From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2017/12/21




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「新」経世済民新聞
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「才能を潰すのが得意な日本」
From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授


以前このメルマガに、「日本からはもうノーベル賞受賞者は出ない?」という稿を寄せました。
https://38news.jp/economy/11171

ノーベル賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥さんが「ご支援のお願い」として寄付を募っているのです。
そのなかで山中さんは、「弊所の教職員は9割以上が非正規雇用」と書いていました。
研究所の財源のほとんどが期限付きだからです。
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/fund/

10年、20年という長期間を要する基礎研究に、政府や大学は十分な資金を与えず、しかも短期間に成果を出す研究のみを優遇する方向にシフトしています。

非正規雇用では給料が不十分なだけではなく、安心して研究に打ち込めません。
それで、若い優秀な人たちが基礎研究を諦めてしまう傾向が増大しています。

12月13日18時ごろのNHKラジオ番組に、一昨年、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんが出演していました。
梶田さんは、ニュートリノが質量を持つことを示す「ニュートリノ振動」の発見という偉大な業績を成し遂げた方です。

この番組で、梶田さんは、自分が若い頃は、カミオカンデなどの巨大な装置による実験を長いこと繰り返し、結果を理論にまとめ上げることが可能だったが、今では、基礎研究に取り組もうと思っても、期限付きの研究費しか得られないので、若い人たちが自分の若い時のように、腰を据えて研究に集中することができないと、山中さんと同じことを話していました。

この問題は、自分たちがいくら頑張ってもどうすることもできない。
できるだけ広くみなさんにこの事情を知ってもらうほかないと、切々と訴える梶田さんの声が、今も耳に残っています。

12月5日には、日本のスパコン開発の第一人者齋藤元章さんが詐欺容疑で逮捕されました。

齋藤さんは天才です。
2014年に株式会社ExaScalerを立ち上げ、理化学研究所(RIKEN)および、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と共同研究契約を結び、わずか七カ月で「Suiren」を開発します。
これが、スパコンの省エネ性能を競うGreen500で2位にランクイン。
2015年には、同じくGreen500)で、RIKENの「Shoubu」、KEKの「Suiren Blue」および「Suiren」の3台が1位から3位までを独占します。

2017年1月には、科学技術振興機構(JST)が、未来創造ベンチャータイプの新規課題の緊急募集に、ExaScalerのスパコンが採択されたと発表。
開発期間2017年1月から12月まででしたが、齋藤さんは、その締め切り直前に逮捕されてしまいました。

逮捕容疑は、技術開発助成金を得るのに、報告書を他の目的に書き換えて四億円程度の水増し請求をしたというもの。
もちろん容疑が事実なら、いいとは言いませんが、まだ実際に四億円をもらったわけでもないし、他の研究者の言によれば、この程度のことは日常茶飯事だそうです。
注意勧告して書き直させれば済む話。

なぜこういうことになるのか。
政府が先端技術研究のための資金を出し惜しみ、国家的プロジェクトに十分なお金をつぎ込まないからです。

齋藤さんは、雑誌『正論』2017年2月号で、次のように訴えています。

このままでは日本はスパコンで中国に負けてしまう。中国が一位になると、エネルギー、安全保障、食料、医療、自然災害対策など、すべての面で中国に支配されてしまいかねない。
自分たちのプロジェクトのためにせめて三百億円の資金がほしい、と。

国家の命運がかかっている問題で、政府がちゃんと資金援助をしないから最高の頭脳を潰すことになるのです。
これによる日本全体の損失は計り知れません。

三橋さんの著書の題名ではありませんが、こうして財務省の緊縮路線が日本を滅ぼします。

日本は江戸時代以来の倹約道徳教国家で、いつも小さなことを大げさに騒ぎ立てて、物事の優先順位を間違えます。

さらに想像をたくましくすれば、逮捕した東京地検特捜部にも反日勢力が入り込んでいるのではないか。
つい数日前も、リニア新幹線の工事をめぐって、大手ゼネコン四社が談合の疑いで特捜部の捜査を受けました。
これでリニア新幹線工事はまた遅れるでしょう。
齋藤さん逮捕にしてもリニア新幹線にしても、某国の勢力が手をまわしているという陰謀論に与したくなります。

もしそうでないとすれば、東京地検特捜部や公取委は、大局を見失い、正義漢ぶって摘発教条主義に陥っているのです。
亡国を目指す官庁がまた増えました。


【小浜逸郎からのお知らせ】
●ようやく『福沢諭吉と明治維新』(仮)を脱稿しました。
来年1月末か、2月初めに、PHP新書として発売される予定です。
どうぞご期待ください。
●12月23日(土) 20時より、チャンネル桜の「闘論・倒論・討論」に出演します。
●『表現者』連載「誤解された思想家たち第28回──吉田松陰」
●「同第29回──福沢諭吉」
●月刊誌『Voice』12月号「希望の党に政界の絶望を見る(仮)」
●ブログ「小浜逸郎・ことばの闘い」
http://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo





---発行者より---



【オススメ】

2017年は、ヨーロッパ諸国で、前年から続く「反グローバリズム」の動きが強まり、移民・難民を巡る問題をどう扱うかで議論が噴出した年になった。

また、中国では習近平一強体制が確立しつつあり、経済面では一帯一路政策など、国(共産党)による公共投資で経済成長を続けている。

一方、日本はいまだに安倍政権による緊縮財政が続き、景気の足を引っ張っている。

2018年の世界はどうなっていくのか。
そして、経済成長のための千載一遇のチャンスを得た日本は、明るい未来に包まれているのか。

三橋貴明が、2018年の世界経済、日本経済を占う。


月刊三橋最新号
「2018年の世界と日本~安倍総理と日本国民の決断で、日本は大復活する!」
http://www.38news.jp/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php




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