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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)5月5日(土曜日)弐
通巻第5692号
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トランプ大統領の「在韓米軍の規模縮小」指示はどこまで本気か?
韓国には在韓米軍経費全額を要求し、韓国から去っても「日本があるサ」。
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ニューヨークタイムズの推測記事が大きな波紋を巻き起こした。
同紙は5月3日付けで「トランプ大統領はペンタゴンに対して在韓米軍の縮小という選択肢への準備を始めるよう指示した」と報じた。
すぐさまジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官は「そういうシナリオはあり得ない」とニューヨークタイムズの報道を否定した。
すでにトランプが言い出すまでもなく、在韓米軍の規模は1990年代からおよそ三分の一に削減されている。しかも板門店付近からは撤退しており、北朝鮮の火砲の射程に入らない南方へ米軍は兵力を下げている。
そもそも在韓米軍の撤退を言い出したのはカーター政権のときからである。90年代に米軍は韓国に配備していた戦術核を撤去している。
2004年にはラムズフェルト国防長官の判断により、およそ10000名のアメリカ兵を韓国からイラクへ移動させ、イラク戦争に投入したこ。
近年には北朝鮮のミサイル射程内から、太平洋艦隊所属の潜水艦ならびに長距離爆撃機の配備をグアムへと後退させている。
トランプは選挙キャンペーン中に、在韓米軍を撤退させ、日本と韓国が独自に核武装するかもしれないが、それはそれで構わないと発言している。
ことを改めて騒ぐ必要はなく、しかも米朝首脳会談を前にして、金正恩は在韓米軍の「撤退」を前提条件とは言わなくなった。
▲トランプ自身が「在韓米軍の存在は不要」論なのだ
南北朝鮮の画期的な首脳会談を受けて、トランプが金正恩と会うときに在韓米軍の撤退ではなく、規模の縮小はバーゲニングチップになりうるだろうが、それを事前の示唆するのは愚策である。
しかし両国は「朝鮮戦争は終結した」と宣言したわけだから、いずれ28500名の在韓米軍兵士が不要となる。トランプ自身は、かねてから在韓米軍の費用の無駄を指摘してきた人間である。
トランプは在韓米軍が半島の現状維持を固定化し、平和を維持してきた事実を渋々ながら認識してはいるものの、北朝鮮の核武装を阻止できなかったし、周辺諸国を喝してきた効果に対して在韓米軍が無力だった。これらをもって重大な意議を見いだせないとしている。
「われわれは北朝鮮のミサイルの性能向上を、半島に駐在しながら観察してきただけなのか」とトランプはニューヨークタイムズの2016年7月のインタビューで語っているのである。
そうした疑問をトランプはマクマスター補佐官(当時)らとの議論でも常々、口にしていたという。
なかでも平昌五輪直前に米朝間の軍事緊張が高まったとき、トランプは「危険だから在韓米軍を退避させるべきでは?」と問うので、マクマスターは「そんなことをしたら却って北の攻撃チャンスを与える」と取り下げさせたこともあるとニューヨークタイムズの記事は言う。
まとめてみると、 以下のような条件付きの推測記事だったことが分かる。
第一に在韓米軍は抑止力たりえても、北朝鮮の核武装をとめるまでのものではなかった。
第二に2019年までの協定で在韓米軍経費の半分は韓国の負担となっているが、以後は全部の経費を韓国が負担することをトランプは要求している。
第三にいきなりの縮小となるとペンタンゴン上層部は混乱に陥り、米韓同盟を弱体化させてしまう怖れが拡大するばかりか、周辺国とくに日本には強い懸念を生じさせる。
第四に大規模な縮小をペンタゴンは考慮にいれておらず、もし北朝鮮との合意が成立しても急な縮小には到らない
第五にしかしながらトランプ大統領は過去の過度な韓国への関与の効果を疑問視しており、予測できない行動に出る大統領ゆえに、北朝鮮との話し合いいかんでは、急激で大規模な在韓米軍の縮小もまったく考えられないシナリオではない。
したがってマティス国防長官が述べたように、在韓米軍の縮小プランは、将来の選択肢として卓上にあるという意味である。
現段階で交渉の事前条件や前提予測を提示することは、不適切である。
しかし近未来を展望するなら、もし平和条約が締結されれば在韓米軍が半永久的に朝鮮半島に駐屯することも不合理であるというのがトランプの考え方の基底だということである。
▽◎◎み□△◎や◇◎□ざ▽◎○き○□▽
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西部邁 vs 宮崎正弘
『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)
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6月5日発売決定!
