■「加瀬英明のコラム」メールマガジン



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 日本を守る③ あえぐロウハニ体制


 8月に入って、イランのロウハニ大統領がホルムズ海峡を封鎖するといって、トランプ大統領を威嚇した。

 トランプ大統領は「そうしたら、イランは壊滅的な打撃を蒙る」と、応じた。

 日本は、ペルシア湾と紅海に挟まれたアラビア半島に、石油・天然ガスの80%以上を依存している。まさに、日本の生命(いのち)綱だ。日本はペルシア湾の玄関口のホルムズ海峡と、紅海の出入り口のバブ・アル・マンダブ海峡を封鎖されたら、水を抜かれた池の鯉のように、干上がってしまう。

 5月に、米国がオバマ前政権が行ったイラン核合意から脱退するという、“トランプ砲”が炸裂すると、米欧のマスコミは「トランプの暴挙」だと、いっせいに非難を浴びせた。

 トランプ政権はイラン核合意を反故(ほご)にして、イランに対する国際的な経済制裁が復活したために、イラン国内で暴動が続いて、ロウハニ体制が喘ぐようになっている。

 トランプ大統領はイスラム二大宗派の一つのシーア派の総本山のイランが、かねてからシーア派武装勢力を支援して、米国と結んでいるサウジアラビアなどのスンニー派諸国や、イスラエルを脅かしてきたために、中東を不安定化している胴元のイランを、締めあげる賭けに出た。

 イランは、サウジアラビアに隣接するイエメンの反乱勢力のフーシ派を操っている。7月末にサウジアラビアは、フーシ派が同国のタンカー3隻を攻撃したために、フーシ派への武器援助が通過するバブ・アル・マンダブ海峡を、一時、封鎖した。世界の石油の3分の1が、この海峡を通じて運ばれている。

 トランプ大統領は、レーガン大統領(在任1981年~89年)を彷彿(ほうふつ)させる。レーガン大統領といえば、ブレジネフ書記長のソ連に大規模な軍拡競争による喧嘩を吹っかけ、ソ連は軍事費の重荷に耐えられず、経済が破綻したために、1991年に崩壊してしまった。

 中国とイランは、ともに脆い経済の足の上に立っている。トランプによって、中国とイランが調教されるだろうか。

 トランプ大統領が、7月にロシアのプチン大統領と会談して擦り寄ったために、米欧のマスコミに嘲笑されたが、中国とイランを孤立化させるのに、ロシアの協力が必要だった。

 世界が激動している。日本に備えがあるのだろうか。