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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官でもあります。
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【10月21日配信】桜林美佐の国防ニュース最前線
「北朝鮮のミサイルはミサイル防衛システムで撃ち落とすことができるのか?防衛予算概算要求について」
市川文一元陸自武器学校長・陸将補
https://youtu.be/jESYh1lIeSE
こんにちは、エンリケです。
この連載は分かりやすくて面白い内容でしたので、楽しみにしていた方も多かったのではないでしょうか?
思うこと感じることがあれば、遠慮なく市川さんにお知らせください。
⇒ http://okigunnji.com/url/169/
貴重な内容の連載をご提供いただいた市川さんに心よりの感謝を申し上げます。
ではさっそくどうぞ。
エンリケ
きょうのもくじは以下のとおり。
□はじめに
▼日本の防衛力整備の方向性を考察、提言
▼北朝鮮の核・ミサイルへの対応
▼中国の海洋進出への対応
▼将来の日本周辺の安全保障環境を見据えての防衛力整備
お読みになっての感想や市川さんへの疑問・質問やご意見は、いつでもお寄せください。
⇒ http://okigunnji.com/url/169/
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驚くほどよくわかる防衛論(14)
市川文一(元武器学校長・陸将補)
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□はじめに
今回で「驚くほどよくわかる防衛論」の連載も最終回となります。
最後まで、お付き合い頂いた読者の皆さん、ありがとうございました。1回目から今回までの14回の連載を通じ、何かご質問、ご意見がありましたら、次回、まとめて回答したいと思います。どしどし、お寄せください。
合わせまして、各種お知らせもありますので、お見逃しのないよ
うお願いします。また、近いうちに「桜林美佐の国防ニュース最前線」にも出演する予定ですので、事前予告が可能でしたら、次回お知らせします。
前回は、日本における集団的自衛権の問題を分析し、最後に本連載の総括をしました。最終回の今回は、今までの分析等を踏まえ、日本の防衛力整備についての提言をします。
▼日本の防衛力整備の方向性を考察、提言
最後に、ここまでの分析を元に、日本の防衛力整備の方向性を考察してみたいと思います。これまでのスタンスどおり、戦力に焦点を置き、意思の分野である法整備や制度改革等は考察の対象としません。
まず、最初に押さえて置くべきは日本周辺の安全保障環境です。
日本の防衛費のランキングや「Global Firepower」の軍事力ランキングは世界の中で上位にありますが、これは、日本の防衛力が十分であることを意味しません。徴兵制による国防費の節減を考慮すると、日本の周辺国は、日本と同等以上の軍事力を持つ国ばかりだということをよく認識する必要があります。
しかも、ロシアとは領土問題、中国とは領土問題と歴史問題、北朝鮮とは拉致問題、同じアメリカの同盟国である韓国についても領土問題と歴史問題があり、それぞれの国とは友好国とは言い難い状態です。台湾は親日国ではありますが、国交はなく尖閣諸島との領有権を主張しています。
このような環境下で、日本の地理的条件、アメリカとの同盟、大国同士の牽制等によって、なんとか日本の安全が保たれてきたと考えられます。中国の戦力増強や北朝鮮の核・ミサイル開発が継続され、ロシアの経済状況が好転し往年の軍事力を取り戻せば、日本周辺の戦力バランスは大きく崩れます。加えて、韓国と北朝鮮の関係や中国と台湾の関係がどのようになるのかも、日本の安全保障に大きく影響します。
そして、当面の問題として、北朝鮮の核・ミサイル開発問題と中国の海洋進出問題があります。これら現在の問題に対応するとともに、10年、20年後の将来を見据えて防衛力を整備していかなければなりません。
▼北朝鮮の核・ミサイルへの対応
最初に、当面の問題で、近年とくに話題となっている北朝鮮問題から考察します。北朝鮮の核・ミサイルは当面、日本にとっての最も重大な脅威であることは間違いありません。ただし、アメリカの核の傘による抑止効果と北朝鮮が核を使用する条件を分析することなく防衛力整備に結びつけると、結果的に防衛費の無駄使いになってしまいます。
よくある意見は、北朝鮮が核やミサイルを保有していること自体が危険であり、何度もミサイル発射を繰り返しているから、しっかり対応すべきだというものです。しかし、ロシアや中国も核やミサイルを多数保有しています。ロシアや中国が北朝鮮と比べてどれだけ危険でないといえるのでしょうか。同じように危険であれば、ロシアや中国のミサイルにも対応しなければなりませんが、経費的にもそれは不可能です。
北朝鮮の核戦力に関しては、アメリカの核の傘が有効に機能していることは間違いありません。金正恩が異常な独裁者だったとしても、自分の地位と命が奪われる選択はしないはずです。北朝鮮が威嚇や恫喝で核の先制攻撃をいくら叫ぼうと、これを実行することはほぼ100%ありません。アメリカからの核の報復攻撃で、北朝鮮は消滅するからです。北朝鮮の核は、アメリカの軍事力行使を防ぐための抑止力です。先に使用したのでは意味がありません。
北朝鮮の核戦力が現実的な脅威となるのは、すでに説明したとおりアメリカが北朝鮮に対して軍事力行使を決意したときです。これにより、金正恩の独裁体制が崩壊するとなれば、北朝鮮は核兵器の使用も辞さないでしょう。この時に備えて日本がミサイル防衛システムを整備するとしたら、どの程度の経費が必要になるでしょうか?
