From 三橋貴明
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『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
2017/8/14
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「ヴィンランド」
From 三橋貴明
【今週のNewsピックアップ】
毎度お馴染みの「クニノシャッキンガー」
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12300557822.html
緊縮財政と国家安全保障(前編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12300824115.html
わたくし達が、例えば日本国において豊かに、安全に暮らすためには、どうすればいいでしょうか。
各人が「利益! 利益!」と、自己利益のみを追求し、あらゆる「ルール(規制)」を撤廃すれば、それでわたくし達はハッピーになれるのでしょうか。
一切の規制がないとは、例えば、
「信号を守らなくてもいい」
「人を害しても構わない」
という話になるわけです。
今から1000年ほど前の事です。
ノルウェーのバイキングたちがアイスランド、グリーンランドに植民し、さらに西へ、西へと進み、ついにアメリカ大陸に到達したことがありました。
「赤毛のエイリークのサガ」に記載されているのですが、現在のカナダのニューファンドランド島です。
ニューファンドランド島では、当時のノルウェー人が持ち込んだと思われる糸車や鍛冶の道具などが発見されています。
いわゆる、ヴィンランドです。
ヴィンランドに到達したノルウェー人のトールヴァルド(エイリークの息子たち)らは、いきなり先住民九人と戦闘状態になり、一人を逃してしまいます。
さらに、トールヴァルドたちは一団の小舟に乗った先住民に襲撃されます。
一連の戦闘で、トールヴァルドが矢にあたって死亡。
「ここはわれらの見つけた豊かな地だ。
我が腹には豊かな脂肪がついている。
われらは優れた資源に満ちた土地を見つけた。
だが、その多くを享受することはできそうにもない」
と、トールヴァルドは遺言したと伝えられています。
当時のヴィンランドには、ノルウェー政府の管轄権は及びませんでした。
全ては、自由です。
逆に、自由であるが故に、トールヴァルドたちは国家権力に依存することができず、あらゆる問題に対して「自己責任」で対応せざるを得なかったわけでございます。
全てが自由。
究極的なグローバリズムの世界とは、一切の「政府の規制」が存在せず、自己の生存を自己のみに依存しなくてはならない、過酷なサバンナです。
誰も、防潮堤や堤防といった防災インフラを造らない。
道路や橋、トンネル、発電所、送電網といった基本インフラすら、誰も建設しない。
災害があったときは、自らの力「のみ」で何とかしなければならない。
物流がなかったとしても、自分で物資を調達する自己責任力が求められる。
食料も自給自足が前提。
医療や介護についても、全ては自らで何とかしなければならない。
外敵が攻めてきたとしても、ヴィンランドのノルウェー人たちのように、自分たちだけで戦い、撃退しなければならない。
これが、グローバリズムの最終形です。
現実には、人間は自給自足で生きていくことができないため、共同体を構築し、防衛、防災、防犯、医療、食料、エネルギー、物流といった「安全保障」を構築するべく進化を遂げました。
日本における稲作は、極端に収量倍率が高い農業です。
現在においても、収量倍率を比較すると、日本の稲作が110-140倍、アメリカの小麦が23倍、イギリスの小麦が15倍です。
中世の欧州では、小麦の収量倍率は5倍程度に過ぎませんでした。
日本における稲作の収量倍率の進化は、国家の「食料安全保障」の必要性と共に進化したことは疑いありません。
この種の安全保障に関する意識を、次第に喪失してきたのが大東亜戦争敗北後の日本でした。
このまま「利益! 利益!」とやっていくと、我が国は次第に弱肉強食のサバンナに近づき、国家全体の安全保障が崩壊することになります。
国家の安全保障強化と、利益追求のグローバリズムは相いれない。
それは、過去の日本国の歴史を振り返れば、誰にでも理解できるはずなのです。
というわけで、この度、日本の「第零時グローバリズム」である大航海時代のコンテンツを、
月刊三橋
「「真・日本近代経済史
日本近代の歴史は、グローバリズムとの戦いだった」」
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ご期待下さい。
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---発行者より---
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