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◆鈴木亘『経済学者、日本の最貧困地域に挑む。あいりん改革』を読み解く
(あいりん改革、3年8ヵ月の全記録)




※要旨


・私が西成特区構想担当の大阪市特別顧問に就任するきっかけをつくったのは、じつは橋下徹市長ではない。


・当時、大阪府議会議長をつとめていた浅田均参議院議員である。
浅田氏は、大阪府の松井知事とともに大阪維新の会を立ち上げた黒幕の一人。
橋下さんを見出して知事や市長に祭り上げた「ゴッドファーザー」である。


・浅田氏と会って求められたのは維新八策へのアドバイスと政治塾の講師就任要請だった。
私は申し出を受けた。


・その後、本題が終わってすっかり打ち解け、ビールを飲みながらのよもやま話になった。


・その際、どういうわけか、「じつは今度、西成特区構想というものを始めるんですが、、、」と、浅田さんが西成区を話題にした。


・私はそれに対して、次のように応答した。
「いや、じつは私、西成には少しばかり詳しいんですよ。大阪大学の学生時代から釜ヶ崎に通っていて、助教授時代にはこの地域で実際にホームレスや生活保護受給者のフィールド調査をやりました。地域のリーダーたちや有識者たちとは今でも交流があります」


・浅田さんは喜んだ。
「これは驚いた。いい人、みつけちゃったな。
では早速ですが、どんな政策を行うべきか、ご意見を伺わせてもらえませんか」


・わたしの意見を黙って聞いていた浅田さんは、西成特区担当の特別顧問就任を要請してきた。
そして、私は引き受けた。


・要請を受けて考える間、、私の脳裏に走馬灯のように現れた映像は、ほぼ、その後に起きたできごとを的確に捉えたものだったように思う。

労働組合や活動家たちに怒鳴られ、糾弾されるわが身。
ヤクザに脅されているシーン。
役人たちの抵抗にあって途方に暮れている姿。



・もし私が断ったら、どうなるだろうと考えた。
初対面の人間に、西成区長を頼むくらいなのだから、あいりん地域に詳しい人材は、大阪維新にはいないのだろう。
東京から来る政策ブレーンもさすがに、あいりん地域の複雑な事情を理解しているはずもない。


・このまま放っておくと、西成特区構想では、金ぴかでマスコミ受けするかもしれないが、頓珍漢な施策が実行される可能性がある。


・あいりん地域の複雑な事情をよく理解せず、パフォーマンスで下手な手を打たれると、これまでこの地域で築かれてきた独自のセーフティネット、社会資源、秩序を破壊することになる。


・大阪維新と、あいりん地域の人々の間に立って、双方に利するような「落としどころ」を見つけられるのは、じつは私くらいしかいないのではないか。
そう思い、私は引き受けた。




※コメント
凄まじいまでの地域改革をここに見た。
やはり現場に入り、地道に前進させることの大切さを知った。



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