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致知出版社の《人間力メルマガ》 2017.9.10


人間誰にでも訪れる死。
死をどのように迎えるかは、私たちにとって大切なテーマです。

長年、人々の死と向き合ってきた鈴木秀子さんの話に耳を傾けてみましょう。

───────「今日の注目の人」───

鈴木 秀子(国際コミュニオン学会名誉会長)

※『致知』2017年10月号【創刊記念号】
※連載「人生を照らす言葉」P112

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私は長いこと、亡くなる方の心に寄り添ってきました。

枕元でお祈りをし、

「いま、何かしたいことがありますか」

とお尋ねすると、心にしこりの残る人は、皆さん

「あの人ともう一度仲直りをしたい」

とおっしゃいます。


魂の深いところでは誰もが皆と繋がっていたいと願っているからです。

ある教え子の家庭の話ですが、遺産相続を巡って奥さんとそのお姉さんが喧嘩をし、30年間、お互いに顔を合わせることなく憎み続けていました。

ある時、奥さんは病に倒れ、余命数日という状態になりました。

見舞った私に細い声で
「姉さんともう一度、仲直りがしたい」
と言います。


しかし、家族は
「この場に及んで嫌な思いはさせたくない」
と大反対でした。

聞くと、お姉さんは一時間以内の所に住んでいるといいます。

「これは会わせてあげなくてはいけない」
と思った私は
「すぐに呼んでください。私が傍についていますから大丈夫です」
と家族を説得して、お姉さんに来ていただくように連絡を取ってもらいました。


そこで驚くようなことが起きました。


病室に来たお姉さんは妹の名前を呼んだかと思うと、飛びつくようにベッドに駆け寄り、奥さんもそれまでの重篤な状態が嘘のように体を起こして、思いっきり抱き合ったのです。

「ごめんなさい、私が悪かった」

「こちらこそ、ごめんなさい」

そう言いながら滂沱の涙を流し、積年の恨みを消し去っていったのです。

奥さんは間もなくして亡くなりましたが、いまでも忘れることのできない光景です。

生前、このような「仲良し時間」を持つことは、幸せな人生を送る上でとても大事です。

中には遠くにいて会えなかったり、既に亡くなっていて時間を共有できない場合もあるでしょう。

そういう時でも、相手をイメージしながら心からのお詫びと感謝の気持ちを送ることで、恨みや憎しみを消すことができます。



※鈴木さんの連載は文学を通して人生を学んでいくものです。
 鈴木さんのお話の魅力を誌面で味わってみてください。


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愛読者からの『致知』へのメッセージ
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AIをはじめ、科学技術が人間の存在を凌駕しかねない現代、大きな課題が私たちに突き付けられています。

「人間にとって最も大切な物は何か?
 どのようにしたら 人間が宇宙の中にあって、人間らしく成長できるか」――

『致知』こそ、この問いかけに応える、力強い道しるべといえます。

───鈴木秀子
   (国際コミュニオン学会名誉会長)

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