こんにちは。エンリケです。

戦争をやるには

軍の動員

が必要となります。

先生の今の連載は、現実の軍の動員を帝国陸海軍を例に解説しています。

戦争をはじめるとはどれだけ大変なことか。
毎号記事を読むにつれ、つくづくそう思います。

しかしこの内容を見ても、軽々しく「戦争が起きる」とか「自衛隊は・・・」とか言ったりする人を変えるのは不可能です。だから放置プレイです。

でも、日々をきちんと生き、家族を養い、何も言わずに行動する多数国民の側にいるあなたには、こういう真の知識を通じてご自分を変える真摯な努力を求めます。

軍の動員というテーマで、内容を正確に記述している書は、一般向けには出てません。

ですから、この内容を無料で読めるあなたは、すごくラッキーで、ツイてる人に間違いありません。
まっとうに人生を歩んでおられ、意識も優れているスゴイ方だからと思います。

そういうあなたに「物凄い質の高い」記事を提供くださる荒木先生にも感謝するばかりです。

さっそく本文をどうぞ

エンリケ

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ

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WEB http://wos.cool.coocan.jp
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                 荒木 肇
『動員のコスト(13)――日本陸軍の動員(13)
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□はじめに

 豪雨災害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
それにしても思ってもいなかった事がいつも起きているのが近頃です。天災は忘れたころにやってくると言われます。
備えをと言われても、手の施しようもないというのが実感です。
重ねてお見舞いを申し上げるしかありません。

 さて、不十分なお答えにもかかわらず、K様重ねてのお便りありがとうございました。海軍や海上自衛隊については素人ですが、お役に立てて嬉しかったです。これからも何かありましたら、これに懲りずにお便りをいただければ有り難く思います。

 さて、安保関連法案、いよいよ大詰めを迎えてきたようです。
テレビや新聞の論調を見る限り、賛成の方の声が聞こえず、ひたすら反対の方々の意見が多い。まるで国民のほとんどが安倍政権を呪い、先日の国会周辺のデモについての報道でも自民・公明の与党は力を失っているようにみえます。

 「60年安保」を思い出させるという論者もおられ、政権を倒すのが国民の声だと興奮している方々もいるようです。
しかし、ほんとうのところは当時の岸首相も言われたように、『声なき声が聞こえる』ということではありませんか。
「戦争の準備をしている」のは軍備を増強し、パレードを行ない、韓国の大統領や国際的な犯罪者を招き、威嚇的な行動をとっている中国ではないでしょうか。デモをかけるべきは相手側でしょう。

 また、テレビに登場したある女子大生は、『就職先がなく、私の周りには自衛隊員にでもなろうかと言う人もいっぱいいます』などと語りました。いったいどこの大学生だろうと一瞬、目と耳を疑ったものです。事情を知っている人間には常識ですが、大卒の一般幹部候補生の応募状況は昔も変わらず大難関であり、曹候補生も大変な倍率です。一般2士といわれる自衛官候補生の採用も4倍以上と聞いています。何より、勉強もするお金がないから自衛官なんかになってしまうという上から目線の言い方には驚きました。

 誰か、若い人を騙す大人がいるのです。
限られた情報しか流さず、しかもそれが間違っている。
それによって「洗脳」してデモをやらせ、発言させ、自分のメシのタネにする。そういった人々がいることが本当の問題でありましょう。

 さて、戦争は経済行為です。人・もの・金を用意する。
それが戦争準備です。今回も戦時中の人の集め方をご紹介します。

▼海軍と陸軍の募集争い

 陸軍のネックは現役配属将校制度に保障された学校教練だった。
教練には検定があって、教育に当たる将校には評価権があった。
この検定を通っているかいないか、さらには合格していても将校の目にかなって「将校適」、あるいは「下士官適」の推薦をもらっているかが入隊して幹部候補生になれるかどうかの分かれ目だった。

 この配属将校制度についても多くの戦後の誤伝や意図的な歪められ方がある。それは現役将校が不足するにつれ、予備役、後備役の将校たちが配属されるようになったことにも原因の一つがあると思う。

 前にも書いたように現役将校には動員計画に基づいた戦時補職があった。派遣元であった部隊が動員されると将校たちは続々と補職に戻った。貴重な現役将校を学校に張りつけておく余裕がなくなった。そこで陸軍は特別志願士官という制度を考え出した。
予備、後備の将校でも志願し、選考に通れば、制度上現役将校しか就けないポストに補職される仕組みである。
この特別志願士官制度はのちに志願将校に拡大された。
士官とは尉官のことであり、将校にすれば佐官も含まれる。
中学には少佐、大尉が配属されることになっていたから予・後備役少・中佐クラスでも任用できるようにしたわけである。