詳しくは後日、この欄に告示します。予約募集も近日中に開始します。この本は八年前に出版された『日米安保五十年』を改正した文庫版です。しかしながら時間的空間を超えて、内容は色褪せてはおりません。ご期待下さい!
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1726回】
――「支那人に代わって支那のために考えた・・・」――内藤(27)
内藤湖南『支那論』(文藝春秋 2013年)
▽
「五族共和」を唱えようにも、中華民国政府が漢人中心に進むことになり、「支那の政府というものがますます民主的に傾いて行くと同時に、ますます異種族の統轄力をば失って行くはずである」。
じつは歴史的に実態に則して考えるなら、「過大なる領土をもっておると、その経済力が漸々薄弱になって来るということは明かである」。
では、なぜ清朝は統一を果たし得たのか。それというのも「支那という国は戦乱さえ二、三十年以上も無ければ、その国土が非常に肥沃で、物力が豊富であるがために、財政に余裕を請ずる国である」。つまり「清朝の統一は財力に因」ったというわけだ。であればこそアヘン戦争以降の欧米列強との戦費に過重な賠償金がのしかかり国庫が疲弊したことで、必然的に統一力の弛緩を招いということになる。
かくして「五族共和ということも、事実上ほとんど意味が無」く、「大勢は解体する方に傾いておる」。
中華民国が掲げる「五大民族の共和」という方針は「一時の権道としては大いに面白いやり方であるけれども、結局これは実行の出来ぬ政策である」。
じつは漢人を除く満人、蒙古人、「回々教人」、それにチベット人は「存外に鋭敏な民族であるから、将来支那に頼って国を立てようという考えは、とうてい起り得るとは思われない。これらは皆支那から分離することは、将来の運命として、明らかに分っておることである」。
――ここまで語った内藤は「満洲の特別状態」の一項を立て、日清・日露戦争を経た後の「満洲における支那人」の動向について筆を進めるのであった。
たしかに満州は清朝帝室の根拠地ではあったが、当時すでに満州では満州族は限りなく少数勢力であり、山東省や河北省辺りから多くのクイッパグレ漢人が生存空間を求めて雪崩れ込んだことで、「満洲におる者はほとんど大多数は漢人ばかり」となっていた。
漢人が満州に雪崩れ込む現象を特に「闖関東」と呼んだが、同時期に内蒙古一帯にも雪崩れ込んでいる。2002年前後、当時の共産党政権トップの江澤民は国民に向って「走出去(中国人よ、海外に進出せよ)」の大号令を掛けたが、あの「走出去」を一文字で表せば「闖」ということになろうか。
いまや「闖全球」といったところ。じつに困ったことだ。
改めて指摘するまでもないだろうが、考えると日清・日露戦争前、すでに満州は漢人の土地となっていた。つまり「感情の上からは、支那本国と一緒になるべきもの」だった。だがロシアの満州進出が激しかったことから、日露戦争前には「満洲における支那人は、ほとんど遠からず、ロシアの支配を受けなければならぬものと覚悟をきめておった」。
ところが日露戦争の結果、豈はからんやロシアが負けてしまった。
そのうえで「日本の兵隊の強いこと、また日本人は淡白な人民で、これに服従しても一向差支えないということをあくまでも承知しておる」ことから、「土着の人民というものは日本人に対して何の悪感情ももっておらぬ」のであった。「土着の人民」、つまり在満漢人である。
だが日本の当局者が不用意にも、「日露戦争以後に、かように大勢上外国の勢力に服従しなければならぬものと覚悟をした人物を以て満洲を支配させずに、日清戦争の経験も、日露戦争の経験もないところの支那の南方人、殊に近来『変法自強』などという意味の新教育を以て養成されたところの南方人を多く満洲の官吏として移入して来た」。
彼らは「何でも外国人を排斥さえすれば、国家の独立が維持されるもののように妄想しておる新しい書生輩」であり、じつは「日本に対する感情、政策が、非常に日本に不利であった」。ならば当時の日本要路の中国理解は一知半解以下・・・だったということになるわけだ。
《QED》
▽□◎ひ▽□◎い□▽◎ず□◇◎み▽□◎
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)中国のメディアにあらわれた中国人の実直な日本評ですが、面白いことに日本の魅力やメリットを、日本旅行を通じて、ちゃんと把握しているのです。メディアに頻出する見出しだけをちょっと列挙してみました。
●スキーやスノボするならやっぱり日本! 中国人が日本に来る理由
だから日本に行きたくなるんだ! 中国人から見た日本の魅力の数々」(中国メディア @サーチナ。以下同じ)
●「日本旅行の前は日本嫌いでも「日本好き」になって戻ってくる中国人、一体何があったのか」
中国製が日本製にかなわない理由、ユニクロ1つ見ただけですぐに分かる!
