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■第1357話 昭和20年8月15日正午(2/4)

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今回は以下のメールマガジンに掲載された内容の転載です。

  メイル・マガジン「頂門の一針」3710号 2015(平成27)年7月13日(月)

 作者の勤務の都合により、予告無しで配信を休む場合があります。

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(前回から続く)


■3.「天皇の命とひきかへに自分たちが助かるといふ道」

 降伏に際して、当時の日本政府、および国民が直面しなければならなかったジレンマを、長谷川三千子・埼玉大学名誉教授は次のように活写している。


{降伏すれば自分たちの命は助かるかもしれないが、それは敵に天皇陛下の首をさし出すことにほかならならない。


 王を倒すことが正義であるといふイデオロギイを潜在的にかかへもった「立憲君主制」のもとの国民であれば、ケロリとして平気で国王をさし出すであらう。


 しかし、形の上では同じ「立憲君主制」でありながら、「上下心を一に」することを国体の柱としてきた日本国民にとって、天皇の命とひきかへに自分たちが助かるといふ道は、取りえない道であつた。

 といふことはつまり、降伏は不可能だ、といふことになる。}


 親子のように、天皇と国民が心を一つにしてきたのが我が国の「国体」、すなわち国柄であった。

 親の首を差し出して、自分たち子供だけが助かる、そんな事は子供として決してできないことであった。

 それをあえてするという事は、先祖代々数千年にわたって続けてきた国柄を破壊することだった。


 親を思う子なら、自分を犠牲にしても、親は助けたいと願うだろう。

 「天皇陛下万歳」と叫びつつ、特攻に赴いた青年たちは、まさにその道を歩んだのである。


■4.「美しくも恐ろしいジレンマ」

 しかし、天皇から見れば「国体」には別の面があった。

{・・・日本の伝統的な「愛民」は、それが天皇ご自身の自己犠牲の決意にささへられてゐる、といふことを特色としている。

 ・・・それがくっきりと際立つのは、元寇の際に亀山院が石清水八幡宮におこもりをされて「わが身をもつて国難に代へむ」と祈願されたといふ故事である。


 また、まつたくの私的な日記である『花園院宸記』のうちにも、当時十七歳の少年天皇花園院が、大雨で死者の出た報を聞き、雨が止むようにと「民に代つて我が命を弃(す)つる」の祈願をした記述が見られる。


 国民のために天皇がわが身を捨てるといふ伝統は、単なる建前ではなく、すでに代々の天皇の血肉となつてきたのである。

 昭和天皇の「自分はどうなってもいい」といふご決心も、まさしくこの血肉となつた伝統のうちからわき出てきたものと拝される。}


 天皇から見れば、わが身を犠牲にしても民を護るのが国体であり、国民から見れば、自分たちが犠牲になっても、天皇をお護りすることが国体であった。

 これを長谷川氏は「美しくも恐ろしいジレンマ」と呼んでいる。


■5.「身はいかならむとも」

 「この美しくも恐ろしいジレンマ」を断ち切ったのが、昭和天皇のご決断だった。

 その御心は次の御製に窺うことができる。


 爆撃にたふれゆく民の上をおもひいくさとめけり身はいかならむとも


 和歌は57577の31音が基本だが、ここでは「爆撃に(5)」「たふれゆく民の(8)」「上をおもひ(6)」「いくさとめけり(7)」「身はいかならむとも(9)」と、4音も多い字余りになっている。


 長谷川氏は、小田村寅二郎・亜細亜大学名誉教授の次のような解釈を引用されている。


{・・・四音も多い和歌というものは、それをこちらが読む時に、つかえ、つかえ、してしまうものですけれども、不思議にこの歌は一気呵成に読み下せる。

 声を出して読んでも、一気に読めるのです。


 一気にということは、作者のつくり方の状況を偲びますと、一気呵成に詠まれた歌だということです。

 そして、四音も余るということは、定型の三十一音では嵌まり切らない激しい御心中の激動の起伏が、この四音の余りというものを一気呵成に含み込んで、一首の歌として詠み下されたとしか偲びあげることができません。


 そのことのなかに深い深いお悲しみと御決意と、それ以後の時世に対する天皇様の御決断が滲み出ているのではないでしょうか。

 最高戦争指導会議の席で述べられたお気持、その奥にある、御自分の命を捨てるという御決意、そういうものがこの一首の字余りの中に漂い尽しているかの如く感じます。}


(次回へ続く)


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第1357話)(2015年08月02日号)

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