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From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2017/9/ 21




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「新」経世済民新聞
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「「早期解散」で既成事実化される? 緊縮財政、そして日本の弱体化」
From 島倉原(しまくら はじめ)@評論家(クレディセゾン主任研究員)


ここにきて、衆議院が早期に解散され、早ければ来月にも総選挙があるとの報道が相次いでいます。
そんな中で安倍首相は、憲法改正と並ぶ選挙の争点として、消費増税を予定通り行う一方、増税分の使途の一部を、国債償還などのいわゆる「財政健全化」から、教育無償化などの財源に振り替えることを検討しているとも報道されています。
https://www.nikkei.com/article/DGKKASFS18H2A_Y7A910C1MM8000/

なぜ、消費増税とその使途変更が、憲法改正と並ぶ争点という話になるのか。
思い出されるのは今年5月に開催された「第19回公開憲法フォーラム」の一件。
「日本会議」が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などによって開催された同フォーラムで、安倍首相はビデオメッセージを通じて、9条改正と共に教育無償化を盛り込んだ新憲法実現への意欲を表明しています。
http://www.asahi.com/articles/ASK534KF0K53UTFK002.html

解散あるいは選挙での争点について、現時点で何ら具体的な表明はありませんが、こうした過去の経緯を踏まえれば、使途変更は憲法改正と並ぶ争点というより、安倍首相にとっては憲法改正の一部であり、具体化への布石なのではないでしょうか。
憲法改正前に実現してしまうのであれば、そもそも憲法に盛り込む必要があるのか、という冷静なツッコミは別として。

私自身は改正案が表明された当時、教育無償化目的の「財源」としての増税の既成事実化を狙いとする同案は、緊縮財政をより一層強化しかねないため、安易に賛成すべきではないと指摘しました。
今回の増税使途変更プランについても、憲法改正の布石であればもちろんのこと、そうでなくとも緊縮財政強化には違いなく、やはり安易に賛成すべきではないでしょう。
https://38news.jp/economy/10489

他方で、冒頭の日本経済新聞記事によれば、民進党の前原代表は増税を認める代わりに、教育を含む社会保障に増税分の「全額」を充てるよう訴えているそうです。
これに対して安倍首相は、「財政再建とのバランスは重要」と指摘し、「全額を教育財源に充てることは避ける」と主張しているとのことです。
https://www.nikkei.com/article/DGKKASFS18H2A_Y7A910C1MM8000/

つまり、安倍首相の思惑通りに進めば、「安倍政権は民主党政権よりも緊縮財政」という下記のデータで示される構図が、より一層強化されてしまうのです。

【参考図表:政府部門による、GDP統計上の他部門所得へのインパクト(年度、兆円)】
https://twitter.com/sima9ra/status/905094265155362816

これでは、「機動的な財政政策」の名の下で消費税増税が既成事実化されてしまった、2012年総選挙の二の舞になりかねません。
https://38news.jp/archives/06253

ちなみに安全保障の観点、特に目前の北朝鮮情勢などを踏まえても、今回の安倍首相の政策を支持することは、むしろマイナスではないでしょうか。

なぜなら、緊縮財政強化は経済を弱体化し、その分だけ中長期的な安全保障能力もダメージを受けると考えられるからです。
他方で、北朝鮮への制裁強化がアメリカ主導で進行している現状では、憲法9条の改正如何にかかわらず、あるいは誰が首相になったとしても、少なくとも当面の政府対応に関しては、有意な差はないのではないでしょうか。


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p.42 “日本は公共投資のやり過ぎで国の借金が膨らんだ”は全くの嘘
p.55 グローバリストから財務省まで、消費税増税を訴える人々の思惑

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