【RPE】★南北首脳会談、金正恩の戦略は?

RPE Journal==============================================



       ロシア政治経済ジャーナル No.1746


               2018/4/28


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歴史的「南北首脳会談」が行われました。

金正恩は、何を考えているのでしょうか???


詳細は、【本文】で!↓







(●本文へ↓)
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★南北首脳会談、金正恩の戦略は?


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


皆さんご存知のように、4月27日、南北首脳会談が行われました。

全世界が注目する歴史的会談だったといえるでしょう。


「冷麺を持ってきた」

「南北境界線を、両首脳が手をつないで往復した」


などなど、細かいところは皆さん、テレビでご覧になったことと思います。

そこで今回は、金正恩の戦略、今後動きについて考えてみましょう。



▼金正恩の戦略は、祖父、父と同じ



去年一年、核兵器実験とICBM実験を繰り返し、世界を恐怖させていた金正恩。

今年になって一点、「対話路線」「平和路線」に転換しました。

彼は、何を狙っているのでしょうか?


これ、彼の祖父・金日成、父・金正日の成功(?)例を見ればわかります。


1994年6月、北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)からの脱退を宣言しました。

同年10月、アメリカと北は、「枠組み合意」を締結。

内容は、

・北朝鮮は、核開発を凍結する

・北朝鮮は、NPTに復帰する

・アメリカは、北に軽水炉を提供する

・アメリカは、北に毎年食料と50万トンの重油を供与する


でした。

しかし、北朝鮮は、米朝合意後も、着々と核開発をつづけたのです。


2003年1月、北は、再度NPTからの脱退を宣言。

米朝合意は、破棄されました。

同年8月、六か国協議開始。


2005年2月、北「核兵器保有」を宣言。

同年6月、金正日、「北朝鮮には、核兵器を持つ理由がない」と「非核化の意思」を示す。

同年9月、北朝鮮が「核放棄」を約束する、「六か国共同宣言」が採択される。


ところがその後どうなったか、私たちは知っています。

これらの経験から、何がわかるでしょうか?


・北朝鮮の「非核化宣言」には、何の意味もない

・北朝鮮が「非核化宣言」する理由は、「経済支援を受けるため」である。


こう考えると、金正恩の戦略は、規模が大きくなっているものの、金日成、金正日と変わらないことがわかります。

彼の戦略は、


・核実験、ICBM実験によって脅威を高める

・一点、「対話路線」に転し、「非核化宣言」もする

・「非核化」を条件に、「制裁を解除させる」「経済支援を受け取る」


ことだとわかります。

もちろん、「本当に非核化する意志」などないのでしょう。



▼それでも米韓は、「対話」せざるを得ない



では、米韓は、北と対話するべきではないのでしょうか?

これは、「せざるを得ない」のですね。

なぜ?


北朝鮮問題については、


日米韓を中心とする「圧力派」

中ロを中心とする「対話派」


にわかれていました。

中ロは、「前提条件なしの対話」を求め、

日米韓は、「前提条件あり=非核化前提の対話」を求めていた。


そして、金正恩は、「非核化前提の対話に応じる」といった。

彼は、「圧力派」の要求をのんだので、対話するしかないのです。

日本では、「だまされるから対話するな!」という意見が強い。

これまでの経緯をみれば、理解できます。


しかし、「非核化前提の対話に応じろ!」と圧力を強化して、むこうが「わかりました。応じます」ときた。

それで対話に応じないのは、論理的ではありません。


日本の理屈は、論理的でないので、日本は孤立し、蚊帳の外に置かれたのです。



▼北朝鮮問題のこれから



では、北朝鮮問題は、これからどうなるのでしょうか?

各国の思惑を見てみましょう。

この問題に関わっているのは、

日本、アメリカ、韓国、中国、ロシア、北朝鮮

です。


そして6か国すべてが、「朝鮮半島の非核化をのぞむ」としている。

しかし、温度差があります。


日本、アメリカ、韓国は、

「北朝鮮に核攻撃されるかもしれないから」

反対している。

切実です。

しかし韓国は、「金正恩と仲よくすることで戦争を回避すること」を第一に考えている。

だから、「金正恩のいいなり」になる可能性が強い。


トランプは、歴史的「米朝会談」で「核放棄を実現する」決意を示しています。


一方、金正恩は、「核兵器を破棄すれば、フセインやカダフィのように殺される」と確信しているでしょうから、容易に応じないでしょう。

「段階的な非核化」などを主張し、見返りに「制裁緩和」「経済支援」を求めてくると思われます。


日本の今後の役割は、

「非核化が実現するまで、制裁を解除したり、経済支援をしてはいけない」

とアメリカを説得することです。

これに関して二つの注意点は、


・過去にだまされた具体例をあげて、トランプに主張すること

・アメリカに主張を伝えても、大声で国際社会に主張しないこと


この二番目は何でしょうか?

世界中のメディアを見ていると、どこでも今回の「南北会談」

「大歓迎!」なのです。


ですから、日本だけ大声で「だまされるな!」と騒げば、「国際的 KY国」のレッテルを貼られてしまいます。


「日本は、『非核化前提』の対話を歓迎します!」といい、トランプには、「過去のこんな例もありますから、十分気をつけてください」というのです。


中国、ロシアはどう動くのでしょうか?

この二国も、一応北朝鮮の核に反対しています。

しかし、「攻撃される可能性がある」日米韓とは、切実度が全然違います。

中ロは、両国を「合法的核保有国」と認めているNPT体制が崩壊することを恐れている。

北朝鮮がOKとなれば、日本や韓国が核保有国になるのを止めるのが難しくなります。


もう一つは、戦争になって「緩衝国家」北朝鮮が消滅することを恐れている。

「緩衝国家」というのは、両国の主敵アメリカに対する「緩衝国家」という意味です。


というわけで、中ロは、「北朝鮮を守る」ために行動すると予想されます。

具体的には、「北が歩みよってきたのだから、制裁を緩めよう!」という運動を開始する。


日本は、アメリカ経由でこの動きを封じる必要があります。

「トランプさん、また北にだまされて、ピエロになりますか?」
と。

負けず嫌いのトランプさんは、「俺は絶対ピエロにはならない!」ということでしょう。

―――

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