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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月16日(水曜日)弐
通算第4659号
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安倍首相、ベトナム書記長と会談、中国の軍事力へ深刻な懸念
巡視艇を追加で六隻供与、安保問題で共同歩調を確約
****************************************
9月15日、ベトナムの国家元首にあたるグエン・フー・チョン書記長が来日し、安倍首相との会談で「南シナ海の埋立て」などに「深刻な懸念」を表明した。
かねて日本はベトナムに巡視船の供与を約束してきたが、追加で中古船六隻の供与を決めた。この中古船は巡視船に改造できる。
このほか、中国軍の南シナ海進出に関して情報の共有化、レーダーの供与なども話し合われた模様である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150915-00050152-yom-pol
********
ベトナムの声を聞こう!
――土曜日に「南シナ海をめぐる特別シンポジウム」が茗荷谷の拓殖大学で開催されます。一般の方も予約なしで参加できます。
中国がかってに珊瑚礁を破壊し、人口島を造成し、滑走路など軍事施設を建設、アジア諸国が総立ちで怒り、米国も抗議している。
ベトナムの訴えを中心にシンポジウムが行われます。
記
とき 9月19日(土)10時30分~12時00時
第一部 シンポジウム 「南シナ海をめぐる中越関係と日本」
同日 13時00分~15時00分
第二部 「南シナ海をめぐる中越関係に関するワークショップ」
「ベトナムからの証言 中国の南シナ海進出の実態」(宮崎正弘ほか)
ところ 拓殖大学文京キャンパス E館101教室 (通称)新渡戸ホール
(東京都文京区小日向3-4-14)
資料代 おひとり千円(第二部だけの方も同額です)
内容 「ベトナム人からの証言」
デイン・ホアン・タング氏
ホアン・ベト氏
主催 午前 拓殖大学海外事情研究所
午後 南シナ海問題を考える会
□
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◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本は随分とユダヤ人に助けられたものである
日露戦争の戦費調達ばかりか、日露戦争の軍艦もユダヤ人の造船技術だった
♪
佐藤唯行『日本の恩人 ユダヤ人』(日新報道)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
誰もが知っているのは日露戦争の戦費を調達して呉れたのがユダヤ人の大財閥ジェイコブ・シフだったことだろう。
この物語は渡米した高橋是清(当時日銀副総裁)との友情関係でも語られたが、シフの本音はロシアで虐待され続けたユダヤ人の怨念を晴らし、ユダヤ人の出国を助長するために、日本がロシアを負かすことが重要と考えていた。
シフが引き受けて呉れた日本の公債は二億円強。これは日露戦争の戦費の25%である。
対馬沖海戦の大勝利は英雄・東郷平八郎の大胆な作戦、英国諜報網の背後からの支援にあるが、「わが主力艦隊、即ち旗艦三笠以下、六隻の戦艦と八隻の装甲巡洋艦の購入代金が一億二千万円だった」。
そのうえシフは追加の公債も、ドイツに打電し、ハンブルグのユダヤ財閥ウォーバーグ家に販売を依頼していた。これはポーツマスの講話談判決裂にそなえての措置でもあった。
日露戦争の戦費調達に協力してくれたユダヤ人はほかにも大勢いた。
フランスのアルベール・カーンを忘れることができない。
「カーンは南アフリカのダイヤモンド鉱山デビアス社の株投資で莫大な利益を築き上げて」いた。しかし日本はまさかフランスには期待していなかったのだが、それというのも、「フランスはロシアとの間で露仏同盟をいう強固な政治、軍事上の協力協定を結んで」いたからだった。
じつはカーンは日露戦争の八年前に来日経験があり、大の親日家だった。
