■「加瀬英明のコラム」メールマガジン



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 日本を守る③ 米朝会談決裂なら海上封鎖か


 金正恩委員長は、偉大な祖父と父も手が届かなかった米朝首脳会談が、ほどなく自分の力によって実現することに、自己陶酔に浸っていよう。

 6、7週間以内に、全世界のきらめく脚光を浴びるなかで、トランプ大統領と膝を交えて、向い合うことができるのだ。

 だが同時に、情緒不安定で、政治の初心者であるはずのトランプ大統領を、もし操るのに失敗したら、アメリカから圧倒的な軍事力による攻撃を蒙って、全てを失うことになるのに、戦(おのの)いていよう。

 一方、トランプ大統領にとっても、大きな賭けだ。会談を行っても北朝鮮を非核化する成算がないと判断した場合には、取りやめることにしている。

 トランプ大統領は首脳会談を行って、目論見が大きく外れて会場を去る時に、世界の物笑いにならないように、どのように振る舞えばよいものか、頭を悩ませていよう。“リトル・ロケットマン”と名付けた金委員長に、位負けするわけにゆかない。

 トランプ大統領は米朝首脳会談が物別れに終わって、面子を潰された後に、北朝鮮に対してただ経済制裁による締め付けを強めるだけでは、米朝首脳会談が“笑い草の軽挙”にすぎなかったことになる。

 だが、私はアメリカが北朝鮮に軍事攻撃を加えることは、ありえないと思う。

 トランプ大統領は北朝鮮を攻撃した場合に、韓国、日本が蒙る被害が、あまりにも大きいために、攻撃する勇気を欠いていよう。

 私はアメリカの友人に会うと、「アメリカの国章を白頭鷲から、チキンに替えたほうがよいのではないか」と、からかっている。

 それに、トランプ大統領はオバマ政権にいたるまで、アフガニスタンから中東まで、外征戦争に深入りしたのに終止符を打って、米軍を引き揚げた大統領として、輝やかしいレガシーをのこすことを、夢見ている。

 といって、トランプ大統領は手を拱(こまね)いているわけに、ゆかない。それでは、沽券(こけん)にかかわるから、何か“劇的なこと”を行わなければならない。

 私は米海空軍を使って海上封鎖を実施することを、発表することになると思う。その場合、海空自衛隊が現行の安保法制に従って、後方支援に留まるとしたら、日米同盟関係が崩壊してしまうこととなろう。

 日本の前途に、大きな試練が待っている。