グーグル、アップル、ファイスブック、アマゾン)
中国勢はBAT(バイドゥ=百度、アリババ、テンセント)。
この決戦はすでに始まっている。
トランプ政権はZTE(中興通訊)に巨額の罰金を課し、地上局設備、通信機器などを米国市場から排斥した。米国製の半導体が輸入できず、ZTEは経営危機に陥った。
ファーウェイ(華為技術)のスマホは連邦職員、軍、公務員、警察が使用を禁止された。おなじく半導体の自製能力に劣るため、最大の供給先である台湾TSMCが米国からの圧力で供給をやめれば、同社のスマホは干しあがるだろう。
そのうえ、ファーウェイ副社長の孟晩舟をスパイ容疑、イランへの不正送金で拘束した。
この米国の姿勢に欧州、豪、カナダ、NZが同調し、ようやく日本も自粛を表明、つまり排撃に動く。
一方、ビッグデータをたっぷりと貯め込み、独裁政権が押しつける情報管理にも消極的ながら貢献してきBAT勢はどうか。
アリババならびに百度、テンセントは共産党の命令に従わざるを得なくなり、動揺激しく、これまでの順風満帆という市場形成は困難になる。
こうみてくると、米中のAIをめぐる戦争は開始されていることが歴然となる。
米国は開発した次世代AI、ITをもはや中国に供給することはない。中国は別系統のAIソフトウエアで独自の影響圏を築き、両社は「ソフトウエア・カーテン」で仕切られるという近未来はすぐそこに来ている。
石油の自足ができなくなる中国は戦争を戦う意思はあっても、能力的に海上封鎖を呼びなくされ、石油備蓄の争奪戦が地域軍閥で展開され、ここにアリババなどに蓄積されたビッグデータ争奪の国内軍閥戦争が起きる。それが中国軍の宿痾であり、軍閥同士の利権争奪、将来の主導権確保、つまり国内覇権争奪が、そのDNAである。
中国のIT学者、李開復が次の予言をしている。
「AIに関して中国と米国はパラレル宇宙を構成する。両陣営は2種類、2系統の別々なAI技術によってこの世界を弐分割するだろう」
半導体もAIも半熟過程の中国が、しかし最先端の米国と伍すことが可能なのは、AIが経験工学ではないからだ。
兵藤氏は独自の情報網から、そう予測されるのだ。
固定電話時代からいきなり携帯時代に突入した中国は、消費においても、現金からカード時代をこえて、いきなりスマホ決済時代に突入したように、設計図とソフトを米国から盗み出して、見よう見まねの自給体制を確立し、ファーウェイが世界の奥地で使われているように、世界を席巻できる。
悪夢が現実、まだ中国に夢を描いて出て行ったAIならびIT産業は、いずれ米国が仕掛ける新ココムによって制裁の対象にさえなる。
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