カーンは渋沢栄一とのつきあいも古く深く、ほかにも当時の日本の実業界を代表した大倉喜八郎、増田孝(日本経済新聞の創始者)らとも親交があった。
話は前後するが、日清戦争での日本の勝利もユダヤ人が関係している。ユダヤ系のヤーロン社製装甲水雷艦が「威海衛夜襲でいかんなく威力を発揮した。(中略。北洋艦隊の)巡洋艦威遠と砲艦宝?を撃沈、巡洋艦来遠を転覆」させたが、大きな軍艦はWASP企業が製造ノウハウと販路を握っていたため、ユダヤ系は「小型艦艇の建造に特化せざるを得なかった」という偶然が作用した。
本書には、このほか、これまで知られなかったユダヤ人と日本との意外な結び付きが多数紹介されており、教えられる事項が多かった。
他方、日本に余計なことをしてくれたGHQの憲法の制定にもユダヤ人がからみ、労働法など法律の改悪にも一役買っている。
評者は貿易会社を十年ほど経営していたので、世界各地のユダヤ人とも付き合ったが、なかにはたちの悪い詐欺師まがいもいたし、値切るだけ、ほかに能のないシビアなユダヤ人もいた。米国の金融エリートたちは、イスラエルに批判的で、しかも金儲け以外に殆ど興味ないユダヤ系もが多かった。したがってユダヤ人も千差万別、一概に親日派ばかりとは言えない。
戦後は企業買収などでマッチポンプのユダヤ人も多く、さらにいえば、世界金融を操ろうとするグループにも、ユダヤ人が多い。本書は、後半で、こうしたユダヤ人を善意のもとに書いていることは気になった。
□▽○○▽◇□
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 1295回】
――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡36)
岡千仞『觀光紀游』(岡千仞 明治二十五年)
▽
なんという情けない言い草だ。学問の要諦は国家経営にあり、その根本は経世済民、つまり国と民とを富ませ、他国から侮られない国造りを進め、草民が心穏やかな日々を送れるように知と心を尽くすことではないか。官位に就いていようが、無位無官の草莽布衣であろうが無関係のはず。学問を志した者が身に体した学問を引っ提げて立つべき時は今、この時だろうに。今をおいて、いったい何時、学んで得たものを国家社会に役立てようというのだ。なんのための学問だ??おそらく、岡はこういいたかっただろうに。
だが相手は話題が国政に及ぶと、「官途に就いていない者がとやかく政治を議論するは、『學の本旨』とは隔たるばかりだ」と尻込みをする始末。
どうやら「學の本旨」に対する考えに彼我の違いがあるらしい。友人にとって「學の本旨」は科挙に合格し官吏になって政治を行うこと。だが岡にとっては、兎にも角にも経世済民の方途を考え尽くし実践すること。
友人は官途に就いていない、ということは科挙試験に成功しなかったと考えられる。そこで草莽布衣は政治を論ずるほどに「學の本旨」から離れてしまうなどと口にする。その不貞腐れ、拗ねたような物言いに、どうやら岡はカチンときたのではないか。ここで「道教と儒教は中国人を存続せしめる陰陽両極の力であるといえよう」と語る林語堂の見解を、引用しておきたい。これまた些か長い引用ではあるが。
「成功したときには中国人はすべて儒家になり、失敗したときはすべて道家になる。儒家は我々の中にあって建設し、努力する。道家は傍観し、微笑しているのである。中国の文人は朝にあれば道を説き、徳を論ずるが、いったん野に下ると詩を賦し、詞を作る。その詩は道家思想に溢れたものばかりである。これが、中国の文人のほとんど全部が詩を作る理由であり、彼らの著作の中、詩歌がその大部分を占めている理由である。
道家の思想はモルヒネのような神秘的な麻痺作用があり、人の心を鎮めてくれる。それが中国人の頭痛や心痛を軽減しているのである。道家のロマン主義、道家の詩、道家の自然崇拝は、儒家の学説が平和と民族統一の時代に役立つように、乱世の時代に中国人の苦しみや憂いを解き放っている。このように、肉体が苦しみをなめているときに、道家の学説は中国人の心に安全な退路と慰めとを与えるのである」(『中国=文化と思想』講談社学術文庫 1999年/100~101頁)
