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★小誌通巻5600号記念特大号
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)1月30日(火曜日)
通巻第5600号 特大号
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王岐山、湖南省で「潜水艦」的浮上
全人代湖南省代表選挙第二位、三月の全人代で「国家副主席」へ
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1月29日に開催された湖南省全人代において、王岐山(前政治局常務委員)が高得票で選出され(博訊新聞は第二位と報道)、中国のメディアが特大で報じた。
王岐山は「ミスター消防夫」という渾名が示すように、危機管理に卓越したリーダーシップを発揮する。
SARS騒ぎの時は北京市長のリリーフに送り込まれ、動揺を防いだ。
習近平政権の発足とともに、反腐敗キャンペーンのトップとして、「虎も蠅も」をスローガンに軍トップから大物政治家まで、大幹部だけでも数百名を取り調べて失脚させ、その辣腕は国民から拍手喝采、軍からは恨み骨髄、党幹部からは煙たい存在というより恐怖と尊敬が掻き混ざった雰囲気の中で迎えられた。
三月の全人代では国家機構の役職人事があり、国家主席は習近平、国務院総理は李克強は動かないが、注目をあつめてきたのは「国家副主席」のポストだった。
第十九回中国共産党大会では定年制に従い、王岐山(69歳)の引退は決まった。王は政界から引退するとされた。直後から王岐山の親戚筋が深いコネクションがあるとされた海航集団の経営が躓きはじめ、この事象が同時並行したため、王岐山が返り咲くのは難しいのではないかと北京の情報筋が囁き合った。
湖南省の全人代で王岐山の潜水艦的浮上があったため、やはり定年に拘らない国家機構人事では、王岐山が国家副主席に選ばれる道筋が示されたことになる。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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不都合な真実を伝えず、偏った事実を選別し印象操作に加担
彼らは「考えることが嫌い」か、その能力がない左翼が「リベラル」を名乗っている
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岩田温『「リベラル」という病』(彩図社)
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副題が「奇怪すぎる日本型反知性主義」とある。
保守論壇の若き旗手、岩田温氏の新作は「リベラル」を名乗る(左翼の仮面だが)、おかしな人々を俎上にのせて、知的に大胆に、しかし冷静に斬ってのける。その刀裁きが新鮮なのだ。
反知性主義とは指摘する必要もなく、インテリジェンスがないか、イデオロギーに凝り固まって視野狭窄に陥った思考能力の低い人々をさす。
日本では本来のリベラルとは異なった「リベラル」を名乗る人に、反知性主義があてはまる。この点ではアメリカにおける反知性主義とは異なる(詳しくは評者の『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』、海竜社を参照)。
アメリカの保守系の人々の集まりに行くと「リベラル」というのは左翼という意味でしかなく、アメリカの左翼は、そう呼ばれることを嫌って「進歩主義者」と自称する。
岩田氏はこう言う。
「全く現実を無視したような奇怪な言説を展開する人々がリベラルを自称することに強い憤りを感じている」。彼らには「顕著な特徴がある。それは現実を見つめようとはせず、愚かな観念論に固執することだ」。
かれらは冷静な議論を避ける特徴がある。そのうえ、「自分たちの虚構、妄想の世界を否定するような冷静で論理的な批判に対して、正面から返答することができないから、『リベラル』は大袈裟な表現で国民を脅す」のである。
平和憲法を改正すれば戦争になるとか、第九条を替えると徴兵制になるとか、こうなるとアジテーションいがいの何物でもない。
東京新聞、朝日新聞などの奇怪な論調を批判するに次いで、ブンカジン批判に転じて、岩田氏は加藤典洋、内田樹、白井聡ら『ガラパゴス左翼』を徹底的に批判している。あいにく評者(宮崎)は、この三人の著作を読んだことがない。読むに値しないだろうし、時間がもったいないですから。
その「ガラパゴス左翼」の典型が池上彰であるという。
この名前、記憶がある。子供がまだ小さかった頃、「こどもニュースの司会者」だったはずだ。
その池上氏が、つねに中立を装いつつ、よくよく行間も吟味してみると、氏は明らかに左翼である。真実に言及しないのは、「不勉強であるがゆえ」か、それとも「不誠実であるがゆえに言及がないのか」。
池上氏が一見して国際情勢を深いような分析をして「情報通」などと左翼メディアから褒められても、本当の知識人は池上氏の「本性」を見抜いている。
かれは「偏った本ばかり読んでしまった」がゆえに知性にかける言説を吐き続けるわけである。
「要するに、池上氏は虚偽を伝えることはしないが、きわめて巧妙に多数事実の中から、自分にとって都合の良い事実を選別し、視聴者への印象操作を行って」いるのだ。つまり、池上は「視聴者を知らず知らずのうちに左へと牽引するガイド」というのが正体である、と筆法鋭く偽ブンガジンの正体を暴く。
まことに威勢の良い、文章も若い書物である。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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東京五輪はテロ対策の「締め切り日」でもある
日本のセキュリティ・システムはテロリストに万全ではない
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吉川圭一『2020年東京オリンピック・パラリンピックはテロ対策のレガシーになるか?』(近代消防社)
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本書はまず東京五輪に備えて警備に携わる五人の専門家にインタビューし、テロ対策の問題点を指摘しつつ、改善策を提言している。この本は「日本はテロを阻止できるか」シリーズの第二弾として編まれた。
ところでテロ対策に関しての「先進国」は米国、イスラエルだが、中国のテロ対策も凄いのである。全土に張り巡らされた「防犯カメラ」は精度が劇的に向上しており、顔面識別が進んでいる。日本の防犯カメラは精度が劣るものが多く、またプライバシーを楯に操作に協力するか、しないかのレベルで揉めている。
技術的には日本は先進国であり、システム化しようと思えばいつでも可能だが、法律という壁、つまり国会審議における野党の妨害が待ちかまえている。
日本の或るハイテク企業は「表情や歩き方を見るだけで、その人の精神状態を察知し、テロリストを事前に見分けられる監視カメラも開発している」(166p)。
ビッグデータの使用も考慮に入れるべきだが、まさに日本ほどプライバシーに五月蝿い国はなく、盗聴、防諜が法律的にできない。したがってテロリスト対策は後手後手になる。これで本当に東京五輪の安全は大丈夫なのか?
