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王岐山が全国扶養工作会議を主催し、テレビ会議に未曾有の12万人が参加した
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月13日(木曜日)弐
通算第5353号~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王岐山が全国扶養工作会議を主催し、テレビ会議に未曾有の12万人が参加した
「走狗煮らる」を恐れるのか、習近平への強い牽制か、揣摩憶測しきり
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7月3日、「扶貧領域監督執規問責工作電視会議」が開催された。
これは日本的に言えば「貧困扶助事業の監督と問責工作のためのテレビ会議」である。
中国共産党がどこまで本気で貧困排除をやっているか、きちんと監督し、工作を奨励しようというわけだ。
中央紀律委員会が主催。主席は王岐山。この会議には五名の同委員会副主席が出席した。すなわち趙洪祝、楊暁超、呉玉良、李書磊、劉金国。くわえて中央弁公庁紀検組長の除令義も席に就いた。彼が次の秘書長に就任するのではないかと観測されている。
これまでは次期秘書長は楊暁超になるともっぱらの噂だった。ところが楊はこの会議に欠席した。楊暁超は王岐山が北京市長時代に部下として仕え、2014年からは中央紀律委員会秘書長に就任していた。
楊は中国保険監督官吏委員会の責任者に転出した可能性を在米華字紙「多維新聞網」(2017年7月11日)が伝えている。
したがって、この扶助工作会議は趙洪祝・第一副書記の主催となっており、ボスの王岐山が講話に立った。
参会者全員が白のワイシャツを着ているなか、ひとり王岐山だけは紺色のシャツに薄茶のジャンバーを羽織っていた。
さて、問題は、いったい王岐山の裏の目的は何かと言うことである。石平氏はこれを習近平が仕掛けている王岐山追い落とし工作への逆襲と見る(産経、7月13日)。
事実、王岐山は反腐敗、汚職追放の先頭にたって、「虎も蠅も」というスロオーガンを掲げ、次々と大物を失脚させ、江沢民陣営をコーナーに追い込んだついでに共青団にも手を出してきた。
庶民は拍手喝采だが、共産党内は戦々恐々、王岐山への暗殺未遂は27回に達したとされる。
しかし第十九回党大会をまえに、習近平にとっては王岐山のパワーがこれ以上伸びることを怖れだし、歴代皇帝が寵臣を粛清して権力を絶対のものとしたように、そろそろ「使い捨て」の対象にし始めたのだ。
まさに「走狗煮らる」。
そのことを最も恐れているのが王岐阜自身であり、12万人もの人員を動員しての引き締めこそは、習近平への強烈な反撃なのである。
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北朝鮮の脅威は「アメリカの演出」だと大胆に推論
面子を潰された中国、バカにされている日本という見立て
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菅沼光弘(但馬オサム構成)『金正恩の黒幕はアメリカだった』(ビジネス社)
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北朝鮮の核実験、ミサイル発射実験がつづき、日本では安全保障論議が盛り上がるのかと思えば、国会は森友とか加計とか。文科省次官の怪しげな倶楽部への出入りとか、そのうえ国民不在の政党「都民が一番」とか。
菅沼氏はまずこういう。
「米軍が一時間で平壌制圧は真っ赤な嘘」だ、と。
防衛研究者、外交専門か、国際関係論のサークルでは、北朝鮮問題で、最悪のシナリオは米国が日本の頭越しに北朝鮮と手を打つこと、つまり核兵器開発の凍結と、米本土へ届くミサイル開発の中止という条件であれば、トランプは金正恩と取引して、日本への脅威はそのまま残ってしまうことである。
だが菅沼氏は、それから先へ一歩踏み込んで、もっと凄い悪魔のシナリオを説く。
「大半の日本人には思いもよらないことでしょうが、日本の先を越してアメリカが北朝鮮と国交正常化する可能性がある」。
国際情勢は複雑怪奇。昨日の敵は今日の友。深い絆の「日米同盟」も、明日は壊れるかも知れない。げんに「米欧同盟」には深い傷が入った。
金正日は2010年に後継者を決めた。
脳梗塞で倒れたため、至急後継を正恩と決め、「金正恩を連れてたびたび中国――正確に言えば満州を訪れている」。
訪中目的の一つは、おじいさんである「金日成将軍の革命の戦跡を巡礼することです」と後継者教育にあり、もう一つの目的が「中国に後継者としての内諾をもらうこと」で、胡錦涛とハルビンで面会した。
胡錦涛はしぶしぶ世襲を認めたことになってしまった。
そのうえで、おじいちゃんの遺言だと言って「中国にはけっして心を許すな」と帝王学の仕上げを行ったそうである。
こんな逸話もある。
チェチェン問題で悩んでいたプーチンだが「沖縄サミットへ行く途中に平壌によった。そのときにプーチンの顔が冴えなかった。(中略)金正日がアドバイスしたそうな。「弾圧これあるのみ」。(84p)
票者(宮崎)がオヤと思ったのはエジプトと北朝鮮のおもわぬ関係だった。
さきのG20に向かう飛行機の中でトランプはエジプトのシシ大統領の電話会談を行っているが、北朝鮮問題で制裁の協力を要請したという新聞報道があった。
なぜ、と訝しんだが、本書に拠れば、エジプトのオラスコム・テレコムが2008年、四億ドル投資で高麗リンクと合弁し、北朝鮮の携帯電話市場に進出し、また「野ざらしになっていた鉄骨だけのピラミッドのような建物(柳京ホテル、世界第二の超高層ホテル)を再建させた」。
(エジプトがそこまで北に参入していたのか!)