核弾頭こそ10発程度といわれていますが、日本を射程圏内とするミサイルは数百発といわれています。どのミサイルに核が搭載されているのかわからない以上、すべてを打ち落とさなければなりません。
アメリカがステルス機等を使った先制・奇襲攻撃により、核やミサイルをどれだけ破壊できるかが鍵となりますが、ミサイル発射前にすべてを破壊するのは、極めて難しい作戦になります。特に、アメリカの作戦を事前に察知して、その前に北朝鮮が核・ミサイルを発射する場合は、多くのミサイルが日本に向け飛んでくることになります。
仮に10発の核弾頭、100発のミサイルが、日本に向け発射された場合を想定して試算します。(最善はアメリカがすべて破壊で0発、最悪はアメリカの作戦前に発射で数百発の中間)イージス艦搭載型ミサイル(SM3)の命中率は90%程度といわれています。これを100発で迎撃すると、打ち漏らした北朝鮮のミサイルは10発が日本に届き、そのうち核弾頭が1発含まれます。これでは、日本の安全は確保できません。
命中率を上げるには、北朝鮮のミサイル1発に対し、SM3を2発、合計200発で迎撃しなければなりません。これで99%の命中率になります。しかし、まだ、打ち漏らしたミサイルが1発届き、それが核弾頭である確率は1/10です。
さらに、ミサイル1発に対しSM3を3発、合計300発で迎撃すると命中率は99.9%になります。ミサイル1発が1/10の確率で届き、それが核弾頭である確率が1/100になります。つまり、確実にミサイル防衛するには300発が必要となります。この場合でも1/100の確率で核攻撃を受ける恐怖に耐える必要があります。
ミサイルの値段は30億円以上といわれていますから、300発取得すると約1兆円必要になります。日本の防衛費が約5兆円ですから、これにかかる経費を考えると、とても現実的ではありません。しかも、300発を短期間で撃つとなるとミサイルを発射するシステムも不足するため、さらに数千億~1兆円の経費が必要になります。
ミサイルの命中率も、その時々の条件によって変わりますから、90%は最良の条件と考えるべきです。命中率を低く想定すれば、取得する数も多くなります。アメリカの先制攻撃で残存する核弾頭とミサイル数、それを迎撃するミサイルの命中精度が把握できないと、確実にミサイル防衛するための必要数がわかりません。
核戦力を保有する北朝鮮に対する軍事力行使は、慎重にも慎重を期す必要があります。北朝鮮の核兵器を100%破壊できる確証が得られない限り、軍事力行使はするべきではありません。核攻撃を受ける可能性のある日本としては、これに対し、断固反対すべきです。アメリカの軍事力行使がなければ、北朝鮮から日本に対する核攻撃はありません。
以上の考察から、ミサイル防衛のための防衛費は、万が一の偶発的不測の事態に備えるのを前提として必要最小限にすべきです。
つまり、国民の安心のための必要数です。中途半端な量を整備しても、最悪の事態には対処できません。無駄な経費をつぎ込むことになります。
ミサイル防衛に使用する経費は、国民の安心のためのものです。
安全と安心を混同してはなりません。この経費を、日本の安全を確保するためにギリギリの金額しかない現在の防衛費から捻出することは、日本の安全をどこかの分野で犠牲にすることにつながります。補正予算等、現行の防衛予算とは別枠で予算編成し、維持管理も別枠扱いにすべきです。
▼中国の海洋進出への対応
次に、当面のもう一方の問題である中国の海洋進出です。中国の海洋進出の目標が南シナ海の次が東シナ海であることは、ほぼ確実です。しかも、アメリカの抑止力が有効に働かない危険性もありま…
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