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 平成29年7月9日発行 vol.442
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 斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」
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かみ合いかけた議論
──もっと聞きたい、園部参与との丁々発止 4
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 私は運動家ではありませんが、やむにやまれぬ思いから、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、ひとりで始めました。いまのままでは間違いなく悪しき先例が踏襲されるでしょう。同憂の士を心から求めるとともに、友人知人の皆様への拡散を切にお願いします。


 さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第6節 もっと聞きたい、園部参与との丁々発止──提唱者を標的にしない八木秀次高崎経済大教授の反対論


▽4 かみ合いかけた議論

 八木教授がいみじくも指摘したように、まさに日本国憲法と広辞苑が女系継承容認論の、そして「女性宮家」創設論の根拠です。戦後の憲法と戦後の常識が議論の出発点なのです。それこそが、昭和天皇の在位の途中から始まる「1.5代」象徴天皇制度です。125代にわたる歴史的天皇制度でも、明治以来の近代皇室制度論でもありません。

 一方、八木教授は今回のヒアリングで、いみじくも光格天皇の事例を紹介し、伊藤博文の『皇室典範義解』を引き、旧皇室典範を引用し、意見を述べていますから、歴史的な天皇制度を基本に置く立場から、園部参与の質問にまっ向から答えるかと思いきや、意外にも、そうではありませんでした。

(1)の質問については、現行憲法の定める象徴天皇制度がイギリスのウォルター・バジョットの著書がルーツであることを説明し、

「イギリスの立憲君主制のあり方が、図らずも天皇の制度のあり方をよく表現したものになっている」

 と指摘するにとどまっています。

(2)については、八木教授は

「趣旨がよく理解できない」

 と答え、議論がかみ合いません。園部参与は

「象徴天皇制度は天皇陛下がさまざまなお仕事をなさることで維持されている」

 という今回の「女性宮家」創設論の基本的考えを示したのに対して、八木教授は

「天皇の機能の部分だ」

 という理解を示します。

 すかさず園部参与は

「機能であり、天皇陛下のご意思の問題である」

 とはじめて論戦めいた言葉を発し、八木教授は

「前提は世襲だ」

 と応じていますが、激論になりかけた討論は残念ながら、ここで時間切れとなりました。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


◇ 筆者のプロフィール ◇

斎藤吉久(さいとう・よしひさ) 昭和31年、第32代崇峻天皇の后・小手姫(おてひめ)が里人に養蚕と機織りを教えたとの物語が伝えられる福島県・小手郷(おてごう)に生まれる。子供のころ遊んだ女神川は姫の故事に由来する。弘前大学、学習院大学を卒業後、総合情報誌編集記者、宗教専門紙編集長代行などを経て、現在はフリー。著書に『天皇の祭りはなぜ簡略化されたか』など。過去の発表記事は斎藤吉久のブログで読める。「戦後唯一の神道思想家」葦津珍彦(あしづ・うずひこ)の「没後の門人」といわれる


━━━━━━━━━━━━《《《著書紹介》》》━━━━━━━━━━━━━
『天皇の祈りはなぜ簡略化されたか─宮中祭祀の危機─』 斎藤吉久著
定価(1700円+税)

天皇ご在位20年、ふたたび宮中祭祀の破壊が始まった!政教分離の名のもとに側近らが祭祀を破壊してきた知られざる歴史を検証しながら、たったお一人で祭祀を守ろうとされた昭和天皇と今上陛下のご心情に迫る。http://www.namiki-shobo.co.jp/
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