このような両国関係は中東戦争のおりに北朝鮮パイロットがエジプト機を操縦していたこと。その御礼にムバラクはソ連製のスカッド・ミサイルを北朝鮮に提供していた事実があるという(90p)。
日朝国交回復がならないのは主として日本人拉致問題だが、菅沼氏はアメリカが日朝国交正常化を望まないのだとする。
その理由は日本が北朝鮮の経済を采配するようになり日本円がドルに替わって貨幣として流通するだろう、それはドル基軸体制をおびやかるからだと深謀遠慮の存在を語るのだが、穿ちすぎではないかと思う。
真偽はともかくとして、意外な情報に満ちた本である。
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戦争を遂行しながら景気の回復、繁栄に湧いていたアメリカ
多くは耐久生活だったが戦争で潤った階層は贅沢に走っていた
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リチャード・リンゲマン著、滝川義人訳
『銃後のアメリカ人:1941-1945 パールバーバーから原爆投下まで』(悠書館)
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「銃後の守りはひきうけた」
こういって各地に愛国婦人会が結成された。
「負けられません、勝つまでは」「兵隊さんよ、ありがとう」。
日本は兵士を、町や村が総出で見送った。誰もが耐久生活に甘んじ、贅沢は敵だった。戦死は名誉とされ、靖国神社に祭られた。
日本は国民が一丸となって大東亜戦争を戦った。鬼畜米英がスローガンだった。
ならばアメリカは?
大東亜戦争中の1941年から1945年までのアメリカの実生活を活写したドキュメント風の記録が本書である。
つまり「成年男子が次々と戦地へ送られるなか、未曾有の経済的繁栄を謳歌していた」のがアメリカなのである。豪華なレストランは満員、ナイトクラブは全盛。軍需産業は注文が殺到し、賃金が上がった。
この彼我の差は何だろうと日本人読者なら考えるだろう。
実際に戦後の「反戦」文学や評論には「こんな豊かな国を相手に日本は無謀な戦いをしたのか」と、当時の戦争指導者を一方的に糾弾する安直な評価が多い。
本書は実態を以下のように活写する。
「ほとんどの家庭は、1935-1939年の大恐慌時代よりは、ましな生活をしていた」
「重工業では560万を超える労働者が防衛産業で働き、平均して週に40ドルの賃金を得ていた」
GDPは大恐慌時代の二倍に躍進していた。
そして新しいリッチ階層が登場した。「大学教授より収入の多い軍需工場の管理人、一万ドルも荒稼ぎするワシントンの弁護士・ロビィストは飲み食いに散在し、これがまた明日無きがごとき大騒ぎをして愉しんでいた。ナイトクラブの総売上は35%アップした」
「クリスマス・シーズンの華やいだ雰囲気がありはしたが、それでも贅沢品があふれかえるようには見えなかった」
なぜなら「カネまかせの欲望充足に訴える広告はほとんどなかった。豊かさや贅沢を表面に出さないのである」
ハリウッドでは日本人を悪役に仕立てた映画がさかんに作られたが、その日本人役には中国人が扮した(251p)
ところがこの繁栄に預かれない一群の貧困層があった。その多くが黒人だった。
「KKK団は、軍需工場の労働者として南部から流れてきたプアホワイトのなかにくいこんでいた」
一方で「黒人社会の間では、戦時の国策事業から排除されていることに対して不満が広がっていた。(中略)その真意を端的にいえば、軍需工場で賃金の高い仕事に就けない」からである。(478p)。
黒人が賃上げを要求したところプアホワイトがストライキに突入し、白人と黒人と暴力沙汰は耐えなかった。
本書は戦時下の贅沢と貧困と、そのダークサイドにも光を充てて公平に「ひとつの時代」を描いている。
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1598回】
――「正邪の標準なくして、利害の打算あり」――(?富37)
!)富(とくとみ)猪一郎『七十八日遊記』(民友社 明治39年)
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林語堂は『中国=文化と思想』(講談社学術文庫 1999年)で「長期間にわたる苦しい思索、読書、内省の結果」として、「中国人の性格」を「円熟」「忍耐」「無関心」「老獪」「平和主義」「足るを知る精神」「ユーモア」「保守主義」、「中国人の精神」を「知恵」「女性的性格」「科学精神の欠如」「論理」「直観」「想像力」と分析しながら、中国人の「人生の理想」を「人文主義」「宗教」「中庸の道」「道教」「仏教」の側面から解き明かそうとした。
また「社会生活と政治生活は、「社会性の欠如」「家族制度」「『門閥主義』『不正』『礼俗』」「特権と平等」「社会階級」「陽の三要素『官僚』『郷紳』『土豪』」「陰の三要素『面子』『運命』『恩恵』」「村落制度」「仁政」をキーワードにして説かれている。//

