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平成29年6月11日発行 vol.415
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斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」
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イギリスの伝統主義との違い
──「祈りの存在」の伝統とは何か? 8
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「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを始めました。皆様、ご協力のほどよろしくお願いします。
さて、以下は、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋です。一部に加筆修正があります。
第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む
第2節 「祈りの存在」の伝統とは何か?──知的探求がうかがえない櫻井よしこさんの反対論
▽8 イギリスの伝統主義との違い
櫻井よしこさんが掲げる伝統主義は、戦後の日本社会において、絶対的に支持されているわけではありません。それは70年前の日本の敗戦と深く関わります。
数年前、日経新聞電子版に、イギリス生まれのデービッド・アトキンソン小西美術工藝社会長兼社長による「なぜ英国の文化財は美しいのか」という一文が載りました。同社は文化財などの修理・施工を手がけて300年の歴史を誇りますが、アトキンソンさんは2010年に会長に就任しました。
アトキンソンさんが日英の文化財政策を比較し、まず指摘するのは、文化財(建造物)の指定物件の数に圧倒的違いがあることです。
イギリスでは、2010年6月時点で37万4千件が文化財登録されていますが、一定の敷地内に複数の建物がありますから、それらを含めると全体で50万件弱になると報告されています。日本でいう「国宝」級は1万件弱、「重要文化財」級は2万件を超えます。
これに対して、日本では2010年6月現在で、建造物の国宝・重要文化財はあわせて2380件に過ぎません。イギリスの50万件とあまりにも違う。日本の指定の幅は狭い、とアトキンソンさんは指摘しています。
補助金の規模も同様で、建造物の修理に充てられる国家予算は、イギリスが年間500億円なのに対して、日本は80億円に過ぎません。イギリスでもっとも指定対象になりやすいキリスト教会の数は1万4500件ですが、日本では神社だけでも8万社あるというのに、です。イギリスの500億円の国庫補助は、日本に置き換えれば1100億円規模に相当するそうです。
イギリスでは1700年以前に建てられた建造物なら、すべてが登録文化財とされるとアトキンソンさんは指摘しますが、日本ではそうはなりません。
最大のネックは何かといえば、それは、とりわけ神社・神道に対して、憲法の規定をことさら厳格に解釈・運用する政教分離政策であり、その背景には、ヨーロッパのキリスト教諸国に追随し、国力を高め、やがて世界の列強と戦火を交え、一敗地に塗れた日本の近代の歴史があります。
日本が国策を誤り、世界規模で悲惨な戦争を引き起こし、国を存亡の縁に陥れた、その中心に天皇および神道の伝統主義があると考えられ、いわゆる戦争責任を問われています。この近代史理解を超えなければ、伝統主義の復権はあり得ません。
天皇の祭祀が占領期以来、「皇室の私事」と法的に位置づけられたままなのは、近代の歴史を清算できていないからです。「1.5代」象徴天皇論が宮内庁トップにまで蔓延るのも道理です。日本の近代を問い直さなければなりません。
櫻井さんのヒアリングのように、天皇の祭祀を表面的になぞり、単に伝統主義を振りかざすだけでは、祭祀を改変させ、皇室の伝統をゆがめようとする、「1.5代」天皇論に取り憑かれた側近たちを説得することは困難です。
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
◇ 筆者のプロフィール ◇
斎藤吉久(さいとう・よしひさ) 昭和31年、第32代崇峻天皇の后・小手姫(おてひめ)が里人に養蚕と機織りを教えたとの物語が伝えられる福島県・小手郷(おてごう)に生まれる。子供のころ遊んだ女神川は姫の故事に由来する。弘前大学、学習院大学を卒業後、総合情報誌編集記者、宗教専門紙編集長代行などを経て、現在はフリー。著書に『天皇の祭りはなぜ簡略化されたか』など。過去の発表記事は斎藤吉久のブログで読める。「戦後唯一の神道思想家」葦津珍彦(あしづ・うずひこ)の「没後の門人」といわれる
