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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月25日(水曜日)弐
         通巻第5687号
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(休刊のお知らせ)小誌は黄金週間の4月27日から5月5日まで休刊となります。
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 王岐山、醜聞をフェイクだとして揉み消し、みごとにカムバック
  各国首脳と連続的に会談をこなし、習政権の中枢に返り咲いた
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 王岐山(国家副主席)はしばらく鳴りを潜めていた。スティーブ・バノンがトランプから更迭された直後、香港から秘密裏に北京を訪問した際、王岐山は90分、バノンと会談した。この異例の椿事を米国のメディアが騒いだ。
バノンはその足で米国へ戻り、NYで王岐山の汚職スキャンダルを次々と暴いていた郭文貴と数回会合を持った。この微妙な関係はマッチ&ポンプ(火付けと火消しを同時にやるフィクサー)だったのか。

 王岐山は反撃に出た。
 郭文貴が暴いたとされる機密文書なる証拠は全てフェイクであり、偽造文書、偽造印鑑を郭の指令で作成した男ふたりを逮捕し、あの告発はすべてインチキだったと、これまたもっとインチキ臭い方法で醜聞をすべて公式的に打ち消した。
 実相はどうかと言えば、「海航集団」の怪しげな海外企業買収から土地売買、航空会社乗っ取り、高値売り逃げ、インサイダー取引などの疑惑は一向に晴れていない。

 王岐山はもともと山西省出身だが陝西省で歴史博物館研究員。歴史家の素養があり、習近平政権で政治局常務委員に選出された折も、部下に「これを読め」と言って薦めたのがトクビルだった。また王岐山は日本からも岡田英弘の著作を取り寄せ、蒙古史などを熱心に読んだ。

 王岐山は海南省書記をしていた時代に、海南省人脈を築き、それが海南省のテコ入れ政策となって「海南航空」から発展した海航集団との癒着に結びつくのである。

 さて王岐山はアジア通貨危機にともなう広東のCITIC焦げ付きを強引に処理したころから中央政界で頭角を現し、人民銀行、建設銀行総裁など金融畑で適切な業績を上げた。
 もともと桃依林の女婿で「太子党」でもあり、要職へのジャンプに有利な場所にいた。

 国際的な評判を取ってゴールドマンサックスに食い込み、当時の米国財務長官ヘンリー・ポールソンと二人三脚で人民元の国際化の工程をこなした。ゴールドマンサックスは中国工商銀行の最大株主になるなどして、中国の金融危機を回避させ、さらに人民元がハード・カレンシー入りするには、ドルとの両替枠が必要として米国債権を大量に買った。

 2008年の北京五輪の折は準備遅れを回復するためのリリーフとして臨時に北京市長に任命され辣腕を発揮した。
この頃、つけられた王岐山の渾名は「消防夫」だった。

 そして五輪直後の習近平政権では「反腐敗キャンペーン」の元締めとして、共産党や軍の大幹部を片っ端から逮捕拘束し、裁判にかけ、国民から拍手喝采を受けた。実際には習近平の潜在的ライバルを排除したのである。
習の究極の敵は、恩人であるはずの江沢民と曽慶紅であり、この旧上海派人脈を徹底的に干したのだ。

 このため、失脚させられた元幹部、軍人からは恨まれ、王岐山に対しての暗殺未遂は27回にも及んだという観測もある。


 ▲王岐山はまるで「首相兼外相」ではないか

 中国共産党の規約には一応の年齢制限があるため(王岐山は69歳)、第十九回共産党大会では政治局に残れず、政権を去ったと見られていたが、三月の全人代で国家副主席に指名され、反対一票という希な得票で、支持された。それほどの辣腕が期待されているからだろう。

 国家副主席となって、王岐山が行っているのは事実上の「首相兼外相」である。
 4月23日、王岐山はインド外相と会見した。それまでにもフィリピン外相、シンガポール首相、英国の閣僚、ネパールの外相、そしてベトナムの総書記以下の代表団とも会見し、27日から訪中するモディ印度首相とも会見する。


習・モディが握手する写真の後に印度外相とともに王岐山が控えるか、どうか(本来なら王毅外相が、この場に居るべきだが)。

 驚くべきは3月25日に金正恩が北京に現れたときも、王岐山は李克強首相、王コ寧とともに会見している。いや、そればかりか習近平、李克強が金正恩と握手したあとに、王岐山は、ほかの政治局常務委員の五人を差し置いて、事実上の三番手として、金正恩と握手している。

党内の序列をこれほど如実に示す事象はないだろう。
従来の「国家副主席」は飾り、閑職でしかなく、げんに前の李源潮・国家副主席は、こうした「國際舞台」にお呼びがかからなかった。王岐山は静かに復活していた。

この先、あまりにも辣腕を発揮すると毛沢東vs林彪の関係のように、いずれ対立する図式も予想される。中国の政治は、すぐ先に暗い闇がある。
     ○◎▽み□△◎や◇◎□ざ▽◎○き○□▽
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ポンペオCIA長官の国務長官就任がほぼ決まり、一方でライヤン下院議長は引退。ほかの閣僚人事もまだ揉めていて、ホワイトハウスは史上空前の混乱状態ですが、これでよくトランプ大統領は外交日程をこなしていますねぇ。
 国務次官は六人が空席のままで、アメリカは外交をやれるのでしょうか?
   (II生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)まずポンペオ国務長官ですが、共和党上院でポール議員が反対から賛成にまわったため、承認の見通しがでました。ポンペオはトランプの忠犬ハチ公といわれます。
 ライヤン下院議長ですが、ペンシルバニア補選で、あろうことかトランプが推薦した共和党候補を見限り、民主党候補を支援するという裏切り。彼にしてみれば政治素人のトランプに虚仮にされ続け、政治家が馬鹿馬鹿しくなったのでは?
 ホワイトハウスは、軍人あがりのジョン・ケリーが仕切っていて、徐々に軌道に乗せている印象があります。
なにしろ素人がいきなり集まって、肝腎の共和党が支援しない政権ですから。スタート時点では。ようやく共和党諸派とも関係の円滑化が見られます。
 また国務省ですが、このリベラルの牙城の外交的暴走を阻止するのが、トランプの最初からの狙いであり、まずティラーソンに予算30%削減を実行させました。
空席の六人の国務次官人事は、別に任命しなくても、かの役所は機能している。ですから時間を急がず、国務省内から潜在的敵を追いだしたあと、ポンペオに任せるのではと思います。ポンペオをまず、豪大使を、韓国大使に横滑りさせると言っています。



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(読者の声2)日本の国会議員のレベルの低さ、大阪府議会の議題を国会で一年以上やっていて、朝鮮半島に危機がたかまっているというのに国家緊急事態に対応せず、パワハラとかセクハラとかモリカケとか、イライラして仕方がないです。
 このまま左翼ジャーナリズムと野党の共闘で、安部さんは退陣に追い込まれるのでしょうか? 
   (HI生、茨城)


(宮崎正弘のコメント){Me,too}とかのプラカードを掲げ喪服を着て、にやけた国会議員らの行進。小学校の学芸会かと思いました。
安倍首相は相手をフェイクと攻撃した危機を乗り切り、支持率50%を回復したトランプの荒っぽい手法に学んで、一気に解散にうってでると良いのでは? それ以外はじり貧ですね。
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