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┃日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信 ┃ http://www.realist.jp
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├ 2016年4月18日 【特別号】「パナマ文書」、ロシアの見方
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管理人です。

日本国内の一般メディアでは、まだあまり突っ込んだ内容の記事が出ていない感もありますが、目下、世界を揺るがしている、と言っても過言ではない、「パナマ文書」ですが、この件に纏わり、いわゆる「情報」というものをどう捉えるべきなのか?
というテーマについて、とても参考になるお話がありましたので、今回、ご紹介致します。

もうお馴染みの「RPE」の北野様の、お馴染みの現地リポートです。

北野様のご著書の中でも登場する「情報ピラミッド」という視点は、「プロパガンダ」というもの考える際にはとても有意義なものです。

「良い・悪い」という価値判断は一先ず置いて、これが全てではないにせよ、少なくとも、ロシアという国においては、こういう「情報」も流布されているという「現実」。

これをまず捉えて、それを踏まえて、では、我々はどうすれば最大のメリットが得られるのか?

情緒を排した、そういう視点が必要です。

多くの方は既にお読みとは思いますが、改めて、「情報なるもの」についてお考え頂ければと。

(管理人)

(転載はじめ)

RPE Journal==============================================
ロシア政治経済ジャーナル No.1372     2016/4/14
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★パナマ文書は、アメリカの「オフショア独占戦略」?(ロシアの見方)


全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


パナマ文書、日本では大さわぎになっているようですね。

プーチンがらみの情報もでています。



<プーチン氏の親友、パナマ文書に 政権に打撃の可能性も

朝日新聞デジタル 4月8日(金)10時7分配信

タックスヘイブン(租税回避地)にある法人に各国首脳や著名人が関与している実態を暴露した「パナマ文書」に、ロシアのプーチン大統領の親友として知られる著名なチェリスト、セルゲイ・ロルドゥーギン氏の名が含まれていた。

プーチン氏の関与を疑う声もあり、9月に下院選を控えるプーチン政権にとって打撃となる可能性もある。>



これなんですが、現地に住んでいる実感からすると、「政権にとって打撃になる」というのは、大げさだと思います。

というのは、ロシアのメディアは、見事に(?)統制されていて、「大さわぎ」にならないからです。



<プーチン氏は7日、パナマ文書の暴露について「社会に政権への不信」を植え付けてロシアを弱体化する意図が込められているとの見方を示した。

ロルドゥーギン氏については「我々の会社の一つの株を持っている。

稼ぎはあるが、数十億ドルということはない。

そのほとんどを費やして外国の楽器を買い、ロシアに持ってきている。

彼のような友人を持ったことを誇りに思う」と述べ、自身の関与を否定した。>(同上)



これなんですが、ほとんどのロシア国民は、まず「パナマ文書」のことを知りません。

知っていても、国営テレビを見て、プーチンの言葉をそのまま信じています。



そして、結論は、「またアメリカの謀略だ!」ということになります。

どうしてそういう話になるのでしょうか?

ロシア国営テレビRTR「ヴェスティ ニデーリ」4月10日放送の内容を要約しておきましょう。

(元の映像はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=ClV7dpk_rQc )



▼パナマ文書は、アメリカの「オフショア市場独占戦略」?



16分30秒ぐらいから、「パナマ文書」の話がはじまります。

以下、内容の要約。


・情報をリークしたのは、

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)

The Organized Crime and Corruption Reporting Project (OCCRP)
(組織犯罪と汚職報告プロジェクト)


・ウィキリークスによると、OCCRPは、「ソロス財団」と「USAID」(アメリカ合衆国国際開発庁)の資金で運営されている。

(●註 USAIDは、国務省管轄下にある米政府組織。)


・よってOCCRPの調査、捜査結果は、常にアメリカの利益になるようになっている。

・今回アメリカは、数十兆ドルの利益を期待している。




ここから、「どうしてそうなるの?」に関する解説がはじまりました。


・オフショアは、すでに長年にわたって「合法」である。

・アメリカの一流企業、たとえば「アップル」「グーグル」「マイクロソフト」「GE」「GM」なども使っている。

・ロシア企業も例外ではない。(利用している。)

・ロシア政府はオフショアの利用を歓迎していないが、禁止はしていない。

・禁止すれば、(オフショアを使う)外国企業は有利になり、(使えない)ロシア企業は不利になり、結果としてロシア企業の競争力がなくなるからだ。

・そういう理由で、「オフショアを禁止する」のであれば、全世界が同時に行わなければならない。



・オフショアは一般的に、小国や島であり、アメリカがある特定のオフショアをつぶそうと思えば、いつでもつぶせる。

・ドイツは、オフショアだったキプロスを、超短期間でつぶしてしまった。


ここから、話の核心に入っていきます。


・アメリカは、自国領の中にオフショアをつくっている

(ネバダ州、ワイオミング州、デラウェア州、サウスダコタ州)

・つまりアメリカは、アメリカ国内のオフショアに、世界の資金を呼び込む計画なのだ。

・アメリカ以外のオフショアの秘密を突如暴露し、その一方で、

「私たち(アメリカ)にお金を預ければ、安心ですよ」とささやく。


・パナマ文書は大さわぎになっているが、真の大物はアンタッチャブルである。

・これは、「アメリカのオフショアを使ってくれれば、安全ですよ」ということなのだ。



司会のキシリョフさんは、「プランは成功している」といいます。

その証拠として、ブルームバーグ1月27日の記事を引用しました。

曰く



<透明性と公開性というグローバルな流れに逆らって、アメリカは、外国資本のためのダイナミックな新市場を作り出した。

皆、ロンドンの弁護士から、スイスの信託ファンドまでが、バハマ、英領ヴァージン諸島などから、(アメリカ国内のオフショア)ネバダ、ワイオミング、サウスダコタへの資金移動を助けることで、このプロセスに参加している。>



キシリョフさんは、「すばらしいオペレーションだ!」とアメリカのずる賢さを絶賛(?)します。

そして、このオペにはふたつの大きな効果があるとしています。


1、世界のオフショア資金を、アメリカ国内に移動させる。

2、世界から集まった資金を、アメリカが完全に監視、監督する。


・もちろん、こんな話は公言されない。これは長期プランだ。


とまあ、ざっくり要約しましたが、これがロシアの見方です。

もちろん、ロシア国営メディアは、常に「アメリカ陰謀論」ですので、丸ごと信用はできません。

(たとえば、「原油大暴落は、アメリカとサウジが組んでロシアつぶしをしかけた」と報じていた。

実際は、サウジがアメリカのシェール企業をつぶすために減産を拒否したことが、暴落の主因だった。)


しかし、「クレムリン情報ピラミッドがこういう見方をしている」ことを知っておくのは、

「米英情報ピラミッド」に偏った日本国民にも有益でしょう。

●PS

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北野 幸伯

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●面白かったら、拡散お願いいたします。>

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(転載おわり)

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