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空の勇士の物語

 戦争の話というと悲惨な話、悲しい話ばかりが語られますが、これは戦後日本人のビョーキだと思います。なぜ華々しい英雄談、勇敢でカッコいい武勇伝が語られないのでしょうか? 結果的に負けたとはいえ大東亜戦争では世界をあっと驚かせるような大活躍を帝国陸海軍はしていたのです。日本人ならではの戦法も技法もありました。特攻攻撃に関しても「戦法としては邪道」だとか「特攻隊は無駄死に」などと否定的なことばかりが言われていますが、アメリカの発表した数字よりも実際ははるかに戦果があったそうです。特攻攻撃を受けた米兵の中には精神に異常をきたした人がたくさんいたそうで、それだけ効果のあった戦法だったからこそ多くの若者が志願したのではないでしょうか? 「戦争の反省」というならばなぜ勝てなかったのか、次はどうすれば勝てるのかという前向きな反省が必要ではないか、と思いますが。

 かつてペリーが日本にやってきた時、日本人はただ仰天していただけではありませんでした。好奇心の塊のような人がいて、黒船=蒸気船を研究してあっという間に見よう見まねで造ってしまいました。アメリカ人はさぞ驚いたことでしょう。船や飛行機といえば、白人しか造れないのだという「白人優越主義」が常識のように語られていた時代でした。なのに、日本人は黄色人種でありながら蒸気船を造り、蒸気機関車を作り、航空機を造ってしまったのです。

 日本軍は大空で戦う時も「武士道」を意識して戦っていました。昭和16年12月のマレー沖海戦で日本の航空部隊がイギリスの誇る戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」を大破させた時、あとでわざわざ航空機を飛ばして犠牲となった「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」の乗組員のために追悼の花束を1個ずつ海に投げ入れたそうです。こういうエピソードをなぜマスコミは報じないのでしょうか?

 「戦争反対」と叫んでも戦争はなくなるわけではありません。まず戦争の現場を知ることが必要であって、そのためには体験者のお話を聞けばいいと思うのですがテレビや新聞に出てくる「体験者」はなぜか戦争=悲惨なもの、としか語りません。本当に体験者ならばもっと具体的なお話が普通あるはずなのですが・・

 軍事ジャーナリストの井上和彦さんが、かつて「撃墜王」と呼ばれた元日本軍のエースパイロットから体験談を聞いてまとめた『撃墜王は生きている!』
(小学館・1,400円)を読みました。大東亜戦争当時、世界では敵機5機以上を撃墜したパイロットを「エース」と呼んでいたそうですが日本軍には数多くの「エース」がいました。井上さんはその中からご存命の5人の方に会って、直接、話を聞いてこの本をまとめられました。どの方も90歳近いお年であるにもかかわらず記憶が鮮明で空中戦の細部まで覚えていることに驚きました。どの方の話も痛快で、冒険譚を聞くような感動と興奮を覚えながら読みました。


「特攻隊は、本当は行きたくないのに無理矢理行かされた犠牲者だ」とか「薬を飲まされて無理矢理、飛行機に乗せられたんだ」などとさも見てきたように言う人がいますが、そういう人にこそこの本を読んでもらいたいです。一瞬の判断の遅れや見落としが命取りになる空中戦で勝つためには、技術もさることながら何よりも冷静でなければならないということが、この本を読むとよく分かります。数の上では圧倒的に劣勢な中で、それでも勇敢に戦って戦果を挙げ、生きて帰ってきた人たちがいるのです。私たちは謙虚にその人たちのお話を聞くべきではないのでしょうか?