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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)1月24日(水曜日)
        通巻第5592号
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「AIをマスターした者が誰であれ、世界の支配者になる」(プーチン)
  中国共産党御用達、「中国のグーグル」と言われる「百度」のロビン・リー
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 ロビン・リーはクリスチャンネーム。なぜ中華世界の若者が、こういう英語名が好きなのか、ともかくリーは世界的な著名人である。本名は李彦宏。49歳。
 アリババのジャック・馬(馬雲)。テンセントのポニー馬(馬化騰)と並んで中国IT業界の三羽烏。中国人の若者があこがれる大金持ち。三人のいずれもが貧困の零細企業を立ち上げネット革命の波に乗って瞬く間にチャイナドリームを実現した。

 なかでも注目がロビン・リーこと李彦宏である。山西省陽泉出身で北京大学へ首席合格。ニューヨーク州立大学へ留学し、むろん英語は流暢だが、米国ではウォールストリードジャーナルのソフトエンジニアとして働いた。 
 アメリカ人の同僚は「ところで中国にはコンピュータはあるのかい?」と聞いた。

 2000年、北京へ帰国して創業。グーグルの中国版を創設し、あたりに当たって、「百度」は2017年度経常利益が170億ドル。李個人の資産は130億ドルとも言われる。株価を時価総額で換算しているから、毎年中国の長者番付は入れ替わるが、ジャック馬、ポニー馬と並んで、ロビン李の三傑はつねにトップファイヴにいる。

 さて問題はかれらの狙いである。
 中国共産党が狙うのはビッグデータで国民を監視し、ネットによる支配だ。つまり中国共産党がビッグブラザー、そのためにIT革命の成功者をくわえ込み、共産党に協力させ、つぎにAI革命を先行させて、世界の覇権を握る野心を燃やす。

 まさにプーチンが言ったように「AIをマスターした者が誰である、世界の支配者になる」のである。

 すでにソフトの暗号公開を義務づけられ、データの提供が求められ、グーグルなどは中国市場を去った。中国の強引な遣り方に欧米勢はいきり立ったのだ。

 百度は経常利益の2・3%をR&D(研究開発)に注ぎ込んで次世代のAI開発に余念がない。すでに自動運転自動車の試作品は公開している。


 ▼買い物の記録も、検索履歴もすべてがビッグブラザーという支配者に握られた

 アリババで買い物をすれば、忽ちにして個人情報は管理される。ビットコインもすべて記録される。百度の検索エンジンを利用すれば、その検索の傾向、系列など個人データは記録され、権力に掌握される。
顔面記憶データは、中国全土どこにでも張り巡らされた監視カメラによって、手配された被疑者は、およそ六、七分で拘束されるシステムがすでに完成した(これはBBCの貴社が実際に試して分かった)。

 失敗したと見られたバイクシェア、自転車シェアという「ウーバー」類型のビジネスも競合段階をすぎて淘汰が進んだ。

数社が倒産した段階で、「いまさら何を?」と業界が首を傾げるのだが、ひょっこりと新参社が現れた。つまり中国共産党系の企業がデータを蓄積するために、倒産企業買収などで一気に市場を制圧しようと目論んでいるのである。

 こうした観点から中国のAI開発、ビッグデータの開発をみておく必要があり、日本の財界や経済界のようなAI未来楽観論は、平和ぼけの最たるものということである。

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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1693回】  
――「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ
  田中克彦『言語学者が語る漢字文明論』(講談社学術文庫 2017年)

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 漢族社会の周辺に在って「漢字を拒否して独自の文字を発明した民族は」、「漢字のおそろしい力、漢字を使ったら最後、自らの言語が?み込まれ、失われてしまうかもしれないということを直感的に知って」いた。
そこで独自の「突厥文字、契丹文字、女真文字、西夏文字など」を生みだした。だがジワリジワリと浸透する「漢字のおそろしい力」によって、突厥、契丹、女真、西夏などの民族は「その後姿を消してしまい、おそらくかなりの部分が、漢族の中に吸収されてしまったのであろう」。

じつは「漢字を使ったら最後、徹底的な訓読みを維持しつづけでもしないかぎり、自らの言語は消えてしまい」、やがては「民族の消失につながる」と、著者は主張する。誠に言葉は文化――《生き方》《生きる形》だ。

 ならば漢字を放棄した朝鮮半島におけるハングルは、鴨緑江の対岸からの覇権圧力を防ぐための防波堤とも考えられる。
西方の大陸に対してはハングルが、東方の日本そして太平洋を越えたアメリカに向っては核爆弾とICBMが防衛上の最終兵器ということか。韓国においても“北へ倣え”に違いない――ならば朝鮮半島から漢字を一掃した人物の“先見性”は称賛されてしかるべきだろう。だが、反面では儒教文化を骨絡みに受け入れ現在でも励行しているわけだから、喩えようもなく間の抜けた夜郎自大的民族と言っておきたい。

  著者は「古今の教養に通じ、経験深い政治指導者は、片時も言語問題の重さを忘れてはいない」と記し、その一例として?小平の発言を紹介する。

「一九七四年のことだと言われる。日本の訪問団が中国を訪れた際、一行の代表西園寺公一氏が、中国側に、かつて日本が中国に加えた蛮行をわびたところ、?小平氏は、「中国もまた日本に迷惑をかけた。一つは『孔孟の道』を伝えたことであり、二つ目は『漢字の幣』を与えたことだ」と応じたという」。
ここに記された「幣」は「弊」の誤植だろう。「漢字という障害物」を糾弾する前に、やはり誤用・誤植はイケマセン。訂正願う。