 おかげで、若くして予備役に編入されたり、准尉(特務曹長)から少尉候補者(士官学校学生)を経ないで少尉になったりした人たちも配属将校になった。制度発足時の最精鋭が選ばれた時代とは違って、将校たちのレベルも下がってきてしまった。
地域の有力者に取り込まれて特定の生徒たちに手加減を加えたりもした。
人格的にも中学生などに軽く見られた人も増えた。生徒に反抗されたり、生徒が教練に不熱心であったりすると体罰などで対応した人も増えたのは当然だっただろう。

 しかし、この教練修了証制度そのものは、必任義務の徴兵制度下の学校教育と連動したシステムであった。学歴所有者(中等学校卒以上)にはさまざまな特典があった時代である。公平な運用が求められるし、不公平感があってはならない。かたや小学校しか出ていない若者が兵役に服し、さらには野戦で苦労をしている。
それを授業の一環であるのに真面目に学習しない。
それでもいざとなったら幹部候補生に誰でもなれるとあっては、世間の目も許すものではなかった。学生に対する眼差しは、特に戦時になれば厳しかったのである。

 アメリカでは1926(大正15)年から一般大学の学生に予備士官教育を施して合格した者には、卒業と同時に予備少尉にする制度を始めた。のちのニミッツ大将も当時カリフォルニア大学でこの課程の実施者となっていた。この動きは当然、わが海軍当局者も承知していたという。1941(昭和16)年、海軍省人事局にいた大井篤中佐は海軍兵科予備学生の企画者の一人である。
大井中佐には留学時の見聞があった。回顧を聞いてみよう。

「第5次軍備増強計画によれば、日本は広大な太平洋正面の無数の島々を、すべて海軍兵力で守備することになっていた。
それらの諸島配備の陸戦隊に配属する将校要員は莫大なものになるだろうが、しかもこれらの将校には航海や操艦の知識は必要ではない。とすればこの際、一般大学出身者の中から優秀な人材を採用してみたら有効ではないだろうか」

 このとき海軍の人事担当者の頭の中には、当然、陸軍予備士官学校などの諸施策との対抗心が働いたことだろう。募集ソースが一緒であることから当然、人の奪い合いになる。この回顧に明らかなように、兵科予備学生はもともと増大が予想される陸戦隊の初級将校をつくる制度だった。

「陸船頭(おかせんどう)」と罵られることが最大の侮辱だった海軍兵学校出身の正規士官。彼らは中学校卒業後に兵学校に入校し、4年間でカッターの操船から始めて機動艇に慣れ、遠洋航海で練習艦の艦橋に立ち、操艦能力を養ってきた。それに比べて陸戦隊の指揮官を養成するのはさほど時間と手間がかかることではなかった。

 もちろん、兵学校の生徒も増やされた。1933(昭和8)年の64期生は170名と増えた(それまでは毎年130名程度)。翌年は200名(65期)、その次の66期、続いて67期は240名。急いで現場に送り込まれた卒業生への施策は人員増だけではなかった。修学期間の短縮である。
66期は半年、67、68期は8カ月も短くされた。さらには翌年、1938(昭和13)年入校の69期は354名の大量採用となり、在校期間も3年間になった。新入生の哀歓を描いた『海兵4号生徒』という映画があったが、これ以後は最低学年が3号生徒になったのである。

 この兵学校生徒の増えた分は多くが飛行科へ進んだことによる。
陸軍にはすでに士官学校予科を終えて進む航空兵だけの士官学校本科があった(1937年から)。ちなみにこの年、陸軍予科士官学校入校者は1700名に達していた。対して海軍は最後まで飛行科将校養成の専門学校はもたなかった。その代わり、予備員である学卒者の予備学生の中から飛行科要員も採用することになってしまったのである。

 陸軍航空隊はノモンハン事件で多くの航空科将校を失った。そのため、航空科将兵、とりわけ操縦者の損耗については深刻な反省をもっていたのである。ここで陸海軍用語の違いにもふれておこう。陸軍は空中勤務者といい、海軍は搭乗員という。陸軍パイロットは操縦者であり、海軍は同じく操縦員という。

 兵科予備学生制度が設けられるまでには様々な陸海軍の制度の調整が必要だった。まず、採用時の階級の問題があった。
兵科予備学生を短期現役軍医官や同主計官と同様に、大卒なら予備学生課程を終えれば中尉で任用するということだ。これは海軍からすれば陸軍は幹部候補生なら中卒でも少尉にしているではないか。
ならば、海軍は大卒と高専卒を採用するから中尉でよかろうとい…

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