最近のテロリスストはネット上で速成に養成され、ほかのテロ事件に触発されて突発的に行動にでるというローンウルフ(一匹狼)型が目立つ。
この潜在テロリストの発見には、じつはハッカーとネットの監視が絶対に必要である。
日本の組織的な矛盾も著者は指摘している。
日本ではオウム真理教の化学兵器テロがあった。すなわち「テロリストによって散布された毒ガスの種類を、判別できるようなセンサーが張り巡らされていれば、それは消防の救助活動等を非常に円滑にするだろう。しかし消防と警察は、人命救助と犯人逮捕という別の目的をもった組織である。そのため世界中の国々で、この二つの組織同士の協力には、困難な場合が多い。911事件の時も、この二つの組織の協力関係が不十分であったために、被害が拡大した経緯もある」(167p)
テロ対策本部の編成替えの必要性など、重要な提言が続いている。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)今晩(1月30日)、午後八時からの一時間番組「フロント・ジャパン」に宮崎正弘さんが登場します。ホストは福島香織さんです。テーマはその日の国際情勢により変動するため未定です。ご期待下さい。(日本文化チャンネル桜)
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(読者の声2)中国高速鉄道の列車火災、見事な燃えっぷり。燃えたのはドイツのジーメンスの車両をベースにしたものですが、どうすればこれほど燃えるのか、営利優先で安全対策は二の次、車両も部品も検査も手抜きだらけなのでしょう。
燃えた車両の窓の上に「景芝・景陽春」の文字が見えますが、これは山東銘酒(高粱酒・白酒)の広告です。
http://www.recordchina.co.jp/b562604-s0-c30.html
列車は山東省青島から浙江省杭州へ向かう途中の定遠駅で出火。定遠といえば清国北洋艦隊の旗艦として日本へ示威訪問中に水兵が暴れた長崎事件があります。
その後の日清戦争では日本が返り討ちにしましたが、安徽省定遠県は李克強首相の出身地、定遠駅は中国鉄道部部長だった劉志軍が李克強へのゴマすりで作ったのだとか。2月16日の春節を前に中国の将来を暗示するような事故でした。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)劉志軍(前鉄道部長)は2011年に汚職で逮捕、失脚し、死刑判決(その後、減刑され無期懲役)、たしかに胡錦涛政権下ですから、李克強と繋がったという見方も出来ますが、劉はそもそも江沢民派でしたし、鉄道利権は軍部がおさえていました(いまも軍の利権の巣窟です)。
安徽省はまた胡錦涛の出身地でもあります。
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(読者の声3)恒例「とびっきりの講演会」のお知らせです
記
とき 2月26日(月)PM6:00
ところ 神奈川県民サポートセンター3F 304号会議室
(JR横浜駅西口徒歩3分ヨドバシカメラ裏手)
演題 「2020年問題とわが国の三大危機」
講師 衆議院議員・元国務大臣 村上誠一郎
定員 先着90名(要予約)
問い合わせ先 045-263-0055
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(読者の声4)先日の拙文では日本の再興のためにヘーゲルの復権の必要性を説きましたが、中途半端なまま終わってしまい、肝心なところが説けていませんでしたので、その補足をさせてください。
まず、ヘーゲルの国家論に関する文章を見てください。
「国家が市民社会と混同されて、国家の規定が所有および人格的自由の保全と保護にあるとされるならば、個人そのものの利害が諸個人を統合させられる究極目的となり、これによりまた、国家の成員であることは任意のことがらとなる。」(「法の哲学」より)
これはまさに今の世界の国家観の常識に他なりません。
だから、簡単に国を捨て移民になる人が後を絶たないのです。また、ヘーゲルは国家は民族国家であるべきだと言っていますが、欧米列強の植民地支配は、まさにその民族国家をぶち壊すように、他民族を移住させていがみ合わ//
