■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
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日本を守る① 軍事的役割を果たせなければ、プレーヤーになり得ない
米南部フロリダ州にあるドナルド・トランプ大統領の別荘「マールアラーゴ」に、安倍晋三首相が乗り込んで17、18日(米国時間)、日米首脳会談が行われた。この様子に日本全国が一喜一憂していた。
これまで、日本の新聞やテレビは、安倍首相とトランプ氏との「緊密な関係」を強調してきたが、本当にそうなのだろうか?
トランプ氏は就任1年3カ月目に入ったが、世界のリーダーで安倍首相ほど会った回数が多い首脳はいない。トランプ氏が大統領選で勝利した直後、安倍首相は真っ先にニューヨークのトランプタワーに駆け付けた。首脳会談としては6回目で、20回ほど電話で話し合っている。
だが、昨年11月にトランプ氏が訪日したときを最後に、「2人の『蜜月時代』は終わった」と言わねばならない。
トランプ氏は3月8日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談すると発表して、世界を驚かせた。日本にとって朝鮮半島危機は死活問題であり、日本は米国のアジアにおける最も重要なパートナーだが、日本と事前に協議することはなかった。
3月末、トランプ氏は、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動した。カナダやメキシコ、欧州連合(EU)、韓国などは輸入制限の対象外となったが、日本は適用対象となった。
トランプ氏が昨年まで、安倍首相を〝師〟のように扱ったのは、自分が「外交のシロウト」であり、ベテランの安倍首相から学ぶことが多かったからだった。
もちろん、トランプ氏は今回の首脳会談で、安倍首相夫妻を歓待した。だが、米国にとって、日本がアジアにおいて唯一信頼でき、言うことを聞かせることができる大国であるからだ。
日本は、6月初旬までに行われる米朝首脳会談で「蚊帳の外」に置かれているが、自業自得だ。米国の保護にただ依存して、軍事的役割を一切果たせないから、プレーヤーになり得ない。
安倍首相は、日本人拉致問題について、トランプ氏に協力を懇願した。日本がもし、GDP(国内総生産)で半分程度しかない英国かフランス並みの軍備を整備していたら、北朝鮮にむざむざ国民を拉致されることはなかった。つまり拉致被害者は、日本国憲法の被害者なのだ。
日本全国が日米首脳会談に一喜一憂するのは情けない。〝平和憲法〟によって、米国に甘えて、国家の独立を依存しているからだ。


