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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月26日(木曜日)
通巻第5688号
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(休刊のお知らせ)小誌は明日27日から5月5日まで休刊となります。
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トルコは本気でNATOから脱退するつもりなのか
繰り上げて総選挙に賭けるエルドアン強権政権のゆくえは?
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嘗て中東の覇者だったオスマン・トルコ帝国。トルコの祖先は中央アジアにいた突厥(とっけつ)である。突厥の現地読みはチュルク、つまりトルコ語をはなす民族は現在の中国新彊ウィグル自治区からカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタンを経てアゼルバイジャンの一部からアナトリア半島のトルコへと至り、チュルクの連帯の絆は強い。
独立以後もクーデタが三回、同未遂数知れず、もっとも大がかりなクーデタ未遂は2016年7月15日に起きた。死者数百、関連した軍人、警察、公務員等数万が勾留されて、非常事態宣言が出されている。
現在、トルコは人口が8000万人。中東における親日的国家の代表選手でもあり、民主主義体制、一人あたりのGDPは一万ドルを超えて、豊かになりつつあった。異変が起きたのはシリアの隣国という地理的宿命からだった。
エルドアン大統領はイスラムの風俗習慣を尊重するナショナリスト。それゆえ欧米と対立的であり、地方には人気があるが、都会の中間層、知識人は近代主義に傾きやすいためエルドアンを嫌う人が多い。
とくにアタチュルク以来の政経分離、近代主義に取り憑かれている軍は、イスラムへの回帰を尊重するエルドアンに距離を置いてきた。軍はエルドアン大統領に必ずしも忠誠をちかってはおらず、NATOに協力的である。
エルドアンは全土の大学キャンパスにモスクを建設し、イスラム重視を鮮明にする一方でEU加盟を申請してきた。エルドアンは強権ポーズを示すナショナリズムを鼓吹して国民の支持を不動のものとして、権力の安定化を急ぐ。
このため来年の総選挙を一年も前倒しして、6月24日に投票と決めた。
トルコの政治勢力分布は与党AKPが49%、NHPが11%、野党のCHPが25%、黒戸のHDPが10%で、議席配分では与党AKPが600議席中317議席を占める。
野党は選挙前倒しに一斉に不満の声をあげる。
▲EUにもユーロにも参加できない恨みが反西欧、親ロシアに向かったのか
EU加盟国はイスラムのトルコの加盟を認めず、またユーロには最初から加盟させる意思がなかった。
一部のグローバリズトや、市場関係者は失望したが、逆に通貨トルコ・リラ安のため、どっとトルコに欧州企業が進出し、輸出が劇的に上向き、経済は活性化した。「ユーロに加えてもらえなかった恩恵です」とビジネスマンは諧謔的に言う。
しかし、シリア内戦で、最悪の経済的損出に見舞われたのはトルコである。
第一に年間400万人ものドイツ人観光客がばたりと途絶え、増えたのはロシアからのツアーである。日本人ツアーも治安の関係で激減した。
第二に難民問題の悪影響である。
シリア難民350万人をトルコ領内にかかえ、しかも、その難民の多くがギリシアの沖合の島々への上陸を試みてEU諸国への脱走を図る。シェンゲン協定を重視するEU諸国は対応が多様であり、団結できず、亀裂が加盟国の間に鮮明になったのは、このシリア難民の所為と言える。
トルコは難民の流民化の蛇口を開けたり閉めたりして西欧諸国への政治武器とした。しかし、トルコ経済全体は落ち込み、背に腹は替えられずロシアとの経済関係強化に踏み切った。またシリア戦線では、トルコ空軍も作戦に参加しており、昨今は「ロシアーイランートルコ枢軸」が云々されるに到った。
トルコは元来が反アサドである。したがって親アサドのロシア、イランと枢軸を組むはずがないと考えるのが一般的であろう。
ところが、同時にトルコ国内からシリア、イラク、イランに跨るクルド族の過激武装集団と戦闘を繰り返してきたため、クルド穏健派も、エルドアン与党には与しない。
エルドアン率いる与党AKP(「公正発展党」)は単独過半をしめており、また大統領制度に改編したため、エルドアンの権力が強くなり、あまつさえ野党は三つに分かれており、いまのところ、エルドアンに対抗できる有力候補がいない。
ギュル前首相は与党から分離して野党連合をはかり、エルドアンに挑戦しようとしているが、野党はそれぞれが独自の考えを持つ上、クルド族の政党さえ存在しているため、統一は難しいと見られる。
エルドアンはここが勝機と踏んで一年を繰り上げての選挙にのぞむのだ。
○◎▽み□△◎や◇◎□ざ▽◎○き○□▽
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)24日に都内で西部邁先生の追悼会が開催されたことをネットの情報でしりましたが、どなたが主催され、どのような人たちが集まったのでしょうか。
宮崎先生は西部先生と共著もおありですから当然出席されたと思いますが、事前に分かっていればファンとして出席したかったですし、もし来年の命日前後に1周忌をおやりなら、なんらかの告示方法で、一般ファンも献花できるような機会が欲しいです。
(西部ファン)
(宮崎正弘のコメント)当初、主催はMXテレビだったのですが、担当者が自殺幇助で逮捕されて、いったい誰が事務局なのか、受付を見ると各社寄せ集めの風情でした。
安倍首相も参列という事前情報がありましたが、会場に囲いもなくSPの前乗りもなく、「あ、こないナ」と思っていました。事実、首相は欠席でした。
花輪はMXテレビ、三島由紀夫研究会、桜チャンネルとならんで中曽根康弘元首相からのものもありました。
