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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)7月4日(水曜日)
        通巻第5747号  <前日発行>
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 オッと。こんな手もあったっけ。10億ドルをせびる「開き直り」。
  パキスタンがIMF管理になると、中国は困るらしい。
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 借金も余り大きくなると、借りている方が開き直るという手段がある。
 パキスタンでは、570億ドルという途方もない巨額を中国が投下して、グアダル港から新彊ウィグル自治区まで、高速鉄道、ハイウェイ、原油とガスのパイプライン、そして光ファイバー網という世紀のプロジェクトを展開している。
 CPEC(中国パキスタン経済回廊)という。

 ところが資金がかならず蒸発してしまうので、CPEC工事は、地区によって工事中断。それも数カ所におよび、いったい完成は何時になるのか、はたして完遂できるのかという不審の声もあがる。
 そのうえ、工事現場の大半を占めるバロチスタン洲は独立運動が盛んで、パキスタン中央政府の統治がうまく及んでいない。クエッタでは、中国人誘拐事件や殺人事件も起きている。

 パキスタンは中国からの借金を返せず、西南部にあってインド洋に面した深海=グアダル港を向こう43年間、中国のの租借港とすることを認めた。
スリランカのハンバントラ港は99年だから、パキスタンの43年というのは、何が根拠なのか、パキスタンの国内法なのか、よく分からない。99年とは「永久」と同義語である。

 さてパキスタンはデフォルトの名人でもあり、2013年にも67億ドルを支払えず、IMF管理となって、世界の金融機関は追加融資に二の足を踏んだ。そこでパキスタンの商人等は中国の商業銀行から金を借りた(その累計も20億ドル近いという)

 IMF管理になると、中国としては帳簿を監査されるなど、まずいことになるらしく、土壇場でパキスタンは開き直り、20億ドルの追加融資を要請した。
さきごろパキスタンの執拗な要請に根負けした中国は、渋々10億ドルを追加した。
 ナルホド弱者の開き直り、って手段は、こうした場合には有効なんだ。

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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1754回】  
――「支那人は巨人の巨腕に抱き込まるゝを厭はずして・・・」――中野(10)
  中野正剛『我が觀たる滿鮮』(政?社 大正四年)

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 中野は「鐵道に沿ひて我國の勢力の延長せる最北端」に位置する長春において、「量見の小さき治者」の管理・規制・指導をものともしない「帝國住民の最も活氣を呈せる」姿に接し、「吾は愉快に堪へざる所」と綴る。

 「量見の小さき治者」の筆頭ともいえる満鉄は、「全く附屬地の總地主として獨裁的專制を人民の上に行」い、満鉄に盾突くようなことがあったら直ぐにでも土地を取り上げてしまう。
「去れば人民が安んじて永住の計畫を立てんなどゝは思ひもよらず」。満鉄のような大会社が、こんな姑息な対応を執るべきではない。だが「滿鐵の經理課は、斯くして、些細の事にまで立入りて其収入を多からしめんとし、種々の非難を受けながら毫も改むるの意なきものゝ如し」。「量見の小さき治者」が目前の“業績アップ”に汲々とする結果、国民の活力は殺がれ国益は毀損されてしまうのだが、その責任が問われることはない。

 「量見の小さき治者」を詰る一方で、中野は「活氣を呈せる」「帝國住民」の歓待を楽しみ、その席上で見聞きしたことを記す。

 長春には「意氣甚だ豪壮な」る人々の組織した長春倶楽部と名づけられた社交機関があり、「住民は一致して内外の困難に當る」ことを目的とする。
「外」とは「固より或は支那人、或は其の他の外國人に對する實業の競爭」だが、「内」は「彼等の地主たり、專制家たり、代表者たる滿鐵、都督府、領事館なり」。かくて中野は「覺えず失笑」せざるをえず。

「一人の快活漢」が「傍らに侍する紅裙連を捉へて」、「世人は此徒を卑めども、凡そ日本國中に於て最も勇氣ある者は此輩なり、北滿といはず、西伯利亞といはず、日本人の海外發展に最先鋒たる者は彼等なり。商人は彼等の腰巻を擔ぎて後へに隨ふ。是れ比喩の言に非ず、實際に然るなり此徒女流の進む所、必ず其腰に纏ひ、肩に掛くべき日本産の縮緬の類を要す、意氣地なき日本商人は此種の貨物を擔ぎて、彼等より澪れ錢を得んとするに過ぎず。彼等は國辱を晒すと稱せらるれども、余の見る所も以てすれば、彼等ほど恥を知るを重んずる者は有らざるなり」と、「盛んに彼等の爲めに気?を吐」いたという。