友人は科挙に失敗したことで、林語堂の説くように「道家になる」。道家思想が持つ「モルヒネのような神秘的な麻痺作用」によって、科挙失敗によって引き起こされた自らの「頭痛や心痛を軽減」させたのではないか。かくて彼は「學の本旨」を持ち出して岡の論難を躱し、「心に安全な退路と慰めとを」求めたに違いない。
18日、李慈銘(1830年~95年)が訪ねて来た。科挙に合格し山西道監察御史を務めたことのある清末を代表する歴史家・詩人。日清戦争の敗北を聞かされ、衝撃と憤怒のあまり吐血して死んだことで知られる。李慈銘で思い出されるのは遥か40数年の昔の香港で、彼の40数年及ぶ日々を記した『越縵堂日記』を購入したこと。以来、専ら積読で、いまだ読み終わっていない。大袈裟にいうなら、慙愧に耐えないといったところか。
清末第一級の知識人である李慈銘と知り合いだったとは。岡の交友の幅広さと質の高さに驚かされるばかりだ。その李が日本の「沿革(れきし)」を問い質す。その姿を岡は、
――我が国の学者に「中土の沿革」に関心を寄せない者はいない。だが「中土の學士」は我が国の「沿革」については漠として知らない。これでは、まるで「用兵(いくさ)」に際し我が方は敵情を熟知するが、敵は我が情況に疎いことと同じだろうに――
《QED》
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)軍事政権と不敬罪に批判的な記事を執筆したタイ・ネーション紙の記者が、軍事政権によって日曜日から拘束されているようです。
ネーション紙は即時釈放要求しています。また、タマサート大でのセミナーで平等原則発言をした74歳男性は拘束され、「二度とこうした発言はしない」といわされて釈放されたようです。
タイの軍事政権下では表現の自由はないみたいですね。
http://www.prachatai.com/english/node/5467
http://www.prachatai.com/english/node/5465
(R生、ハノイ)
(宮崎正弘のコメント)軍事政権であろうがなかろうが、完全なる言論の自由はタイにはありません。就中、国王に関しての批判は許されていません。
カンボジア、ラオス、ベトナムにも言論の自由はありません。あるのは、ミャンマー、マレーシアくらい。フィリピンはさすが米国の占領ながく、米流ですから言論の自由はかなり高い。
シンガポールも疑似民主主義、言論の自由があるようで、ない。むしろ、香港のほうが言論の自由は台湾なみにあるとみて良いのではないでしょうか。//
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巡視艇を追加で六隻供与、安保問題で共同歩調を確約
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9月15日、ベトナムの国家元首にあたるグエン・フー・チョン書記長が来日し、安倍首相との会談で「南シナ海の埋立て」などに「深刻な懸念」を表明した。
かねて日本はベトナムに巡視船の供与を約束してきたが、追加で中古船六隻の供与を決めた。この中古船は巡視船に改造できる。
このほか、中国軍の南シナ海進出に関して情報の共有化、レーダーの供与なども話し合われた模様である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150915-00050152-yom-pol
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――土曜日に「南シナ海をめぐる特別シンポジウム」が茗荷谷の拓殖大学で開催されます。一般の方も予約なしで参加できます。
中国がかってに珊瑚礁を破壊し、人口島を造成し、滑走路など軍事施設を建設、アジア諸国が総立ちで怒り、米国も抗議している。
ベトナムの訴えを中心にシンポジウムが行われます。
記
とき 9月19日(土)10時30分~12時00時
第一部 シンポジウム 「南シナ海をめぐる中越関係と日本」
同日 13時00分~15時00分
第二部 「南シナ海をめぐる中越関係に関するワークショップ」
「ベトナムからの証言 中国の南シナ海進出の実態」(宮崎正弘ほか)
ところ 拓殖大学文京キャンパス E館101教室 (通称)新渡戸ホール
(東京都文京区小日向3-4-14)
資料代 おひとり千円(第二部だけの方も同額です)