会は木村三浩氏の献杯で始まり、長女の西部智子さんが挨拶、そのあと富岡幸一郎、田原総一朗、伊吹文明、亀井静香、西田昇司の各氏が追悼挨拶。東谷暁さん(『発言者』初代編集長)が創刊の頃に、よく西部さんと謳ったとして、高倉健の演歌。♪「男の裏道」を謳いました。(「十七、八の、まだ俺ぁガキだった」)
会場には多くの言論人、出版人、テレビ界に混じって左翼人の顔もありました。
厳粛な会というより、騒がしい会という印象。メインは自裁幇助で、いまだに勾留されているふたりの早期釈放嘆願署名でした。
なおご指摘の小生と西部さんとの対談は、六月五日に文庫となって再登場します。まだタイトルが未定なものですから、連休明けに決定次第、この欄でも告示し、同時に予約募集を開始します。
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(読者の声2)今朝(4月25日)、NHKのテレビニュースで日本の近い将来を暗示する動画が流れました。
その動画は宮崎県えびの市の某高等学校入学式の模様でした。
なんと、その日本の学校の入学式に中国国歌を大部分の新入生が起立して斉唱しているではありませんか。服装は日本の伝統的な詰め襟で黒色の学生服です。
最初は中国の学校の入学式かと目を疑いましたが、中国の国歌を斉唱している生徒は中国からの留学生とのことです。
この高校の新入生の90%は中国人であり、日本人は10%(16人)です。 起立して母国の国歌を斉唱している隣の席で、ポツンと日本人生徒16人が着席をしている映像に大きなショックうけました。この高校を卒業した留学生達は日本のトップクラスの大学に入ることを目的にしているようです。
そういえば北海道の苫小牧駒澤大学も中国系の学校になりましたが、これからはこのような現象が多々起きてくることが予想されます。
日本は地方振興策を早急に作成し実のある行動が必要ですが、これも言うは易く行うは難し、ですね。
例えば今回のえびの市においても、人口減少防止策として外国人留学生を受け入れ、その増えた人口に対して地方交付金が支給されますし、人口減少で学生数が満たない学校の経営にも益します。
さてこのような現在の日本の状況を別の面から警鐘を鳴らす講演会がありましたので、その模様を動画YouTubeに「まほろばジャパン」さんがアップされましたので、そのURLを記します。
講演会は、ペマ・ギャルポ先生と上薗益雄氏のお二人で行われました。ペマ・ギャルポ先生は最近、「侵略に気づいていない日本人」という表題のご本を出版されております。
また上薗益雄氏は、若かりし時は日本転覆を考え、実際にその訓練を中国から受けた方であり、人民解放軍の意図することが手に取るようにわかる方です。誤解を招くといけませんが、上薗益雄氏は現在は吉田松陰先生の思想に共感され、転向されております。
ゲスト ― 上薗益雄氏『日本の侵略はここまで進んでいる』日本の危機を見過ごすな!シリーズ ペマ・ギャルポ氏講演
https://www.youtube.com/watch?v=pwuWEupYxIA
質疑応答―日本の危機を見過ごすな! シリーズ ペマ・ギャルポ氏講演(2)ゲスト 上薗益雄氏「日本の侵略はここまで進んでいる」2018/4/22
https://www.youtube.com/watch?v=dxZSVlSwqo0&t=6s
日本の危機シリーズ ペマ・ギャルポ氏講演『中国に祖国を奪われたチベット人が語る 侵略に気づいていない日本人』
https://www.youtube.com/watch?v=1w-hBQfuQc0
【質疑応答】日本の危機シリーズ ペマ・ギャルポ氏講演『中国に祖国を奪われたチベット人が語る 侵略に気づいていない日本人
https://www.youtube.com/watch?v=lzyLN0_n0Zw
(松戸の老人)
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(休刊のお知らせ)小誌は黄金週間の4月27日から5月5日まで休刊となります。
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▼宮崎正弘の新刊 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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<宮崎正弘の書き下ろし単行本>
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『米国衰退、中国膨張。かくも長き日本の不在』(海竜社、1296円)
『AIが文明を衰滅させる ~ガラパゴスで考えた人工知能の未来』(文藝社、1404円)
『習近平の独裁強化で、世界から徹底的に排除され始めた中国』(徳間書店、1080円)
『連鎖地獄―日本を買い占め、世界と衝突し、自滅する中国!』(ビジネス社、1188円)
『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円)
『金正恩の核ミサイル 暴発する北朝鮮に日本は必ず巻き込まれる』(育鵬社、1512円)
『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず滅ぼされる』(徳間書店。1080円)
『日本が全体主義に陥る日 旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)
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<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ>
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宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) //