 西園寺を筆頭とする訪問団の面々は、この?小平の発言を外交辞令と聞き流してしまったかもしれない。だが歴史を顧みるなら日本人を眩惑し、日本人をして中国と中国人に対する過度の拝跪・重視、その裏返しの侮蔑・軽視――共に見当違い――という心情を抱かしめた主因は、?小平が詫びるまでもなく「孔孟の道」と「漢字の弊」だったと確信する。

 その辺りの事情は川田鐵彌が『支那風韻記』(大倉書房 大正元年)で、「論語の眞髓は、全く日本に傳はつて、支那には、其の實が洵に乏しい」。「書物など讀むにも、用心して之を見ないと」「支那人の書いた書物に、讀まれて仕舞ふようになる」。
「元來正直な日本人など」が「日本化された漢學で、直に支那を早合點」してしまう。「四書を始めとして、何れの書も、意味をアベコベにとると、支那人の性情が、自ら分る」と説いている通りである。

 どうやら表意文字である漢字――言葉が本来的に持つオトという最重要の働きを抜きにしてイミのみが容易に伝わってしまう――が玄界灘を越えてもたらされたことで『論語』『孟子』『中庸』などが日本に持ち込まれ、やがて「日本化された漢學」が生まれ、それによって「直に支那を早合點」してしまい修正されないままに現在に立ち至っているようだ。

 また著者は「漢字は日本人のあたまから聴覚映像を消し去ってしまった」という罪深い文字でもあるとも説く。オトを伴わないから、頭の中に像を描けないのだ。

 著者の考えに賛意を表しつつ、半世紀余の中国語との付き合いから2,3の感想を示してみると、だから、自己省察には著しく不?弁解とヘリクツには最適であるゆえに、政治的言語として絶対的。?大袈裟な表現が多用されるゆえに、大言壮語が日常的。?脳内に聴覚映像を結ぶことが困難であるゆえに、瑞々しく細やかな感情の表現は絶望的。向き。やはり日本語は日本の根幹であり、日本人の大本・・・言葉は社稷である。
《QED》


(宮崎正弘のコメント)、ここにある「弁解とヘリクツには最適であるゆえに、政治的言語として絶対的。大袈裟な表現が多用されるゆえに、大言壮語が日常的。脳内に聴覚映像を結ぶことが困難であるゆえに、瑞々しく細やかな感情の表現は絶望的」という箇所は、まさに如実に中国語の特質ですね。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎さんの新刊『習近平の独裁強化で、世界から徹底的に排除され始めた中国』(徳間書店)を、ようやく拝読しました。雪で外出がままならず、ツンドクだった貴著を手にして、読み始めたら止まらなくなって昼飯をわすれてしまうほどでした。
 目から鱗とは、よく言ったものですが、テレビと新聞でしか知らなかった表層の中国と、真実の中国とが、これほど報道との乖離、落差、あまりにも現実を知ることも怖いものと思いました。
 つまり現代日本人の大半が抱いている中国像というのは幻像であるのですね。
    (HI生、茨城)



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(読者の声2)多摩川での西部氏の自決報道で知りました。
「このままでは近い将来、日本は重大な困難に直面することは避けられないだろう。でも慌てるな、落ち着いて立ち向かえ」。
三島由紀夫がなぜ決起したか、なぜ西部氏が入水自決したのか・・多摩川の冷たい川面に身を沈めたのか。
国家存亡の危機に際し身を挺して国難に対処せよとお言葉肝に銘じました。皇太子殿下の即位は国難に対しすべての国民は立ち向かえとの神意と賜りました。日本人拉致被害者の救出・朝鮮戦争・上海事変・日清戦争・関東大震災。皆様、よろこんで靖国神社で会いましょう。
  (新撰組 つけめんだいおう)



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(読者の声3)西部邁先生の自死。ショックでした。チャンネル桜の討論番組ではいつも右手に手袋をはめてらして、皮膚病だとおっしゃっていましたが、神経痛など病も苦痛だったと想像します。
保守長老の西尾幹二先生は西部先生の自死をどのようにお受け取りになったか興味あります。貴重な情報源であるチャンネル桜のインタビュー番組でお見受けする限りですが、西尾先生もかなりお痩せになられました。西部先生の分も長生きされて、我々、素人を教育していただきたいと思っています。
宮崎先生はまだまだお若くお元気ですが、いつまでも元気でいてください。いつか宮崎先生の講演会など生にお会いできてお話をお聞きできたらと願っております。
   (R生、ハノイ)


(宮崎正弘のコメント)はじめて「若い」と言われました。有り難う御座います。最近は「暴言老人」と言われることが多いですから。
さて西尾先生より年上の「保守長老」には、日下公人、田久保忠衛、小堀桂一郎の各氏、まだまだご健在、加瀬英明さんも81歳と、まだ「お若い」です。女性軍も曾野綾子、金美齢のお二人が元気一杯です。



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(読者の声4)西部先生の自裁についてやまと新聞に書きました、よろしければご一読ください、
https://www.yamatopress.com/social-issues/28879/
(三浦小太郎)//