■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
----------------------------------------------------
安倍首相は日本のために新たな国造りをしてほしい
8月にテレビ番組で、「平成がすぐに終わりますが、平成をどのようなことによって、記憶されますか?」と、たずねられた。
私はとっさに「平成の30年の間に、憲法を改められなかったことだ」と、答えた。
現行の「日本国憲法」は、アメリカによる対日占領が始まってから、僅か1年3ヶ月後に公布された。この「憲法」は、大日本帝国憲法を改正した体裁をとっているが、大幅な改定であって、占領軍による強要がなければ、とうてい1年で行えるものではなかった。
私はついでに、戦後の73年を振り返ったら、どう思うだろうか、考えた。
「日本国憲法」が公布されてから、71年になる。日本が講和条約によって独立を回復してから、66年の歳月が流れた。それなのに、なぜなのか、この憲法がいまだに私たちの上に居座っている。
「日本国憲法」は冒頭から、大嘘で始まっている。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの生存と安全を保持」(前文)すると述べて、すべての国が平和を愛し、公正と信義を重んじていると説いている。誰が読んでも、嘘偽りではないか。
今日でも、政府、大手新聞・テレビは、日本が連合国に「無条件降伏」したというが、これも大嘘だ。学校教科書も「無条件降伏」したと記さなければ、検定に合格しない。
日本は『ポツダム宣言』を受諾して降伏した
日本は『ポツダム宣言』を受諾して降伏したのであって、「吾等ノ条件ハ左ノ如シ。吾等ハ左條件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ」と述べて、「日本国軍隊ノ無條件降伏」のみを、求めている。事実は、名誉ある条件付降伏を行ったのだった。
1950年6月に、占領下で朝鮮戦争が勃発すると、その2ヶ月後に占領軍は「日本国憲法」によって「陸海空軍その他の戦力」の保持を禁じたはずなのに、日本政府に警察予備隊という軍事組織の創設を命じた。
日本はその1年8ヶ月後に独立を回復し、3ヶ月後に警察予備隊を保安隊と改称し、1954年にさらに自衛隊に改めた。
今日、自衛隊は国際的には軍隊として認められているが、国内では政府、国会が軍隊ではないと言い張っている。日常生活でこのような詭弁は、とても許されないだろう。
自衛隊には「普通科連隊」「特科連隊」という、一般の国民に理解できない部隊が存在しているが、歩兵と砲兵のことだ。自衛隊が軍、兵でないと偽ってきたからだ。このために、自衛隊には意味不明な用語が多い。
占領下で連合国による、いわゆる「東京裁判」が行われ、敗戦までの日本の指導者が「アジアを侵略した罪」によって裁かれた。
だが、連合国は敗戦翌年の5月から3年半にわたって“裁判”が行われていたあいだ、オランダ、イギリス、フランス軍が、日本が大戦中に解放したアジアの民を再び植民地支配のもとに置こうとして、アメリカに援けられて、侵略戦争を戦っていた。
戦勝国こそアジアを侵略していた
この事実だけでも、「東京裁判」が勝者による不法な私刑(リンチ)でしかなかったことが明白なのに、今日でも多くの国民が「東京裁判史観」という嘘を、鵜呑(まるの)みにしている。
国民があからさまな嘘を信じて、よいのだろうか?
ニューヨークのマンハッタンに、「ジ・ユナイテッド・ネーションズThe United Nations」と呼ばれる国際機関がある。UNの略称で知られているが、先の大戦中に日本が沖縄戦を戦っている時に、連合国が戦後世界を経営するために、サンフランシスコで誕生し、日本は1956年に加盟することを許された。
日本では「国際連合」と訳されて、「国連」と略されているが、このような名称の国際機関は、世界のどこにも存在していない。
もともと「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」という呼称は、ルーズベルト大統領が真珠湾攻撃直後の1942年1月1日に、日本と戦っていた26ヶ国の代表をワシントンに集めて、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ(連合国)」と呼ぼうと、提案したことによった。
「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、第2次大戦を戦っていた一方の軍事同盟の呼び名である。サンフランシスコで国際機関の「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」が結成された時に、日本と戦っていることが加盟資格とされた。
加盟資格について「すべての平和愛好国」と規定されたが、日本、ドイツをはじめとする枢軸国と戦っていることが、「平和を愛好する国」の条件とされた。そのために、多くの国が「平和を愛好する国」として資格をえるために、日本とドイツに急いで宣戦布告した。
「国際連合(国連)」は「連合国」の偽名だ
マンハッタンにあるのは、連合国(ジ・ユナイテッド・ネーションズ)の本部だ。
日本でも「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、敗戦の11月までは「聯合國」と正しく訳されていた。今日、日本で「国連憲章」と呼ばれる連合国憲章を起草するために、連合国の代表がサンフランシスコに参集したが、当時、日本の外務省は当然のことに「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」を、「聯合國」と訳している。
ところが、11月から「聯合國」が「國際聯合」と曲訳されるようになった。
連合国憲章を「国連憲章」と訳してきたが、外務省による正訳では、「国連憲章」は「われら連合国の人民は‥‥」(原文は「ウィー・ザ・ピープルズ・オブ・ジ・ユナイテッド・ネーションズ」)から始まっており、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」を、「連合国」と正しく訳している。
日本はうそ偽りを精神の拠り所としてきた
冒頭で「連合国」と訳しているのに、「ザ・チャーター・オブ・ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、「国際連合憲章」と誤訳している。翻訳では同じ言葉を同じように訳さなければならないのに、おかしい。
「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は誕生した時から、5つの公用語の1つである中国語では、「連合国(リエンホーグオ)」である。韓国と北朝鮮も「国連」を正しく、「連合国(ヨナブグク)」と呼んでいる。
同じ敗戦国のドイツでは、ドイツ語で国際連盟が「ディ・フルカーブンド」であったのに対して、「国際連合」はドイツが戦った連合国と変わらない「ディ・フェアインテ・ナツィオネン」(連合国)と呼ばれている。イタリア語でも「レ・ナツィオニ・ウニテ」であって、「連合国」だ。
敗戦を「終戦」、占領軍を「進駐軍」と呼んで、現実を誤魔化したように、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ(連合国)」を、戦前あった国際連盟をもじって、「国際連合」に擦り替えたのだった。
この誤訳のために、日本国民は「国連」が諸国の権力闘争の場でしかないのに、「平和の殿堂」だと誤解して、崇めてきた。
日本政府も、「国連」が中心をまったく欠いているのに、つい十数年前まで「国連中心主義」を、外交の基本方針としていた。
日本国民の精神の拠り所となってきた「日本国憲法」も、「国際連合」も、うそ詐(いつわ)りでしかない。
日本国憲法は日本を夢遊病にしている
日本国民は作り事の世界に生きてきたために、現実を直視する力を失ってしまっている。
占領下では自由を奪われていたために、無法に従わなければならなかったから、仕方がなかったが、独立を回復した後も、嘘を崇める国となっているのは、なぜなのか。
私は幼い時に祖母から嘘をつくと、閻魔様に舌を抜かれると教えられたが、日本人はあのころより全員が、はるかに冗舌になっているから、祖母の話は迷信だったにちがいない。
安倍首相が自民党総裁選挙に出馬するのに当たって、「平成の先の時代へ向けて、新たな国造りを進めていく、先頭に立つ決意だ」と述べているのに、大いに期待したい。


