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■「加瀬英明のコラム」メールマガジン



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 スウェーデンの国防の備えに日本は学ぶべきである


 北ヨーロッパのスウェーデンといえば、読者諸賢の多くが「スモーガスボード」という、魚貝類が中心となったスウェーデン料理を、知っていられることだろう。さまざまな料理が並び、客が好むだけ取る、日本で「バイキング料理」の語源となっている。

 スウェーデンはフィンランドとノルウェーと国境を接しており、親日国家で、人口が1012万人、国土は日本の1.2倍ある。平和国家だ。

 今年5月21日に、スウェーデン政府は『戦争、あるいは危機において、何をすべきか』と題する小冊子を、スウェーデン国民に配布した。

 この小冊子は、「敵国による侵略を蒙った場合に、侵略者に対して、国民全員があらゆる手段を講じて抵抗する」ことを、求めている。

 政府の民間防衛局によって発行されたものだが、「もし、わが国が侵略された場合に、国民は最後まで戦い、絶対に降伏しない。抵抗をやめるようにという、情報が流れたとしても、虚偽のものであるから、いっさい信じてはならない」と、述べている。

 ヨーロッパでは、4年前にプーチン大統領のロシアが、武力によってウクライナからクリミア半島を奪取し、ウクライナ東部の内戦に介入しているために、ロシアがさらに侵攻するのではないか、緊張がたかまっている。

 スウェーデン対岸のバルト海に面する、冷戦後にソ連から独立した3つの小国のエストニア、ラトビア、リトアニアを守るために、米英独、カナダ軍部隊が進駐している。

 なぜ、スウェーデンが危機感に駆られているのだろうか?

 スウェーデンとロシアの間には、フィンランドがある。
先のスウェーデン政府の小冊子は序文で、次のように述べている。

 「わが国では長期間にわたって、戦争に対する備えが、限られたものでしかなかった。

 しかし、わが国を取り巻く世界情勢が大きく変化しつつあることから、政府はわが国の防衛体制を強化すべきことを、決定した。

 平時における防衛態勢を確固としたものとすることが、戦時において国防を強靭化することになる」

 政府は侵攻を蒙った場合に、若者、壮年の男子は銃を執って戦い、婦人、高齢者は、負傷者の看護、補給などの後方支援に当たることを、期待している。

 もっとも、スウェーデンはロシアがすぐに侵攻してくることを、予想していない。10年後を、見据えているのだ。アメリカが「アメリカ・ファースト」の掛け声のもとで、米軍をヨーロッパから引き揚げてしまう可能性に備えているのだ。

 それに対して、日本はどうだろうか?

 日本を取り巻く状況が、重大な危機を孕むようになっているというのに、憲法に自衛隊の存在を書き込むべきか、不毛な論議に、国論を二分して熱中している。

 自衛隊は「憲法解釈」による、「専守防衛」の鎖によって縛られているために、敵の基地を攻撃する能力がまったくなく、敵が本土を侵すまで、戦うことを禁じられている。

 中国が虎視眈眈(たんたん)と、尖閣諸島だけでなく沖縄全体を奪おうと狙っているのに、現行憲法の呪いによって、日本独力で守ることができない。脆い国は、侵略を招く。

 一刻も早く、憲法改正が求められる。