━━━━━━━━━━━━《《《著書紹介》》》━━━━━━━━━━━━━
『天皇の祈りはなぜ簡略化されたか─宮中祭祀の危機─』 斎藤吉久著
定価(1700円+税)
天皇ご在位20年、ふたたび宮中祭祀の破壊が始まった!政教分離の名のもとに側近らが祭祀を破壊してきた知られざる歴史を検証しながら、たったお一人で祭祀を守ろうとされた昭和天皇と今上陛下のご心情に迫る。http://www.namiki-shobo.co.jp/
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第2節 「祈りの存在」の伝統とは何か?──知的探求がうかがえない櫻井よしこさんの反対論
▽8 イギリスの伝統主義との違い
櫻井よしこさんが掲げる伝統主義は、戦後の日本社会において、絶対的に支持されているわけではありません。それは70年前の日本の敗戦と深く関わります。
数年前、日経新聞電子版に、イギリス生まれのデービッド・アトキンソン小西美術工藝社会長兼社長による「なぜ英国の文化財は美しいのか」という一文が載りました。同社は文化財などの修理・施工を手がけて300年の歴史を誇りますが、アトキンソンさんは2010年に会長に就任しました。
アトキンソンさんが日英の文化財政策を比較し、まず指摘するのは、文化財(建造物)の指定物件の数に圧倒的違いがあることです。
イギリスでは、2010年6月時点で37万4千件が文化財登録されていますが、一定の敷地内に複数の建物がありますから、それらを含めると全体で50万件弱になると報告されています。日本でいう「国宝」級は1万件弱、「重要文化財」級は2万件を超えます。
これに対して、日本では2010年6月現在で、建造物の国宝・重要文化財はあわせて2380件に過ぎません。イギリスの50万件とあまりにも違う。日本の指定の幅は狭い、とアトキンソンさんは指摘しています。
補助金の規模も同様で、建造物の修理に充てられる国家予算は、イギリスが年間500億円なのに対して、日本は80億円に過ぎません。イギリスでもっとも指定対象になりやすいキリスト教会の数は1万4500件ですが、日本では神社だけでも8万社あるというのに、です。イギリスの500億円の国庫補助は、日本に置き換えれば1100億円規模に相当するそうです。
イギリスでは1700年以前に建てられた建造物なら、すべてが登録文化財とされるとアトキンソンさんは指摘しますが、日本ではそうはなりません。
最大のネックは何かといえば、それは、とりわけ神社・神道に対して、憲法の規定をことさら厳格に解釈・運用する政教分離政策であり、その背景には、ヨーロッパのキリスト教諸国に追随し、国力を高め、やがて世界の列強と戦火を交え、一敗地に塗れた日本の近代の歴史があります。
日本が国策を誤り、世界規模で悲惨な戦争を引き起こし、国を存亡の縁に陥れた、その中心に天皇および神道の伝統主義があると考えられ、いわゆる戦争責任を問われています。この近代史理解を超えなければ、伝統主義の復権はあり得ません。
天皇の祭祀が占領期以来、「皇室の私事」と法的に位置づけられたままなのは、近代の歴史を清算できていないからです。「1.5代」象徴天皇論が宮内庁トップにまで蔓延るのも道理です。日本の近代を問い直さなければなりません。
櫻井さんのヒアリングのように、天皇の祭祀を表面的になぞり、単に伝統主義を振りかざすだけでは、祭祀を改変させ、皇室の伝統をゆがめようとする、「1.5代」天皇論に取り憑かれた側近たちを説得することは困難です。
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
◇ 筆者のプロフィール ◇
斎藤吉久(さいとう・よしひさ) 昭和31年、第32代崇峻天皇の后・小手姫(おてひめ)が里人に養蚕と機織りを教えたとの物語が伝えられる福島県・小手郷(おてごう)に生まれる。子供のころ遊んだ女神川は姫の故事に由来する。弘前大学、学習院大学を卒業後、総合情報誌編集記者、宗教専門紙編集長代行などを経て、現在はフリー。著書に『天皇の祭りはなぜ簡略化されたか』など。過去の発表記事は斎藤吉久のブログで読める。「戦後唯一の神道思想家」葦津珍彦(あしづ・うずひこ)の「没後の門人」といわれる
━━━━━━━━━━━━《《《著書紹介》》》━━━━━━━━━━━━━
『天皇の祈りはなぜ簡略化されたか─宮中祭祀の危機─』 斎藤吉久著
定価(1700円+税)
天皇ご在位20年、ふたたび宮中祭祀の破壊が始まった!政教分離の名のもとに側近らが祭祀を破壊してきた知られざる歴史を検証しながら、たったお一人で祭祀を守ろうとされた昭和天皇と今上陛下のご心情に迫る。http://www.namiki-shobo.co.jp/
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