 これを聞いて中野は「彼等」、つまり彼女たちの苦労と心意気を知ればこそ、「日本民族發展の爲め、男子が活動するに何の難き所ぞ」と言い切った。

 古今東西を問わず、海外進出の先兵は「紅裙連」だろう。
その尻を追っかけ彼女らに寄生する牛太郎やらやり手婆の類が続き、小商人が群がり紅灯の巷から嬌声が聞こえるようになると、本国から大企業やら当局やらの『本隊』が、やおらやって来て、あれこれ口煩く宣う。
そうなると、粗野だが活力溢れた雰囲気は後退し、小役人根性と屁理屈が幅を利かせる面白味のない社会になってしまう。満州でもまた、そうであったに違いない。

 長春は発展途上だった。
「自由經營の意氣ありて、官憲に攀ぢず、大會社に依頼せず、隨つて名士高官の送迎抔に?禮を厭ふ長春同胞」の怪気炎を聞いた翌日、「日支合辨の鐵道にて」吉林へ向かった。この鉄道の「設備の言語道斷なるは呆るゝの外なし」であるだけではなく、「其の經營の馬鹿々々しき事、其の不正の行はるゝこと、凡そ支那人と合辨事業をなすより生ずる弊害」は数限りがなかった。

 この時代、すでに「凡そ支那人と合辨事業をなすより生ずる弊害」が指摘されていたわけだから、やはり日本はどのような理由があれ「凡そ支那人と合辨事業」なんぞに取り組むことは得策ではなさそうだ。

 満州は「北に向ふに隨ひて、漸々土地豐沃」であり「滿洲の貴きを感ず」。「長春より東に折れて吉林に向へば、其刻々に地味の豐饒」な大地が続く。果てしなく広がる真っ黒い大地は、挿した箸から根が生えると形容されるほどに地味が豊である。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)先月30日、潜伏キリシタンの関係遺跡が「世界遺産」に登録されました。地元の人々は大喜びで、訪れる人々もテレビを見る限りでは一様に喜びに溢れているようです。
 しかし私は一抹の不安を感じています。それは中・韓の『歴史戦』に悪用されはしないか、という危惧です。
物事には「原因」があって初めて「結果」があるのです。しかし、潜伏キリシタン関係遺跡の「世界遺産」への登録には「結果」だけがあり、その「原因」には全く触れていません。宮崎先生が5月14日、通巻第5701号の中の「平川靜『戦国日本と大航海時代』(中公新書)」の書評でおっしゃった「なぜ禁教に至ったかを日本政府は先に国際社会に説明しなければならない」が全く欠落したまま登録されたのです。「世界遺産をこのまま登録されては日本がまるで時代錯誤的な宗教弾圧国家と誤解され」てしまう、とも宮崎先生はおっしゃっています。
 そうなんです。このままでは「日本は時代錯誤的な宗教弾圧国家」だと中・韓の「歴史戦」に悪用されかねないのです。
説明すべきは如何にして禁教に至ったかであって、結果としての「潜伏キリシタンの関係遺跡」ではないはずです。

 禁教の原因としては「宣教師たちが侵略の先兵だった」ことを初め、「布教の裏で若き女性らを大量に拉致して売春婦や労働力として海外に売り飛ばしていた」ことや、「長崎を伴天連領として領有ししていた」こと、「キリシタン大名に命じて神社仏閣を打ち壊させた」こと、「倭寇も顔負けの海賊行為を働いていた」ことなどが秀吉の九州征討の際に判明し、それゆえに禁教に至ったことです。
 当時、ポルトガルやスペインの宣教師らは狡賢くも「貿易の利を吹聴」する一方で日本人を性奴隷として海外に売り渡して巨額を得たりの悪業の限りを尽くしていたのです。禁教はこうした理由から止むを得なかったのです。
 こうした真実の歴史を語らない今回の「歴史遺産登録」は、中・韓の企む「歴史戦」に格好の材料を与えるものです。とは言え、既に「世界遺産」に登録されてしまいました。せめて、日本人にだけはそうした事実を伝えたいものです。その意味でも、先ず教科書を何とかしたいものです。
 ■『「潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産への登録について』
https://sns.orahonet.jp/blog/blog.php?key=16752
 や、『フェイクニュース?』
https://sns.orahonet.jp/blog/blog.php?key=16393
の最後のコメント欄を参照ください(独村)


(宮崎正弘のコメント)米国はユネスコへの拠金を凍結し、また人権委員会から離脱しました。日本もそうすべきでしょう。
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 米朝首脳会談。トランプ大統領の動きにより、朝鮮半島やアジア諸国が急変してくことは必至だ。「人民共和国」化しやがては連邦制で共存すると思われる朝鮮半島、いよいよ激化する米中の貿易戦争が背景にあるなかで、日本はこれからどのような道を進むべきなのか?
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 ――米朝首脳会談は予想通り二転三転、そして四転五転となった。
――強硬な手段を発動して相手を揺さぶる。さすがにディールには馴れているのがトランプの遣り方であり、敵対するメディアもこの点の豪腕は認めるところであろう。
――ところが日本のメディアに登場する「北朝鮮専門家」たるや、情報もなければ取材もしていない人々が平然と間違った見通しを述べていた。
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 ――独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる//