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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)10月11日(火曜日)
       通算第5057号
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 コロンボ沖合の人工島プロジェクト、埋立て工事始まる
  ポートシティから中国は「国際金融都市」に切り替えインドの参加も要請
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 奇策に転じた。
 スリランカのコロンボの沖合に人工島を作り、ポートシティ(神戸のポートシティを連想)を建設するという中国のもくろみは、そのプロジェクトの推進派で、親中派政治家だったラジャパスタ前政権の退場により、挫折していた。

先ごろ、シリナス新政権は「再開」に合意した。総額18億ドル、沖合といっても大統領府の迎賓館の目の前の海岸を埋立てて、新都心とするわけで、インドからみれば、「軍事基地を作るのではないか」と大いなる猜疑心で、事態の推移を見守ってきた。

ポートシティから突如、中国は「国際金融都市」に切り替えインドの参加も要請し始めた。まさに奇策と言える。

この海岸線は風光明媚、夕日の美しさで知られ、一等地にはシャングリラホテルなどがまもなくの開業を目指して突貫工事中、海岸線の幹線道を辿ってコロンボの中心部へといたる。

スリランカが再開に合意したのは、すでに前政権下で資材や建設機器、セメントなどが港に陸揚げされ、倉庫に山積みとなっており、一日遅れると18万ドルかかると損害賠償を請求されていたからで、渋々のゴーサインだった。

 こうしたインドの警戒を吹き飛ばそうと、中国は突如「インドも、この大プロジェクトに参加して欲しい。歓迎である」とコロンボで開催されたスリランカ商港会議書のセミナーで駐在大使が述べた(アジアタイムズ、10月11日)。

 インドは中国との合弁プロジェクトが少なく、猜疑心が強いので、中国の唐突な申し出に応じるとは思えないが、中国の奇策。留意しておくべきかも知れない。

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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)江戸東京博物館で開催中のシーボルト展に行って来ました。よくまあ、あの時代に日本から阿弥陀如来など仏像や古九谷等高級陶器、数多の漆塗の精巧な調度品、刀剣武具、カルタ等遊具、書籍、絵画工芸宝飾品、生活用品など六千点におよぶ文物を堂々とドイツに運びおおせたと思いました。
今回展示は二千余点です。
また日本人の絵師を雇ってさまざまな職業人を百人以上描かせているのも、伊能地図を含め日本各地の地図を収集しているのも、スパイ的行為の色合いは否めないものの往時の日本を捉える際の参考になります。
 シーボルト展を企画した学芸員の話では、これらの文物が保管されているミュンヘンの五大陸博物館を訪れたところ、学芸員ないしドイツ国民が極東の国の日本にあまり関心がないのか、予算がないのか、これらシーボルトが日本から運び込んだ収集物が、館内に雑然と押し込まれているだけで、目録など管理資料も不備ゆえ整理整頓する際、相当ご苦労されたとのことでした。
 併せて、主著「NIPPON」の中の、出島・江戸往復の様子を描いた江戸参府紀行等を読むと、ドイツ人から見た当時の日本の様子が立体的に捉えらえます。
ちなみにこの旅行は、ツアーコンダクター、世話係、警護係、看護係、駕籠等運搬係、コック、学者、日記係、絵師、など数多の随行者を従えた140日余りの大旅行だったようで、沿道の一般庶民がシーボルト一行に土下座にて迎える描写もあり、まさに豪勢な大名行列旅行を彷彿させます。
 どうやらシーボルトは、とりわけ京都御所・江戸城の両政権体制、幕府の決定メカニズムに代表される当時の日本および日本人に関する情報をマシュー・ペリーに伝達していたようです。
ペリーはこれらの日本および日本人の情報をつぶさに分析研究し、外交軍事両面からの周到な戦略を立案し久里浜、浦賀に臨み、幕府トップマネジメントとの面談を100余つの空砲で脅迫強要し米国フィルモア大統領の親書を受け取らせ見事開港を成就し、極めて米国に有利な修好通商条約の締結をも成功しました。
これにはシーボルトの正鵠な情報や提言が大きく寄与しているかと思われます。
翻ると現在の外国との交渉においても我が国政府機関から企業に至るまで一旦緩急を頭の片隅に置いてのヒューミントを含めた情報収集分析・戦略立案のプロセスが至って脆弱ゆえ、大いに国益を損ねているように思えてなりません。
   (KU生、 世田谷)



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(読者の声2)『歴史通』11月号(ワック)の宮崎さんのグラビアですが、あちこち、昔のソ連圏と東欧ならびにモンゴルのいまを象徴する写真、じつにヴィヴィドで、大いに参考となります。
 とくにウクライナの西端、国際都市であるオデッサの写真(同誌、13p上段)ですが、犠牲者を弔う写真がありました。ポスターはウクライナ語ですね。
日本にはちゃんとしたウクライナ語・日本語辞典がありませんのでロシア語からの推定をしますと、右上の言葉が写真からは読み取れませんが、犠牲者の写真だと思います。
左上にあるのはオデッサ議会の地域政党で、以下3つの政党名が書かれています。政党別の犠牲者と言うことでしょうか。真ん中にあるのは「血にぬられたオデッサの館」と言う意味だろうと思います。但し、これらから写真の人物が内戦の犠牲者かどうかは必ずしも判然としません。
  (MM生、品川)


(宮崎正弘のコメント)先般、高山正之さんの「放言BARリークス」という番組にでたとき、ホステス役がウクライナの美女でした。彼女に写真を見せて解析してもらったところ、ほぼ同意見でした。内戦の犠牲であることには間違いないでしょう。
 オデッサの県知事は、前のグルジア大統領だったサアカシビリです。かれはウクライナ留学で、いまのポロシェンコ大統領に国籍を付与され、知事になったようですね。

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