●日本の警察は「中国とあまりに違い過ぎてツッコミたくなる」
拾ったお金を届けるなんて信じがたい! 「日本人はなぜ正直なのか」
●「漢字は中国生まれなのに! なぜ日本では漢字能力検定が人気なの?」
「中国語が国際的になったのは「和製中国語、ひいては日本人のおかげだ」
●「なぜ日本人は成功できたのか? 「それは中国に欠ける要素を持つからだ」「信じられないかもしれないが本当だ! 日本のトイレは食事できるほど清潔」
「日本人が抗日ドラマに「無反応」な理由、「日本人は強者しか崇拝せず、中国を認めていないから」「日本は「中国人の数々の夢」をすでに実現した国だった! 控えめな国だから良く分からないだけ
●日本では人身売買や誘拐などないのに! 中国では「人さらい」が頻発。もっとも、アメリカの闇は弱い子供を狙った卑劣な犯罪多発」(以上はメディア・サーチナ)。//
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トランプ大統領の「在韓米軍の規模縮小」指示はどこまで本気か?
韓国には在韓米軍経費全額を要求し、韓国から去っても「日本があるサ」。
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同紙は5月3日付けで「トランプ大統領はペンタゴンに対して在韓米軍の縮小という選択肢への準備を始めるよう指示した」と報じた。
すぐさまジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官は「そういうシナリオはあり得ない」とニューヨークタイムズの報道を否定した。
すでにトランプが言い出すまでもなく、在韓米軍の規模は1990年代からおよそ三分の一に削減されている。しかも板門店付近からは撤退しており、北朝鮮の火砲の射程に入らない南方へ米軍は兵力を下げている。
そもそも在韓米軍の撤退を言い出したのはカーター政権のときからである。90年代に米軍は韓国に配備していた戦術核を撤去している。
2004年にはラムズフェルト国防長官の判断により、およそ10000名のアメリカ兵を韓国からイラクへ移動させ、イラク戦争に投入したこ。
近年には北朝鮮のミサイル射程内から、太平洋艦隊所属の潜水艦ならびに長距離爆撃機の配備をグアムへと後退させている。
トランプは選挙キャンペーン中に、在韓米軍を撤退させ、日本と韓国が独自に核武装するかもしれないが、それはそれで構わないと発言している。
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そうした疑問をトランプはマクマスター補佐官(当時)らとの議論でも常々、口にしていたという。
なかでも平昌五輪直前に米朝間の軍事緊張が高まったとき、トランプは「危険だから在韓米軍を退避させるべきでは?」と問うので、マクマスターは「そんなことをしたら却って北の攻撃チャンスを与える」と取り下げさせたこともあるとニューヨークタイムズの記事は言う。
まとめてみると、 以下のような条件付きの推測記事だったことが分かる。
第一に在韓米軍は抑止力たりえても、北朝鮮の核武装をとめるまでのものではなかった。
第二に2019年までの協定で在韓米軍経費の半分は韓国の負担となっているが、以後は全部の経費を韓国が負担することをトランプは要求している。
第三にいきなりの縮小となるとペンタンゴン上層部は混乱に陥り、米韓同盟を弱体化させてしまう怖れが拡大するばかりか、周辺国とくに日本には強い懸念を生じさせる。
第四に大規模な縮小をペンタゴンは考慮にいれておらず、もし北朝鮮との合意が成立しても急な縮小には到らない
第五にしかしながらトランプ大統領は過去の過度な韓国への関与の効果を疑問視しており、予測できない行動に出る大統領ゆえに、北朝鮮との話し合いいかんでは、急激で大規模な在韓米軍の縮小もまったく考えられないシナリオではない。
したがってマティス国防長官が述べたように、在韓米軍の縮小プランは、将来の選択肢として卓上にあるという意味である。
現段階で交渉の事前条件や前提予測を提示することは、不適切である。
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――「支那人に代わって支那のために考えた・・・」――内藤(27)
