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 平成29年7月7日発行 vol.440
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 斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」
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「憲法と広辞苑が根拠」
──もっと聞きたい、園部参与との丁々発止 2
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 私は運動家ではありませんが、やむにやまれぬ思いから、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、ひとりで始めました。いまのままでは間違いなく悪しき先例が踏襲されるでしょう。同憂の士を心から求めるとともに、友人知人の皆様への拡散を切にお願いします。


 さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第6節 もっと聞きたい、園部参与との丁々発止──提唱者を標的にしない八木秀次高崎経済大教授の反対論


▽2 「憲法と広辞苑が根拠」

 園田参与に浴びせられた二の太刀は、日本国憲法と広辞苑が、女系継承容認論の根拠とされている、という指摘でした。八木教授は、憲法第2条の

「皇位は世襲のものであって」

 という規定に関する、園部参与の著書『皇室法概論』の解説を紹介しています。

「『世襲』の意味内容をも、男女両方の血統を含むと考えられる一般的な世襲概念を離れ、男系による継承と解さなければならないとまでは考えない。
 むしろ、旧憲法第二条が
『皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス』
 と定め、旧制度は男子による皇位の継承が憲法上の制度であったのに対し、現行憲法第二条は男子が継承する旨を定めていないことからも、憲法は皇位継承資格を男系男子に限定せず、皇室典範第一条によって皇位継承資格は男系男子に限られたものと考える方が無理がないと思われる」

 憲法は皇位の女系継承を否定していないというわけです。八木教授は、この園部参与の見解は

「皇室を日本国憲法の枠内に閉じ込められる発想であろうか」

 と指摘します。

 さらに、園部参与の論は皇室典範を誤読している、と三の太刀が浴びせられています。つまり、こうです。

「伊藤博文『皇室典範義解』に、『皇統は男系に限り女系の所出に及ばざるは皇家の成法なり』とあるが、これは男女両系を含み得る観念である皇統の中から旧皇室典範は制度として男系を選択したということを述べているものと考えられ、同じく伊藤博文の『大日本帝国憲法義解』には『皇男子孫とは祖宗の皇統に於ける男系の男子を謂ふ』とあり、ここでも男系を皇統として選択したことを前提とした説明をしている」

 ここでは、皇統には男女両系が含まれ、その中から男系を選択し、さらに男子を選択するという「三重構造」をしているけれども、皇室典範はそのような認識に立っていないというのが八木教授の指摘です。

 明治21年5月に枢密院で、「皇統にして男系の男子」(旧皇室典範)の「男系」の削除が提案されたとき、伊藤博文が

「将来において、わが皇位の継承法に女系をも取るべきにいたり、上代祖先の常憲に背くことを免ず」

 と反対したことが知られているからです。

 さらなる四の太刀は、園部参与が24年5月に行われた5回目のヒアリングで、旧皇族の復帰は難しい旨を述べたことについてで、八木教授は

「賛同しかねる」

「最近の世論調査では、国民も半数近くが好意的になっている」

 と批判しています


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


◇ 筆者のプロフィール ◇

斎藤吉久(さいとう・よしひさ) 昭和31年、第32代崇峻天皇の后・小手姫(おてひめ)が里人に養蚕と機織りを教えたとの物語が伝えられる福島県・小手郷(おてごう)に生まれる。子供のころ遊んだ女神川は姫の故事に由来する。弘前大学、学習院大学を卒業後、総合情報誌編集記者、宗教専門紙編集長代行などを経て、現在はフリー。著書に『天皇の祭りはなぜ簡略化されたか』など。過去の発表記事は斎藤吉久のブログで読める。「戦後唯一の神道思想家」葦津珍彦(あしづ・うずひこ)の「没後の門人」といわれる


━━━━━━━━━━━━《《《著書紹介》》》━━━━━━━━━━━━━
『天皇の祈りはなぜ簡略化されたか─宮中祭祀の危機─』 斎藤吉久著
定価(1700円+税)

天皇ご在位20年、ふたたび宮中祭祀の破壊が始まった!政教分離の名のもとに側近らが祭祀を破壊してきた知られざる歴史を検証しながら、たったお一人で祭祀を守ろうとされた昭和天皇と今上陛下のご心情に迫る。http://www.namiki-shobo.co.jp/
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