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人としての「まことの道」を見つめ直さう!

池松伸典
■■ 転送歓迎 ■■ No.2787 ■■ H30.06.20 ■■ 7,897部■■

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 世の中がどんなに変って便利に効率的にならうとも、次々に問題が生起して課題が消えてしまふことはない。さうした根本の事実を見つめ直すことが、いよいよ大事になってゐるのではないか
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「働き方改革」が議論されるやうになって企業では生産性の向上やスキルアップといふ掛け声の下、労働時間短縮などで快適な職場環境を実現しようとしてゐる。また家庭においては、IОT(Internet of Thingsモノのインターネット、様々なモノをインターネットにつなぐこと)やAI(人工知能)などの言葉で示されるやうに、かつては夢の如くに思ひ描かれてゐた「未来の快適な生活」が現実のものとなりつつある。

 以前と比べると随分と便利になったのは人類の叡智の結集の賜物であらうと感心するのであるが、その一方で変化がどんどん早くなってゐる中で、それに追ひつくのが忙しく、「何か大事なものを置き忘れてゐる」やうにも思はれるのである。

 長年、私が携はってゐる建築の分野でも以前からすると相当効率的になって、工事の管理も多岐に渡って可能になってはゐるが、相変らずミスも生じてゐるから大幅に楽になったわけではない。
逆に情報が多くなった分だけ作成する書類がふえて、その整理のために現場を見る時間が少なくなり、現場での問題点をいち早く見つける眼力や、突発的に起きる事柄に対して臨機応変に対処していかうとする意志力が衰へてきてゐるやうにも感じられる。

 今年は明治維新150周年で、当時の人々の生き方が注目されてゐるが、明治の人達の逞(たくま)しさや精神性の強さなどに私も引きつけられてゐる。彼らの遺した言葉を通して、その思ひを辿っていくことは、この「忘れてきてしまった何か大事なもの」に気づく大きな手立てになるのではないかと思はれる。

 明治天皇は生涯93,000首を超える驚異的な数の和歌をお詠みになったが、中でも近代西洋と国運をかけて戦った日露戦争の最中の明治37年には6,500首近くもの御歌をお詠みになってゐる。その中の一つに次の御歌がある。

 思ふことありのまにまにつらぬるがいとまなき世のなぐさめにして

 「まにまに」は「随に」と書き、「したがふ、ままに」といふ意味で、思ってゐることをそのままに、ありのままに言葉を並べていくと歌が出来てくる、そのことが気の安まることのない戦中にあって、自分の心の慰めとなってゐるとの御意と拝される。
一口に「ありのままの思ひを見つめる」といっても容易なことではない。国家の危機に直面して、その重責重圧を担はれながら「いとまなき」中の僅かな「いとま」に短歌をお詠みになってゐる明治天皇のお姿を拝察すると、現実からお目をそらされることなく、ありのままを御覧になる中で人のまことをしみじみとお感じになってをられるお姿が浮んでくる。

 また、明治維新で活躍した志士達に大きな影響を与へた吉田松陰が野山獄で行った孟子の講義録「講孟さっ記」の序には、次の言葉がある。

〝道は則ち高し、美し、約なり、近なり。人徒(ただ)其の高く且つ美しきを見て以て及ぶ可からずと為し、而も其の約にして且つ近、甚だ親しむ可きことを知らざるなり〟

「人が踏み行ふ道は高貴で美しく、同時に分りやすく身近なものであるはずであるが、私達はその高貴さと美しさとを見てとても自分には叶はないと思って、それが身近なもので大いに親しむべきものであることを知らうとしない」と松陰は言ってゐるのだ。
続けて、裕福になると欲望におぼれ、貧乏になれば苦しみもがく。どちらも人としての「まことの道」を見失ってしまひそこから抜け出られなくなってゐると説いてゐる。

 世の中の変化が激しく、便利になればなるほど人としての生きる根本のあり方が見え難(にく)くなるものである。そして世の中がどんなに変って便利に効率的にならうとも、次々に問題が生起して課題が消えてしまふことはない。さうした根本の事実を見つめ直すことが、いよいよ大事になってゐるのではないかと思はれる。

 今年の第63回全国学生青年合宿教室は東日本と西日本の二箇所で開催される(末尾参照)。全国各地からの参加を得て、悠久の昔から培はれてきた「日本の姿」を偲び、国内外の問題にも触れながら、自らの生き方をともに考へていきたいものとと思ってゐる。率直な思ひを互ひに吐露したいものである。

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全国学生青年合宿教室(西日本)
平成30年 8月24日(金)~ 26日(日)
福岡県立社会教育総合センター
http://www.kokubunken.or.jp/camp-west/
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全国学生青年合宿教室(東日本)
~富士の麓で学び合おう 日本の心~
平成30年 9月7日(金)~ 9日(日)
国立中央青少年交流の家(静岡県御殿場市)
メイン講師 江崎 道朗 先生
詳細 http://www.kokubunken.or.jp/camp-east/
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