内容 「ベトナム人からの証言」
デイン・ホアン・タング氏
ホアン・ベト氏
主催 午前 拓殖大学海外事情研究所
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日本は随分とユダヤ人に助けられたものである
日露戦争の戦費調達ばかりか、日露戦争の軍艦もユダヤ人の造船技術だった
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誰もが知っているのは日露戦争の戦費を調達して呉れたのがユダヤ人の大財閥ジェイコブ・シフだったことだろう。
この物語は渡米した高橋是清(当時日銀副総裁)との友情関係でも語られたが、シフの本音はロシアで虐待され続けたユダヤ人の怨念を晴らし、ユダヤ人の出国を助長するために、日本がロシアを負かすことが重要と考えていた。
シフが引き受けて呉れた日本の公債は二億円強。これは日露戦争の戦費の25%である。
対馬沖海戦の大勝利は英雄・東郷平八郎の大胆な作戦、英国諜報網の背後からの支援にあるが、「わが主力艦隊、即ち旗艦三笠以下、六隻の戦艦と八隻の装甲巡洋艦の購入代金が一億二千万円だった」。
そのうえシフは追加の公債も、ドイツに打電し、ハンブルグのユダヤ財閥ウォーバーグ家に販売を依頼していた。これはポーツマスの講話談判決裂にそなえての措置でもあった。
日露戦争の戦費調達に協力してくれたユダヤ人はほかにも大勢いた。
フランスのアルベール・カーンを忘れることができない。
「カーンは南アフリカのダイヤモンド鉱山デビアス社の株投資で莫大な利益を築き上げて」いた。しかし日本はまさかフランスには期待していなかったのだが、それというのも、「フランスはロシアとの間で露仏同盟をいう強固な政治、軍事上の協力協定を結んで」いたからだった。
じつはカーンは日露戦争の八年前に来日経験があり、大の親日家だった。
カーンは渋沢栄一とのつきあいも古く深く、ほかにも当時の日本の実業界を代表した大倉喜八郎、増田孝(日本経済新聞の創始者)らとも親交があった。
話は前後するが、日清戦争での日本の勝利もユダヤ人が関係している。ユダヤ系のヤーロン社製装甲水雷艦が「威海衛夜襲でいかんなく威力を発揮した。(中略。北洋艦隊の)巡洋艦威遠と砲艦宝?を撃沈、巡洋艦来遠を転覆」させたが、大きな軍艦はWASP企業が製造ノウハウと販路を握っていたため、ユダヤ系は「小型艦艇の建造に特化せざるを得なかった」という偶然が作用した。
本書には、このほか、これまで知られなかったユダヤ人と日本との意外な結び付きが多数紹介されており、教えられる事項が多かった。
他方、日本に余計なことをしてくれたGHQの憲法の制定にもユダヤ人がからみ、労働法など法律の改悪にも一役買っている。
評者は貿易会社を十年ほど経営していたので、世界各地のユダヤ人とも付き合ったが、なかにはたちの悪い詐欺師まがいもいたし、値切るだけ、ほかに能のないシビアなユダヤ人もいた。米国の金融エリートたちは、イスラエルに批判的で、しかも金儲け以外に殆ど興味ないユダヤ系もが多かった。したがってユダヤ人も千差万別、一概に親日派ばかりとは言えない。
戦後は企業買収などでマッチポンプのユダヤ人も多く、さらにいえば、世界金融を操ろうとするグループにも、ユダヤ人が多い。本書は、後半で、こうしたユダヤ人を善意のもとに書いていることは気になった。
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――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡36)
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▽
なんという情けない言い草だ。学問の要諦は国家経営にあり、その根本は経世済民、つまり国と民とを富ませ、他国から侮られない国造りを進め、草民が心穏やかな日々を送れるように知と心を尽くすことではないか。官位に就いていようが、無位無官の草莽布衣であろうが無関係のはず。学問を志した者が身に体した学問を引っ提げて立つべき時は今、この時だろうに。今をおいて、いったい何時、学んで得たものを国家社会に役立てようというのだ。なんのための学問だ??おそらく、岡はこういいたかっただろうに。