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「五族共和」を唱えようにも、中華民国政府が漢人中心に進むことになり、「支那の政府というものがますます民主的に傾いて行くと同時に、ますます異種族の統轄力をば失って行くはずである」。
じつは歴史的に実態に則して考えるなら、「過大なる領土をもっておると、その経済力が漸々薄弱になって来るということは明かである」。
では、なぜ清朝は統一を果たし得たのか。それというのも「支那という国は戦乱さえ二、三十年以上も無ければ、その国土が非常に肥沃で、物力が豊富であるがために、財政に余裕を請ずる国である」。つまり「清朝の統一は財力に因」ったというわけだ。であればこそアヘン戦争以降の欧米列強との戦費に過重な賠償金がのしかかり国庫が疲弊したことで、必然的に統一力の弛緩を招いということになる。
かくして「五族共和ということも、事実上ほとんど意味が無」く、「大勢は解体する方に傾いておる」。
中華民国が掲げる「五大民族の共和」という方針は「一時の権道としては大いに面白いやり方であるけれども、結局これは実行の出来ぬ政策である」。
じつは漢人を除く満人、蒙古人、「回々教人」、それにチベット人は「存外に鋭敏な民族であるから、将来支那に頼って国を立てようという考えは、とうてい起り得るとは思われない。これらは皆支那から分離することは、将来の運命として、明らかに分っておることである」。
――ここまで語った内藤は「満洲の特別状態」の一項を立て、日清・日露戦争を経た後の「満洲における支那人」の動向について筆を進めるのであった。
たしかに満州は清朝帝室の根拠地ではあったが、当時すでに満州では満州族は限りなく少数勢力であり、山東省や河北省辺りから多くのクイッパグレ漢人が生存空間を求めて雪崩れ込んだことで、「満洲におる者はほとんど大多数は漢人ばかり」となっていた。
漢人が満州に雪崩れ込む現象を特に「闖関東」と呼んだが、同時期に内蒙古一帯にも雪崩れ込んでいる。2002年前後、当時の共産党政権トップの江澤民は国民に向って「走出去(中国人よ、海外に進出せよ)」の大号令を掛けたが、あの「走出去」を一文字で表せば「闖」ということになろうか。
いまや「闖全球」といったところ。じつに困ったことだ。
改めて指摘するまでもないだろうが、考えると日清・日露戦争前、すでに満州は漢人の土地となっていた。つまり「感情の上からは、支那本国と一緒になるべきもの」だった。だがロシアの満州進出が激しかったことから、日露戦争前には「満洲における支那人は、ほとんど遠からず、ロシアの支配を受けなければならぬものと覚悟をきめておった」。
ところが日露戦争の結果、豈はからんやロシアが負けてしまった。
そのうえで「日本の兵隊の強いこと、また日本人は淡白な人民で、これに服従しても一向差支えないということをあくまでも承知しておる」ことから、「土着の人民というものは日本人に対して何の悪感情ももっておらぬ」のであった。「土着の人民」、つまり在満漢人である。
だが日本の当局者が不用意にも、「日露戦争以後に、かように大勢上外国の勢力に服従しなければならぬものと覚悟をした人物を以て満洲を支配させずに、日清戦争の経験も、日露戦争の経験もないところの支那の南方人、殊に近来『変法自強』などという意味の新教育を以て養成されたところの南方人を多く満洲の官吏として移入して来た」。
彼らは「何でも外国人を排斥さえすれば、国家の独立が維持されるもののように妄想しておる新しい書生輩」であり、じつは「日本に対する感情、政策が、非常に日本に不利であった」。ならば当時の日本要路の中国理解は一知半解以下・・・だったということになるわけだ。
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中国製が日本製にかなわない理由、ユニクロ1つ見ただけですぐに分かる!
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●「なぜ日本人は成功できたのか? 「それは中国に欠ける要素を持つからだ」「信じられないかもしれないが本当だ! 日本のトイレは食事できるほど清潔」
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