■「加瀬英明のコラム」メールマガジン


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 日本を守る② 正恩は絶対に核兵器を手放さない


 常夏の米フロリダ州にある竜宮城のようなドナルド・トランプ大統領の別荘「マールアラーゴ」で、2日間にわたった日米首脳会談(17、18日)が終わった。

 何といっても、6月初旬までに予定されている、〝世紀のショー〟である米朝首脳会談こそ、最大のテーマだった。

 安倍晋三首相とトランプ氏は、日米両国がかねてから合意してきた、北朝鮮に「核・弾道ミサイルの、完全な検証可能、不可逆的な廃棄を求める」ことを再確認した。さらに、トランプ氏は会談後の共同記者会見で、拉致問題について「最善を尽す」ことを力強く約束した。

 だが、日本が拉致問題について、まったく無力であるのは情けない。

 会談の首尾は、上々だったと思う。2日目は、貿易問題を取り上げた。

 トランプ氏が強面(こわもて)をつくって、日本に譲歩を迫った。日本は重い宿題を背負わされたが、安倍首相はその場をはぐらかして、うまくさばいた。

 両首脳の会談の冒頭で通訳を交えて、55分間、差しで話した。通訳が半分の26分を費やすから、2人が同じ時間話したとすると、13分ずつになる。

 安倍首相はその間に、一筋縄ではいかないトランプ氏と、呼吸を合わせることができた。歴代の首相のなかで、誰よりも外交経験を積んでいるだけでなく、天性の猛獣―いや、外国人使いだ。

 日本にとって刻々と暗雲が募る朝鮮半島危機と比べれば、森友学園をめぐる決裁文書改竄(かいざん)問題や、財務省高官のセクハラ疑惑、県知事の「買春」問題や、貿易問題は小さな問題でしかない。

 もし、朝鮮半島が火を吐けば、日本で数千人、数万人の死者が生じよう。北朝鮮がすでに小型化した核弾頭を完成していれば、日本が再び被爆国となる可能性がある。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、核兵器を手放すことは、絶対にあり得ない。

 仮に、米朝首脳会談が実現して不調に終わるか、北朝鮮が非核化に応じることがないと判断して、首脳会談が行われなかった場合に、トランプ政権が北朝鮮に軍事攻撃を加えることになるのだろうか?

 正恩氏は「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」を「段階的に」ゆっくり時間をかけて進めて、段階ごとに米国、日韓から、ご褒美をせしめようとしているが、米国はその手に乗らない。

 そうなると、これからどうなるだろうか。