だが相手は話題が国政に及ぶと、「官途に就いていない者がとやかく政治を議論するは、『學の本旨』とは隔たるばかりだ」と尻込みをする始末。
どうやら「學の本旨」に対する考えに彼我の違いがあるらしい。友人にとって「學の本旨」は科挙に合格し官吏になって政治を行うこと。だが岡にとっては、兎にも角にも経世済民の方途を考え尽くし実践すること。
友人は官途に就いていない、ということは科挙試験に成功しなかったと考えられる。そこで草莽布衣は政治を論ずるほどに「學の本旨」から離れてしまうなどと口にする。その不貞腐れ、拗ねたような物言いに、どうやら岡はカチンときたのではないか。ここで「道教と儒教は中国人を存続せしめる陰陽両極の力であるといえよう」と語る林語堂の見解を、引用しておきたい。これまた些か長い引用ではあるが。
「成功したときには中国人はすべて儒家になり、失敗したときはすべて道家になる。儒家は我々の中にあって建設し、努力する。道家は傍観し、微笑しているのである。中国の文人は朝にあれば道を説き、徳を論ずるが、いったん野に下ると詩を賦し、詞を作る。その詩は道家思想に溢れたものばかりである。これが、中国の文人のほとんど全部が詩を作る理由であり、彼らの著作の中、詩歌がその大部分を占めている理由である。
道家の思想はモルヒネのような神秘的な麻痺作用があり、人の心を鎮めてくれる。それが中国人の頭痛や心痛を軽減しているのである。道家のロマン主義、道家の詩、道家の自然崇拝は、儒家の学説が平和と民族統一の時代に役立つように、乱世の時代に中国人の苦しみや憂いを解き放っている。このように、肉体が苦しみをなめているときに、道家の学説は中国人の心に安全な退路と慰めとを与えるのである」(『中国=文化と思想』講談社学術文庫 1999年/100~101頁)
友人は科挙に失敗したことで、林語堂の説くように「道家になる」。道家思想が持つ「モルヒネのような神秘的な麻痺作用」によって、科挙失敗によって引き起こされた自らの「頭痛や心痛を軽減」させたのではないか。かくて彼は「學の本旨」を持ち出して岡の論難を躱し、「心に安全な退路と慰めとを」求めたに違いない。
18日、李慈銘(1830年~95年)が訪ねて来た。科挙に合格し山西道監察御史を務めたことのある清末を代表する歴史家・詩人。日清戦争の敗北を聞かされ、衝撃と憤怒のあまり吐血して死んだことで知られる。李慈銘で思い出されるのは遥か40数年の昔の香港で、彼の40数年及ぶ日々を記した『越縵堂日記』を購入したこと。以来、専ら積読で、いまだ読み終わっていない。大袈裟にいうなら、慙愧に耐えないといったところか。
清末第一級の知識人である李慈銘と知り合いだったとは。岡の交友の幅広さと質の高さに驚かされるばかりだ。その李が日本の「沿革(れきし)」を問い質す。その姿を岡は、
――我が国の学者に「中土の沿革」に関心を寄せない者はいない。だが「中土の學士」は我が国の「沿革」については漠として知らない。これでは、まるで「用兵(いくさ)」に際し我が方は敵情を熟知するが、敵は我が情況に疎いことと同じだろうに――
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(読者の声1)軍事政権と不敬罪に批判的な記事を執筆したタイ・ネーション紙の記者が、軍事政権によって日曜日から拘束されているようです。
ネーション紙は即時釈放要求しています。また、タマサート大でのセミナーで平等原則発言をした74歳男性は拘束され、「二度とこうした発言はしない」といわされて釈放されたようです。
タイの軍事政権下では表現の自由はないみたいですね。
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(宮崎正弘のコメント)軍事政権であろうがなかろうが、完全なる言論の自由はタイにはありません。就中、国王に関しての批判は許されていません。
カンボジア、ラオス、ベトナムにも言論の自由はありません。あるのは、ミャンマー、マレーシアくらい。フィリピンはさすが米国の占領ながく、米流ですから言論の自由はかなり高い。
シンガポールも疑似民主主義、言論の自由があるようで、ない。むしろ、香港のほうが言論の自由は台湾なみにあるとみて良いのではないでしょうか。//