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故・プミポン国王陛下とタイ国民の絆(2)

庭本秀一郎
■■ 転送歓迎 ■■ No.2725 ■■ H29.10.16 ■■ 7,993部■■


■バンコクの街は黒一色に

 バンコクの街は黒一色に染まった。国民は思ひ思ひに黒あるいは白黒の服を装ひ、祭壇や記帳所はオフィスビル、デパート、ホテルなど到る所に設けられた。洋品店には黒い服が一斉に陳列され、テレビの画像、ウェブサイト、銀行ATMの画面、雑誌の表紙などがモノクロまたはダークトーンに変った。黒い服が買へない貧しい人のために喪章を作成するボランティア活動も生まれた。

タイの国民は、このように静かに陛下を思ひ、弔意を示しながらも、仕事や日常生活は極力普段通りにしようとしてゐるやうだった。タイの国民は、前国王陛下ご自身が、自身のための服喪により国の経済活動が停滞することを好まれないであらうとの思ひのもとに行動してゐるやうに見受けられて、情や調和、合理性を重んじるタイの国民らしい成熟した姿だと感じた。

 心ある日本人駐在員の仲間が、「その日」のための備へを議論してゐた自分たちのことを恥かしく思ふと話してくれて、同じ思ひだった。

■プミポン前国王陛下の御事績 ―ロイヤルプロジェクトー

 プミポン前国王陛下は、国民に父と呼ばれ慕はれてきた。その理由には、お人柄も然ることながら、ロイヤルプロジェクトと呼ばれる開発プロジェクトがある。陛下ご自身が行われたものの他、ご発案のものも含めると、その数は、非営利、半営利含めて四千四百四十九件にもなる。

 水資源および灌漑開発事業(農業用水や生活用水の不足に直面する地域があれば、洪水被害を受ける地域もあり、苦しむ国民のために水資源の確保や灌漑の設備を実施された)、土地改良と開発に関する事業(痩せ細った土地を肥沃な土壌に改良し、共同組合を組織して、土地を農民に分配された)、医療及び衛生に関する事業(陛下の派遣された巡回医師、陛下の立案による特別医療プロジェクト、陛下は県による巡回歯科診療機関設立)、教育に関する事業(学校建設をはじめ、教育費が不足して学業に就けない優秀な児童を支援するための奨学金制度、海外留学のための基金創設)、農業事業(北部開発事業、人工雨事業、米銀行事業、水牛銀行事業、農業休閑期の農民のための当別職業支援事業、協同組合事業など)と多岐にわたってゐる。

 昭和二十七年から昭和五十二年までの最初の百件の陛下発案プロジェクトのうち、北部の貧しい地域を対象にしたものが八十五件を超えてゐる。当時はまともな道路もなく、熟練運転手による四輪駆動でも進めないやうな山道を陛下専用のジープで赴かれ、途中で車を降りて暑い中を汗だくになりながら何時間も歩かれこともあった。

普通の人であれば、くたくたになるところだらうが、国民と共においでになるときの陛下は、常に楽しさうにされてゐたといふ。「助ける活動をするには、助けられる側の人間をよく知っておかなければならない」とお考へになっての御行動であった。
(次号に続く)

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